2021年 吉田社長 年頭所感（要旨）

未踏の成長ステージへ。飛躍のチャンス到来

新年明けましておめでとうございます。

昨年は、新型コロナウイルスのパンデミックという前例のない環境下でしたが、日々の創意と努力でなんとか全世界のお客様に製品やサービスを提供し続けることができました。また、米中摩擦激化で、夏場には中国顧客関連で大幅な需要減を懸念しましたが、新たなサプライチェーンを構築する動きや、コロナ禍がデジタル・トランスフォーメーション（DX）を後押ししたことで、新たな半導体需要が喚起され、当社はこのビジネスチャンスにうまく対応できたと思っています。

足元の事業環境は日増しに改善しており、2021年の市場予測は、世界経済、半導体市場、半導体検査装置市場すべてにおいて、前年比でプラス成長が見込まれています。
コロナで人々の生活様式が大きく変わる中、半導体の需要はさらに拡大しています。半導体の高性能化・複雑化・信頼性の強化によって、テスタ市場は中長期的に一段上の成長サイクルに入り、当社も次の成長ステージに進むことになりそうです。短期的なボラタリティーや、熾烈な市場競争、感染症・国際情勢・自然災害など、さまざまな不確定要素はありますが、世界は大きく変わろうとしており、社会の「安心・安全・心地よい」を目指す私たちにとってさらなる飛躍のチャンスが到来しています。こうした中、当社が「100年企業」に向かって競争力を高め、持続的に発展していくために今年何に注力をするのか、私の考えをお話しします。

1. 新中期経営計画へチャレンジ

今年3月で現中期経営計画は終了しますが、ベースシナリオの目標達成は確実です。DXの進展・5Gの本格商用化という追い風の中、新たな中期経営計画ではより高い目標を掲げることになります。次の目標達成に向け各部門各自がやるべきことを明確化し着実に実行していくことが求められます。

2. The Advantest Wayのさらなる浸透

パンデミックの中できちんと業績を残せたのは当社のコア・バリュー“INTEGRITY”が従業員の皆さんに浸透した結果だと信じています。今年からThe Advantest Wayワークショップは、フェーズ2へ移行します。従業員一人ひとりがさらに能力を高め、チームワークを発揮できるよう成長を後押しすると同時に、管理職のリーダーシップ力養成にも取り組んでいきます。
さらに、The Advantest Wayの「行動基準」や「ESG推進によるサスティナビリティ」に則り、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、環境経営、健康経営などを強化・推進していきます。

3. ワークフロー・ソリューション・カンパニーへの進化

昨年7月にPDF Solutions Inc.と業務提携し、共同開発したプラットフォーム「Advantest Cloud Solutions™」を同12月に発表しました。半導体生産は分業化が進み、デバイスは年々高度化・複雑化していきます。設計からシステムレベル・テストに至る各工程で生成されたデータを活用したワークフロー・ソリューションを確立し、将来的にはハードウエアとソフトウエアの垣根を超えたソリューション提供会社へ変容していく考えです。短期で実現できることではありませんが、社員全員が意識して進むことが大事です。

4. 新規事業の成功体験を作る

新規に開発したnanoSCOUTER™について、コロナ・パンデミックを契機に、市場投入を急ぎます。これまで医療計測分野では小さな成功はあっても、ビジネスとして大きな成功はまだありません。まずはnanoSCOUTER™の事業化に向けて注力します。

現中期経営計画の達成を実現し、2021年度は過去最高売上・最高利益にも挑戦できる事業年度になると期待しています。今年の干支は牛ですが、のんびりした牛ではなく、ガンガン前に出るBullをイメージして業務に励んでもらいたいと思います。

アドバンテストについて

アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安心・安全・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com)をご参照ください。