コミュニティ活動

社会貢献活動への取り組み

アドバンテストグループは、2019年7月に定めた「ESG推進によるサステナビリティ」に掲げる「ステークホルダーを尊重し、社会との調和を図り、SDGsへの貢献も意識し持続可能な社会の実現に取り組みます。」という基本姿勢に基づき、「地球環境保全」「次世代育成」「地域社会活動」の分野を中心に社会貢献活動を行っています。
社会貢献活動にあたって、ステークホルダーの皆さまや社会のニーズを追求し、豊かな社会の実現のため、グローバル企業として社会的な責任を果たしていきます。

学術支援、次世代育成支援に対する取り組み

「先端技術を先端で支える」アドバンテストの事業活動は、世界各地ではぐくまれた多数のエンジニアの力と事業を営む地域からの理解に支えられています。これを踏まえ、科学技術を担う人財の幅広い育成に貢献すべく、アドバンテストは学術・科学教育に対する支援を研究・開発拠点を設けた地域を中心に行っています。例えば日本では、東京大学システムデザイン研究センター(d.lab)に設置された「アドバンテストD2T寄附講座」を通じ、日本全国の学生にVLSIの設計からテストまで一貫した研究・教育環境を提供することで、テスト設計の専門家となりえる人材の育成とSoC(システム・オン・チップ)の設計に関する研究を支援しています。そのほか、直近ではコロナ禍による制約が生じていますが、日本の事業所近隣の小学生を対象とした理科工作教室の開催や、電子工学に興味を持つドイツの女子学生を事業所に招待しての職場体験会(ガールズデー)など、地域に根差した活動を継続して行っています。

新型コロナウイルス感染症拡大に対する取り組み等の人道的支援

アドバンテストは、「The Advantest Way」に基づき、世界各地で多くの社会支援活動や慈善活動を長年実施しています。
とりわけ新型コロナウイルスが世界的に拡大した2020年は、グループ全体の寄付予算を増額するとともに、医師会、看護協会、医療機関、赤十字社、NPO団体等への寄付を通じ、医療支援や困難な状況にある社会的弱者への支援を日本、アメリカ、ドイツ、シンガポールなどで行いました。また、当社の微粒子計測器「nanoSCOUTER™」を研究機関に寄付し、社会のウイルス検出能力の向上につながる直接的な貢献を行いました。
これらパンデミックに関する支援活動以外にも、アドバンテストは大規模災害が発生した際に被災者に対する支援を実施しています。また世界中の従業員が事業活動と並行して、障がい者支援、難民支援、生活困窮者支援などの慈善活動を継続して行っています。

推進体制

当社はこれまで、国内を中心に各国や地域で、CSR・環境活動を推進してきました。しかし、サプライチェーンを通じて、広く社会に貢献する企業として、これまで以上にグローバルな取り組みの重要性が高まっています。アドバンテストは、今後はよりグローバルなCSR・環境活動へと意識して取り組み、社会への貢献に努めていきます。

従業員の参加を推進する仕組み

アドバンテストグループは、従業員のボランティア活動への参加を積極的に推進しています。
社会貢献活動の場を提供するボランティア活動については、イントラネット掲示板などを通じ参加者を募集しています。また、社内報や社内SNS(My LIFE. ON.)に各地域の活動報告や参加者の声が寄せられるなど、参加の輪が着実に広がっています。
ボランティア活動の参加にあたり、従業員は年次有給休暇が繰り越されず切り捨てとなる日数を積み立て、ボランティア休暇として利用することができます。

My LIFE. ON.の詳細は、「社内SNS「My LIFE. ON.」による、グローバルな啓もう活動」(環境教育ページ)を参照ください。

2021年度の社会貢献活動事例

アドバンテストグループでは、世界各地の拠点でさまざまな社会貢献活動を行っています。2021年度は年間合計50件以上の活動を実施しました。以下にその一例を紹介します。

地域貢献

日本

ゴミ拾いの様子

群馬R&Dセンタで、事業所周辺のゴミ拾いを年4回実施しました。当社役員や管理職を含むのべ111名の従業員が参加し、ペットボトルやたばこの吸い殻等、年間合計77.7kgのゴミを回収しました。この清掃活動は10年以上継続しています。

アメリカ

湿地での雑草除去

環境保護団体「Open Space Authority」と協力し、サンノゼにある最大湿地の1つ、Spreckles Hillの除草作業を行いました。従業員とその家族・友人22名が参加し、1日の活動で約70袋、重さ約1.3トン相当の雑草を除去しました。

貧困支援

日本

寄付された鉛筆とランドセル

アフガニスタンの子どもたちに学用品を贈って支援する「高校生1万本えんぴつ運動」に参加し、従業員から集められた120本の鉛筆を同プロジェクトに寄付しました。同じくアフガニスタンの子供たちにランドセルを寄付する「SAKURA」プロジェクトにも参加し、従業員から集められた20個のランドセルを同プロジェクトに寄付しました。

台湾

チャリティーイベントの様子

春節に台湾事業所恒例のチャリティーイベントを開催し、バザーの収益金57,135台湾ドルを福祉団体に寄付しました。この活動には台湾の社員110名が参加しました。

障がい者支援

シンガポール

オンラインの決済プラットフォームを利用して従業員に寄付を呼び掛け、従業員からの寄付金4,525シンガポールドル、および会社から拠出された同額を加え合計9,050シンガポールドルを、視覚障がい者支援団体(SAVH=Singapore Association of the Visually Handicapped)に寄付しました。

台湾

模擬面接プログラムの様子

聴覚障がい者の家族を支援するNGO「聲暉協會」と協力し、難聴の学生たちに向けた模擬面接を企画・実施しました。模擬面接では「動画で学ぶ」「面接の受け方」「模擬面接」「経験の共有」など4つのプログラムを行い、難聴の学生たちの意思疎通に貢献しました。このプログラムには、従業員や学生23名が参加しました。

韓国

視覚障がい者支援団体Chungcheongnam-do Rehabilitation Center for the Blindに、7,200,000ウォンを寄付しました。

医療支援

ドイツ

廃棄処分が決定したIT機器を社員に払い下げる抽選会を開催し、集まった3,515ユーロを「Förderverein für krebskranke Kinder Tübingen e.V.」(がんの子供たちを支援する協会)、「Ambulanter Kinder- und Jugendhospizdienst」(子供と若者のためのホスピス外来サービス)に寄付しました。

中国

上海、西安、北京、蘇州の4都市で、社員とその家族約200名が参加し「子供の日」チャリティーイベントを開催しました。参加者が中古品を販売するフリーマーケットを開き、その売上金4,900人民元を子供の医療・物資の支援を行うNGO「上海ベビーホームプロジェクト」に寄付しました。

災害支援

ドイツ

2021年夏にドイツで発生した洪水被災者を支援するため、人道支援団体Aktion Deutschland Hilft e.V.に、10万ユーロを寄付しました。

ウクライナ支援

ウクライナ情勢の影響で困難な状況に陥っている方々への人道支援として、日本赤十字社、国境なき医師団(日本、米国、ドイツ)、International Rescue Committee(米国)、Aktion Deutschland Hilft e.V.(ドイツ)に総額9,000万円を寄付しました。

次世代育成

日本

仙台市教育委員会から
感謝状をいただいた様子

授業風景

群馬県の2校の小学校でスピーカーづくりの理科工作教室を実施し、合計101名の児童が参加しました(2022年2月)。またホバークラフトの原理を用いたおもちゃ作りをオンラインで開催し、児童18名が参加しました(2021年7月)。これらのアドバンテスト主催の理科工作教室は、2005年から開催され2021年に16年目を迎えました。

また、仙台市内の2校の小学校にて実施した理科特別授業「光でつながる、光で省エネ~光通信を体験しよう~」に対して、市教育委員会から感謝状をいただきました。

実施した小学校での授業の様子と授業スライド

日本政府は、児童・生徒に「新しい創造をすること」「創造されたものを尊重すること」を楽しみながら理解させ育むことにより、社会を豊かにしていこうとする知財創造教育を提案しています。発達段階にあわせた知的創造教育を推進するために、学校と社会が連携して教材をつくることが求められています。
アドバンテストは、群馬R&Dセンタ近隣の小学校を皮切りに、発明の考え方や日本の大発明に関する授業を実施することにしました。2021年度には101名の児童が授業を受けました。子どもたちは人の暮らしが発明によって豊かになっていることを知り、学校からも好評を得ました。もっと多くの子供たちに知財創造教育が実施できるよう、活動を継続していきます。
知的創造教育の詳細は内閣府の知的創造教育の資料を参照ください。

インタラクティブ地球儀

アドバンテストの群馬R&Dセンタに、未来を担う子供たちや、従業員などステークホルダーへの環境教育に活用するため、地球のデータをリアルタイムに映すインタラクティブ地球儀を設置しました。この地球儀は、地球の過去/現在/未来の変化や大気温変化など様々なデータを、球体上に映像で映し出すものです。すでに2022年度の新人研修でデモンストレーションを行い、今後はこの斬新なツールを有効に活用しながら、将来世代などの環境学習に活用します。

アドバンテストは、小学生向けに実施している理科教室に加えて、小中学生がSDGsを学ぶプロジェクト「EduTown SDGsアライアンス」(制作:日経BP社、TREE/運営:東京書籍)に2021年度から参加しています。「EduTown SDGsアライアンス」は、「持続可能な社会の創り手の育成」に協力するためのプロジェクトで、教育用ウェブサイト「EduTown SDGs」の制作・運営や副教材(冊子)の無料配布を行っています。

ドイツ

缶サット(空き缶サイズの模擬人工衛星)大会に出場する高校生たちを支援し、500ユーロを寄付しました。寄付金は缶サットの材料費に使われます。また学生たちをドイツ・アメラング事務所の自社ツアーに招待しました。

中国

中国では半導体産業の急速な発展に伴い、半導体テストの人材不足に直面しています。Advantest (China) Co., Ltd.では2017年から大学と協働して人材育成に取り組んでいます。
顧客向けのトレーニング教材は、難易度も取得時間もかかりすぎて大学の授業にはあわず、ICテストシステムが高額すぎる課題もありました。これらの課題に対し、アドバンテストが実施したCloudTesting Service™システムによる半導体テスト教育の経験を活用することでコスト面での課題を解決し、さらに大学の授業に合わせやすいコースに全面的に教材として作り変えました。
21年度からは中国で最も人気のあるSNSプラットフォーム上でオンライン資格認証システムを開発したことで、コロナ禍にもかかわらず、4大学で6回開催(123名の受講者、うち89名に資格認証)できました。
トレーニング環境の整備や教育機関との協力関係を通じて、未来に向けた優秀な人材育成だけでなく、教える側にとっても大きな学びの場となりました。