事業継続への取り組み

危機管理本部による災害や事件等への取り組みについて紹介します。
部品調達リスクへの取り組みについては、サプライチェーン・マネジメントを参照ください。

災害等の緊急事態に関する体制(危機管理本部)

アドバンテストは、2001年12月より社長を本部長とする危機管理本部を設置しています。危機管理本部は、下記に該当する事態が発生した場合には、情報の一元化ならびに初期評価、初動対応の指揮、復旧計画立案等を行い、復旧が完了するまで迅速・適切に対処します。

  1. 災害や事件等により、当社の事業の継続が困難になるような建物、設備の損壊、ネットワーク等の機能停止の発生、もしくは発生の恐れのある場合
  2. 災害や事件等により、当社の役員、従業員が死傷、または生命、身体に危険が及ぶ可能性のある場合
  3. 社会的問題となるような不祥事や事件が発生した場合
  4. 前記のほか、災害や事件等により、当社および関係会社の事業に重大な影響を与える事態が発生した場合

事業継続計画

アドバンテストは、大規模災害の発生に備え、2007年度に以下の基本方針を定めました。当社は、この方針に則り、事業継続計画を立案しています。

事業継続計画の基本方針

  • 大規模災害が発生した場合、人命の安全確保を最優先する。
  • 取引先ならびに関係者へ与える影響を最小化し、企業としての責務を果たすことに努める。
  • 地域社会と協調し、日頃の防災に努めるとともに、事業所周辺地域が被災した場合、その復興に努める。

事業継続計画の具体策の決定

当社は、2011年3月の東日本大震災以後、防災体制の見直しを進め、2012年度に首都直下地震および利根川の氾濫(洪水)を想定して、そのような災害時においても供給体制を維持できるよう事業継続計画(BCP)を再構築しました。このBCPでは基本方針に基づき以下の具体策を定めています。

基本方針 具体策
1.人命の安全確保 定期的に実施する防災訓練、安否確認訓練の継続に加え、危機管理・事業継続推進体制を強化し、人命の安全確保を最優先する。
2.供給責任の遂行 地震時は当社の生産工場(群馬工場)での供給体制を継続し、洪水時は代替地生産を前提とした供給体制を講じる。
また、事業所やインフラ等の被災により、一定期間、勤務先への出社が困難となる場合に備え、自宅等にて優先業務を継続できる環境を整備する。
3.地域・社会貢献 群馬R&Dセンタが明和町より洪水時避難所として指定されており、洪水発生時は、避難住民の受入先として地域に貢献する。

2022年度の取り組み

2022年4月より外部コンサルタント機関による支援を受け、アドバンテストグループ全体における事業継続計画の再構築プロジェクトを開始しました。当該プロジェクトの第1段階として、2022年4月から2022年10月の期間に、危機が発生した際の指針や対応を示した危機管理計画(Crisis Management Plan)および事業の継続や早期復旧に向けた組織や活動内容等を示した事業継続計画(Business Continuity Plan)の策定に取り組みました。続く第2段階として、2022年11月から2023年5月の期間に、国内主要事業所において、各部署における業務の継続や早期復旧に向けた対応を定めた部署別BCP、また事業所運営に必要な機能(インフラ)の喪失を想定した対応計画の策定に取り組みました。

災害時の対応

2023年 5月 石川県能登地方地震:国内全社安否確認を実施

新型コロナ対策

危機管理本部では、国内外の感染状況の情報収集に努め、新型コロナの感染症対策を従業員に発信するとともに、マネージメントへの報告も適宜行っています。

国内の場合

従業員の安全を考慮して、2020年2月よりテレワークを推奨しています。緊急事態宣言期間中は、該当地域の事業所の勤務者また該当地域の居住者に対して、原則テレワークとするとともに、出張や来訪者の受入も原則禁止としました。また、新型コロナウイルスに関する注意喚起や発熱等の症状のある従業員はその容態について上長を通じて危機管理本部に報告することなどをまとめたe-learningを行い、新型コロナウイルスに感染した場合に早期の対応が取れるようにしました。

事業所内の対応としては、玄関や通用口にサーモカメラを設置し、出社時に体温の計測とマスクの着用チェックを行っています。発熱がある場合は出社を控えさせ、マスクが必要な従業員にはマスクの提供をしています。社内の出入口には消毒液を設置し、隣席者と距離の近い一部の事務エリアではアクリル板の設置をしました。会議室など共有スペースに抗ウイルスコーティング処理を実施し、接触感染のリスクを軽減しました。食堂のある事業所では利用時間の変更による混雑の緩和や椅子の間引きによるソーシャルディスタンスの確保をしています。

新型コロナウイルス感染者が確認された場合には、出社状況に応じて、事業所の一時閉鎖や感染者が利用した範囲の消毒も実施しています。

人の往来が徐々に緩和されつつある2023年初頭からは、一定の人数以上での対面の会議などの開催に当たり、抗原検査キットを配布し、感染拡大の予防に努めました。

半導体試験装置の主力生産工場である群馬工場では、生産に支障がでないよう細心の注意を払っています。勤務者には、スマートフォンを支給して厚生労働省の接触確認アプリを導入し、万が一感染者が発生したときに感染者との接触の有無の確認を可能としました。厚生労働省の接触確認アプリについては、個人所有のスマートフォンへのインストールも勧め、感染者との接触が確認できるよう従業員に協力を依頼しました。

海外の場合

海外グループ会社では、その国の政令に応じた出勤体制を取っています。

各拠点では、新型コロナウイルスに関する情報のポスター掲示による教育、マスクや消毒液などの提供、清掃範囲の見直し、定期消毒、換気、ソーシャルディスタンスの確保や、リモートでの作業効率を向上させるためのITインフラの拡充なども行っています。また、お客さまの要求に確実に対応できるよう検疫期間を見込んだ出張スケジュールの作成などを行っています。

海外グループ会社で新型コロナウイルス感染者が確認された場合には、国内と同様の感染拡大防止措置を講じるとともに、各社の危機管理担当者から本社の危機管理本部に連絡・共有する体制をとっています。