「光超音波顕微鏡 Hadatomo™ Z(ゼータ)」を発表

2019/01/22 製品情報

皮膚内の血管メカニズムの解明に貢献! ライフサイエンスに新たな評価システム

株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:吉田 芳明)は、皮膚内の血管情報を、非侵襲かつ高速に3D画像化する光超音波顕微鏡「Hadatomo™ Z」を発売します。分解能、測定深度の課題から従来のイメージング技術では困難だった皮膚内血管網を、血管構造は光超音波で、皮膚構造は超音波で同時に取得し、合成させることにより3Dで画像化します。また、新たに開発した超音波センサにより画像の高解像度化も実現しています。美容や医療分野の発展において皮膚内部の血管情報は重要です。本システムは、今までにない評価ツールとして、皮膚内血管のメカニズム解明に貢献します。

Hadatomo™は、キャスタ構造のシステムユニットに、フレキシブルに可動するアーム構造の測定部を搭載した、可搬性と操作性に優れた光超音波顕微鏡です。新製品「Hadatomo™ Z」は、従来の1波長による血管分布解析に加え、波長の異なる2波長の光超音波を交互に照射し、吸収係数の違いに表れる酸素飽和度を演算することで、動脈と静脈の分離までもが可能となりました。さらに、肌のキメや毛穴、皮脂腺など皮膚構造の解析に適している超音波測定も同時に行うことで、光超音波による血管構造の画像と超音波による皮膚構造の画像を重ね合わせ、皮膚内3mmまでの深さのより明確な血管位置が3D画像で表示できます。

美容液やエステサロンの施術による血管拡張や血行促進の効能研究をはじめ、皮膚がんの血管生成モニタリングなど、皮膚内部の血管を知ることは美容、医療分野の発展に欠かせません。「Hadatomo™ Z」は今までにない高精度の画像提供で、同分野の研究開発に寄与していきます。

なお、1月30日から幕張メッセで開催される『第9回化粧品開発展』に本製品を初出展し、2019年4月から日本、欧州、韓国、中国にて販売を開始します。展示会場にてぜひ「Hadatomo™ Z」の性能をご確認ください。

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    光超音波顕微鏡 「Hadatomo™ Z」
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開発の背景

我々が普段見ている皮膚は、表面から厚さ数百μmの表皮と、数mmの真皮の2層からできており、その下には皮下組織があります。皮膚を肉眼で見たときに見える血管は、皮膚より深い部分の太い血管であり、皮膚の中、特に真皮には直径数μmから数百μmの肉眼では見えない複雑なネットワークを構築した血管が数多く存在しています。しかし、皮膚内の血管構造や、そのメカニズムを解明するには、長らく有効な測定手段がありませんでした。そこで当社は2015年に、皮膚内血管の新たな評価ツールとして、光超音波顕微鏡「Hadatomo™」を発表しました。この初代Hadatomo™は、皮膚内部の血管分布は鮮明に取得できるものの、光超音波1波長の測定だったため、動脈、静脈、メラニンの判別が困難でした。また、皮膚の凹凸や体毛などの皮膚構造の情報や、表皮の微小血管まで鮮明に見たいという医師や研究者からの要望もあり、これらの課題を解決する新製品「Hadatomo™ Z」の誕生に至りました。

製品の特長

  • システムのマルチモダリティ化 動脈、静脈を酸素飽和度で分離する2波長の光超音波と、組織の硬さの違いから皮膚構造を画像化する超音波を、1つのシステムに統合。
  • 準リアルタイムイメージング 最短40秒(範囲:6mm×3mm×3mm(Depth))から最長210秒(範囲:6mm×6mm×3mm(Depth))で、光超音波イメージングと超音波イメージングを同時に測定。
  • 高解像度画像を容易に取得 専用に開発した超音波センサを搭載し、ソフトウエア上で断層画像を見ながら簡単に焦点位置を合わせることが可能。
  • 操作性と可搬性重視のフレキシブル設計 キャスタ構造のシステムユニットに、可動するアーム構造の測定部を搭載したコンパクト設計。簡易なセットアップで、様々な部位の測定に対応。
  • ラベルフリー 測定部位には少量の水を塗布するだけ。造影剤不要で非侵襲的測定を実現。
  • 3次元画像用データを取得 測定データは2次元断層画像でリアルタイムに表示されるほか、3次元画像用データの取得も可能。ユーザー側で用意されたソフトの使用で3次元画像解析に対応。
  • 外形寸法:約 610(W)×730(D)×1,400(H)mm
    重量:135kg 以下

製品についての詳しい情報は、弊社ウェブサイトをご覧ください。
https://www.advantest.com/ja/products/leading-edge-products/hadatomo/wel5200

本件に関するお問い合わせ

新企画商品開発室  STOプロジェクト  メールアドレス: info_Hadatomo@advantest.com

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