社会貢献活動の事例

アドバンテストグループでは、従業員一人ひとりがよりよい社会づくりに貢献するため、世界各地の拠点でさまざまな社会貢献活動を行っています。2022年度も各地域での多様な支援に加え、当社ESG行動計画「環境(E)」の重要テーマの1つである「生物多様性」への貢献に関連し、多くの従業員が自然保護活動に参加しました。

詳しくは「環境貢献への取り組み」「生物多様性への取り組み」もご参照ください。

自然保護

アメリカ:自然保護区でのトレイルづくり

トレイルをつくる様子

カリフォルニア州Coyote Ridge Open Space自然保護区でのトレイル(歩くための道)づくりに、従業員が参加しました。これは自然保護団体Open Space Authorityが実施する自然保護活動で、この自然保護区にはセイヨウアナホリフクロウやイヌワシなど絶滅の危機にある動植物が生息しています。従業員たちは、スタッフやボランティアからサポートを受けながら、手工具を使って約850フィート (約260メートル) のトレイルを設置し、自然保護に貢献しました。

中国:竹林保全活動

竹を切る様子

浙江省の慈善団体Future Smile Charitable Foundationと協力し、従業員が安吉市龍王村で竹林の保全活動を行いました。竹林は二酸化炭素の吸収力が大きい一方、一定期間(通常6年以上)経った竹は伐採して手入れをしないと、他の竹や植物の生育に影響を及ぼすと言われています。従業員たちは一定期間経った竹を探して伐採作業を行いました。また、伐採した竹を使って山道を補強・整備し、森林火災のリスク軽減にも貢献しました。

シンガポール:植樹運動

植樹の様子

地元の南洋理工大学(Nanyang Technological University :NTU)と協力し、同キャンパス近辺で植樹イベントを開催しました。このイベントは、2030年までにシンガポールが自然豊かな都市 -City in Nature-になることを目指す、シンガポール国立公園庁主導の植樹運動「One Million Trees Movement」と連携しています。当日は当社従業員、シンガポール国立公園のチーム、NTU首脳陣、学生など総勢100名が参加しました。当社はこのイベントに100本の苗木(15,000シンガポールドル相当)を寄贈しました。

福祉支援

アメリカ:住宅建設作業への支援

住宅建設作業の様子

慈善団体 Habitat EBSVが運営する低所得者向けの住宅建設プロジェクトに、従業員とその家族や友人が参加しました。この活動は、手ごろな価格の住宅を低所得者に提供することで家族を力づけ、強固なコミュニティを築くことを使命としています。従業員たちは入居予定の人々やボランティアと協力し、床下地の施工やドアの断熱など、多くの建設作業を手伝いました。

日本:開発途上国への給食支援

TABLE FOR TWO

日本では、SDGs活動の1つとしてTABLE FOR TWO (TFT) プログラム (先進国でヘルシーメニューや飲料を購入するごとに開発途上国に学校給食1食が贈られるという取り組み)に参加しています。国内事業所内の食堂および売店で、対象の定食および飲料を従業員が購入することで、1食/本につき20円の寄付になります。2022年度は合計200,040円を、特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO Internationalに寄付することができました。

シンガポール:食料配布支援

野菜を切る作業

慈善団体Willing Heartsが運営するスープキッチン (困っている人に無料で食事を提供する活動) に従業員が参加し、野菜を切る作業や食料配布をサポートしました。Willing Heartsは、シンガポールで支援が必要な人々のために1日当たり約11,000食を調理、配布するスープキッチンで、当社シンガポール従業員は、地域への貢献のため長年にわたりこの活動に参加しています。

次世代教育

日本:半導体人財の育成

「はかる×わかる半導体」シリーズ
入門編・応用編・
パワーエレクトロニクス編を発行

2010年代初頭、日本の半導体業界は、長らく続いた業界の業績低迷によって“斜陽産業”とも呼ばれる状況でした。学生の電子工学部への進学や、半導体関連企業への就職が敬遠される現実を前に、当社は、半導体産業が継続して発展できるような基盤づくりと半導体人材の育成をしていかなければ自社の持続的な成長も難しくなるとの危機感から、2012年にパワーデバイス*の需要拡大を見込んで設立されたパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)を構想段階から支援し、以後10年以上にわたって自動車メーカー、電子機器メーカー、半導体メーカーおよび公的機関などと共に活動を続けています。

2014年にPDEAが「半導体技術者検定」を開始した際には、この検定受検者をサポートすべく、半導体の基礎から開発、製造、テスト、品質保証までを網羅的に学習できる教本、「はかる×わかる半導体」(3部シリーズ)を制作しました。この教材は、おもに半導体の設計・製造・テスト、品質保証、回路設計に携わるエンジニア向けを想定していましたが、近年では、半導体業界を取り巻く環境の変化により、20代~30代の学習者の需要も高まっており、熊本県内の工業高校や高等専門学校の特別カリキュラムや、大手デバイスメーカーの新人教育などでも活用いただいています。さらに、SEMI Japan、公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)、大分LSIクラスター形成推進会議といった外部団体とも連携し、「はかる×わかる半導体」を使用した共催セミナーを開催するなど、この教材には一層多くの期待が寄せられるようになっています。

当社ではこれからも、半導体産業の継続的な発展と基盤づくりを目指して、未来の人材育成にも力を注いでまいります。

* パワーデバイス:パワー半導体とも呼ばれ、インバータ・コンバーターなどの電力変換器に用いられています。省エネ、低消費電力といった環境技術への関心が高まる昨今、ますます注目を集めている半導体です。

  • パワーデバイス・イネーブリング協会主催のセミナーの様子
    会員企業や学術団体、専門家とともに、パワーデバイスの実用化に向けた課題を共有するなど業界内での啓発活動を定期的に行っている

日本:知財創造教育を実施

日本政府は、児童・生徒に「新しい創造をすること」「創造されたものを尊重すること」を楽しみながら理解させ育むことにより、社会を豊かにしていこうとする知財創造教育を提案しています。発達段階にあわせた知財創造教育を推進するために、学校と社会が連携して教材をつくることが求められています。

アドバンテストは、小学生を対象に、発明の考え方や日本の大発明に関する授業を2021年度より実施しています。子どもたちは人の暮らしが発明によって豊かになっていることを知り、学校からも好評を得ました。もっと多くの子供たちに知財創造教育が実施できるよう、活動を継続していきます。

知財創造教育の詳細は内閣府の知財創造教育の資料を参照ください。

日本:理科教室、自然観察会を実施

小学校での
教育支援活動の様子

未来を担う子供たちへの教育支援および地域貢献を目的に、当社事業所がある地域で様々な教育支援活動を実施しています。2022年度は、感染症対策を取りながら、当社群馬R&Dセンタ近隣の小学生を対象に当社従業員が講師となり、木製キッチンタイマーを作る授業を行いました。また、当社事業所が位置する群馬県および宮城県の小学校で、スピーカーづくりなどの理科工作教室を実施しました。さらに、当社群馬R&Dセンタ内にある国内企業最大級のビオトープにおいて、地元の小学生を対象に、生物多様性を学ぶ自然観察会を実施しました。

日本:再生紙25,000枚を小学校に寄付

再生紙を寄付

当社群馬R&Dセンタでは製紙機を導入し、廃棄されたコピー用紙を使って再生紙を作っています。また、再生紙からノートを作り、当社ビオトープ見学に訪れた地元の小学生や、会社見学に訪れた特別支援学校の生徒や先生たちに配布しています。2022年度は、地元小学校に再生紙25,000枚を寄付しました。

詳細は「資源循環」の「製紙機導入で、新たな循環サイクルを実現」から参照ください。

日本:インタラクティブ地球儀の活用

インタラクティブ地球儀

アドバンテスト群馬R&Dセンタでは、未来を担う子供たちや、従業員、ステークホルダーなどへの環境教育に活用するため、地球のデータをリアルタイムに映すインタラクティブ地球儀を設置しています。この地球儀は、地球の過去/現在/未来の変化や大気温変化など様々なデータを、球体上に映像で映し出すものです。2022年度は、半導体製造装置・材料の国際展示会SEMICON JAPANの当社ブースESGコーナーにおいてもこの地球儀を設置しました。来場者にも好評で、気候変動などの社会課題を考えるきっかけを提供できました。同様に、2022年度に続き2023年度の新入社員研修での環境学習にも使用しました。今後もこのツールを、幅広いステークホルダーの環境学習に有効に活用していきます。

日本:EduTown SDGsアライアンスへの参画

アドバンテストは、小学生向けに実施している理科教室に加えて、小中学生がSDGsを学ぶプロジェクト「EduTown SDGsアライアンス」(制作:日経BP社、TREE/運営:東京書籍)に2021年度から参加しています。「EduTown SDGsアライアンス」は、「持続可能な社会の創り手の育成」に協力するためのプロジェクトで、教育用ウェブサイト「EduTown SDGs」の制作・運営や副教材(冊子)の無料配布を行っています。

中国:半導体テスト人財の育成

「社会貢献」のテーマのもと、Advantest (China) Co., Ltd. はコロナ禍においても、コロナ後の社会に移行する中でも、大学や研究機関と協力しながら、半導体テストの人財育成への取り組みを進めてきました。

2022年には、大学、研究機関、民間企業といったパートナーと協力し、エンジニアが講師となってICテストに関するオンライントレーニングを3回実施し、90名以上が受講しました。また、新たに一校の大学とパートナーシップを結び、CloudTesting™ Serviceを活用したICテスト基礎講座を開講しました。

2023年になってからは、複数の大学を訪問したり、各校の教員をAdvantest (China) Co., Ltd. のオフィスに招いたりして、新たな協力の可能性について議論しました。2023年5月時点で、三つの大学で60名以上の学生を対象に、ICテストに関する講義を開講しています。今後も、大学でのICテストに関する講義開講に向けた教員とのセミナー実施や、新たなパートナー校の開拓、様々な連携モデルの検討等、人財育成に向けた取り組みを積極的に続けていきます。

グローバル:産学連携で半導体人財を育成

当社では2007年より、東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC)において、アドバンテストD2T寄附研究部門を設立、その後VDECが2019年に東京大学大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター(d.lab)として生まれかわったのを機に、アドバンテストD2T寄附講座を開設し、「設計」と「テスト」の橋渡しを目的とした研究・教育活動を行っています。

また、2023年6月には、米国アリゾナ州に拠点を持つ世界的な半導体メーカーNXP Semiconductors社と共同で、アリゾナ州立大学にテスト・エンジニアリング・コースを開設しました。アリゾナ州には半導体産業が集積しており、多くの半導体メーカーが生産拠点を設けています。今後テスト・エンジニアの需要増が見込まれる中、地域に根差した半導体テスト人材の育成を目指していきます。

その他の支援

マレーシア:COVID-19対応支援

支援を受けた人々

企業の社会的責任(CSR)の取り組みとして、マレーシアのNGOであるDevelopment of Human Resources for Rural Areas Malaysia(DHRRA Malaysia)による緊急危機対応イニシアチブ「COVIDCAREMY 3.0 Covid-19 Response Fund」へ、2万リンギット (約61万円)を寄付しました。寄付金は、パンデミックによって生活に影響を受けたマレーシア全土の家族の支援に使われました。また、 DHRRA Malaysiaに、食料品、マスク、衛生用品などが入った150リンギット相当の緊急支援セットを提供しました。

マレーシア:自閉症協会への支援

バッグに寄付品を
詰めた様子

自閉症を持つ人々の暮らしを支えるため、マレーシア国立自閉症協会(National Autism Society of Malaysia:NASOM)に、文房具や本棚、扇風機などを寄付しました。さらに、従業員から寄付された2,000RM(約60,000円/約470USD)を使って、おもちゃやお菓子、家庭用品などを購入して寄付しました。これらの品物を詰める際には、ペットボトルのリサイクル素材を使用した環境に優しいバッグを使用しました。

韓国:中古パソコンの寄付

寄付をした様子

廃材の鉄を売却して得た2,474,800ウォンを、アドバンテスト韓国の地元である天安市の福祉財団に寄付しました。また、使用から4年が経過した中古パソコン10台を、同財団を通じて学生や、支援を必要とする人々に届けました。

ドイツ:ウクライナ支援

寄付されたパソコンを
使う様子

2022年2月のウクライナ侵略後、多くの女性、子供、高齢者がごくわずかな荷物を片手に無一文でドイツに逃れました。ドイツの経営陣と従業員はこの状況を鑑みて支援を決意し、難民支援団体Freundeskreis Degerlochに中古のノートパソコンを寄付しました。支援を受けた人々にとってノートパソコンは勉強だけでなく、就職、資格認定、住居申し込みなどに必要な申請書の準備にも役立ちました。