中長期経営方針
2018年4月26日
当社は、経営理念である「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、これからの10年で当社がどうありたいか、何をなすべきかを定めた、2018年度を起点とする「グランドデザイン(10年)」ならびに「中期経営計画(3年)」を策定しました。
これらを指針とし、顧客価値の創造と更なる企業価値の向上に取り組んでまいります。
1. グランドデザイン(10年)〔2018年度~2027年度〕
< ビジョン・ステートメント >
「進化する半導体バリューチェーンで顧客価値を追求」
< 戦略 >
当社は現在、半導体の量産テスト用システムの開発・販売を中心に事業展開しています。今後は、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場へ事業領域を広げることで、業容の拡大と企業価値向上を目指します。
この長期ビジョン達成に向け、「コア・ビジネスの強化、重点投資」、「オペレーショナル・エクセレンスの追求」、「さらなる飛躍への価値探求」、「新事業領域の開拓」の4つの戦略課題に取り組みます。
< 長期経営目標 >
「売上高3,000億円~4,000億円の達成」
< コスト、利益構造 >
売上成長を目指すにあたり、コスト構造のバランスにも配慮します。将来のコスト構造のイメージは、売上高3,000億円レベルで、売上原価率46%、販管費率32%、営業利益率22%を目安とします。
2. 中期経営計画(3年)〔2018年度~2020年度〕
< 経営指標 >
当社では、期間損益の改善と資本の効率的活用の双方を意識しつつ、企業価値の向上に取り組みます。この考えに基づき、中期経営計画期間における当社の重要な経営指標を売上高、営業利益率、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、1株当たり当期利益(EPS)とし、これらの改善に努めます。
2018年度から2020年度までにおける、各経営指標の3カ年平均の目標は以下のとおりです。
2018~2020年度(平均) 保守的シナリオ |
2018~2020年度(平均) ベース・シナリオ |
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半導体試験装置市場 成長率 | 年0% | 年4% |
売上高 | 2,300億円 | 2,500億円 |
営業利益率 | 15% | 17% |
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) | 15% | 18% |
基本的1株当たり当期利益(EPS) | 135円 | 170円 |
< 主な施策 >
- 半導体・部品テストシステム事業部門
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- HPC(High-Performance Computing)や5G通信向けなど、複雑化・高度化する次世代のテスト需要の波を先駆的に捕捉
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- DRAM、NVM(Non-volatile Memory)での強固なビジネス基盤を堅持
- メカトロニクス関連事業部門
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- テスタとの統合ソリューションの提供や高度な環境試験需要への対応による販売機会の拡大
- サービス他部門
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- 工場自動化要求対応などによるポストセールス増収、SSDテスタの拡販、M&Aによる近縁市場への展開
- 事業マネジメントの強化
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- 社内での事業業績評価にROIC(投下資本利益率)ベースの事業管理・評価ツールを導入し、事業マネジメントを強化
< 財務方針と株主還元 >
当社は、事業成長基盤の強化と健全な財務状態の維持のため、中期経営計画期間累計で850~1,000億円を目安としたフリー・キャッシュ・フローの創出を目指します。安定した事業活動を担保する現金保有レベルは、500~600億円が適正と考えます。超過資金の使途については、M&A、研究開発、設備増強等の成長に向けた事業投資を優先します。具体的には、中期経営計画期間累計のM&A投資枠として1,000億円を設定します。
株主還元については、半期連結配当性向30%を基本とし、1株当たり利益の成長を通じて配当水準を向上するという方針を継続します。ただし、長期にわたって余剰資金が留保される場合は、成長投資見込みを勘案しつつ、配当性向の見直しや自己株式取得等の総株主還元を機動的に検討します。
< ESG課題への取り組み >
グローバルな社会的課題の解決のために、今後半導体の役割はますます重要になります。当社は半導体のテストを通じて、社会の「安心・安全・心地よい」と持続可能な未来へ貢献してまいります。
また、グローバル人財・フロンティア人財の育成やワークスタイルの改革を通じ、長期戦略達成および事業伸長のための基盤を強化します。さらにその人的資本を効果的に活用するため、事業環境および経営戦略に常に則した組織の運営や整備を図ります。
ガバナンスの面では、当社の取締役会は9名のうち4名が社外取締役で、また2名の外国人取締役がおります。今後も取締役会の一層のダイバーシティを進め、ガバナンスの効いた経営を目指していきます。
※ 本中長期経営方針において当社の将来の業績指標の予想に用いた数値の為替前提は、1米ドル=110円, 1ユーロ=135円です。また親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、1株当たり当期利益(EPS)の目標値は、2019年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(300億円)全額が株式に転換された場合の数値となります。
- 中長期経営方針説明会資料(PDF 1.56MB)
- 中長期経営方針説明会資料(ノート付き)(PDF 3.64MB)
- 中長期経営方針説明会質疑応答要旨(PDF 154KB)
- 中長期経営方針説明会音声配信(約45分)