2018年 吉田芳明社長 社員向け年頭所感(要旨)

2018/01/05 トピックス

次の10年へ飛躍の年

明けましておめでとうございます。

昨年は慌ただしくもとても充実した1年でした。
今年の世界経済は、2016年半ばに始まった上昇局面が力強さを増し、引き続き順調でしょう。しかし一方で、金融引き締めのタイミングとスピード、政策の内向き化、地政学的緊張などのリスクがあることを忘れてはいけません。
半導体市場は、昨年は予想以上の勢いがありました。特にメモリ市場が急拡大しました。今年もその勢いを持続しそうです。
半導体試験装置市場も、昨年メモリを中心に大きく伸び、今年も堅調だと思います。

このように、当社を取り巻く環境は、2018年も引き続き明るいでしょう。
我々は、まずは強い需要に対応できるだけの生産体制を早急に整えなければなりません。現在も努力を続けていますが、当初の予想を超えて市場が拡大したことなどで、なかなかキャッチアップできません。ビジネスの機会を失うことのないよう、活動を加速してください。

生産が滞りなく行えるようになれば、売上も伸びていきます。売上については一定の水準が見込めますので、今年は利益を伸ばすことに力を入れていきます。
事業毎、プロダクト毎に利益率の目標を立て、必ず達成するという強い意思を持ち、どうすれば利益率を高めることができるのか各部門で良く考えて実行してください。

これまで、「テスタ市場に変化の兆しあり」と説明してきました。IoT、自動運転、AI、巨大データセンタ、5G通信など、デジタル革命が進展しています。あらゆる場面で半導体が使われるようになると、半導体の個数が増えるだけでなく、半導体への別の要求も高まります。高速化、省電力化、微細化、大容量化、小型化といった高性能化とともに、信頼性の重要度が増してきます。今までのやり方では信頼性の保証が難しくなるものも出てきますので、テスタの高性能化、テストプロセス全体の最適化が求められています。
今年は、「変化の兆し」が「実際の変化」として実感できる年になると考えています。このテスタ市場の大きな変化は、中期的に続くことでしょう。
当社のテストソリューションが半導体のイノベーションを支えていけるように、採用、アライアンス、M&Aなどの必要な投資は行う方針です。この変化に取り残されない、あるいは変化を先取りするにはどうすればよいのか、皆さんで知恵を絞り、様々な観点から検討してください。当社は、『先端技術を先端で支える』ために、一人ひとりが、そしてその総体としての組織が、常に学び続ける必要があります。世界の最先端の技術を支えるために、世界中で力を合わせていきましょう。

昨年、日本で優良会社と考えられてきた会社で、相次いで問題が発覚しました。これを他山の石として、改めて気を引き締めていきましょう。我々には、ビジネスを拡大し、会社を成長させるため、やらなければならないことがたくさんあります。しかし、何をやってもよいというわけではない、守らなければならないルールがあるということを忘れないでください。

今年は、当社が初めてテスタの開発に着手してから50年という節目の年にあたります。当時のプロジェクトチームはわずか5名でした。苦労して開発したテスタが、事業として軌道に乗り、半導体市場の成長とともに当社の柱となり、50年後の今、テスタ市場の変化に後押しされ、飛躍しようとしています。先輩方が積み上げてくれた成果を受け継ぎ、未来の仲間たちに2018年が素晴らしい年だったと感じてもらえるようアドバンテストを発展させていきましょう。
1990年代後半から2000年代半ばにかけて、当社は輝いていました。その後、収益面では普通の会社になりましたが、2018年は明るい希望があります。今年がアドバンテスト復活の年、そしてこれからの10年に向けて飛躍する第一歩の年になると確信しています。

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