ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)

当社は、企業が持続的に成長していくためには、多様な従業員が活躍できることが不可欠であると考えています。当社は、従業員の多様性を尊重し、柔軟な働き方を支援するとともに、公正な処遇を行うことにより、従業員が自分らしく、やりがいを持って働くことのできる環境の整備に努めています。また、当社は事業に関わるすべての人の人権の保護・尊重のための取り組みを進めています。

雇用の状況

アドバンテストグループは、従業員一人ひとりの人権を尊重し、人種・性別・年齢・国籍・宗教・社会的出自・身体的障がい・疾病・性的指向などによる差別を排除することを、基本方針で約束しています。また、採用や人事処遇においても、差別を排除し、グローバルに活躍できる人財の採用、育成、登用に力を入れています。

従業員数の推移は以下のとおりです。

雇用状況
2020.3末 国内 2,612人 海外 2,891人 合計 5,503人 2021.3末 国内 2,703人 海外 3,053人 合計 5,756人 2022.3末 国内 2,724人 海外 3,740人 合計 6,464人 2023.3末 国内 2,783人 海外 4,334人 合計 7,117人 2024.3末 国内 2,819人 海外 4,539人 合計 7,358人

地域別従業員数

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2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率
国内 日本 2,220 504 2,724 2,256 527 2,783 2,289 530 2,819 18.8% 38.3%
海外 アジア 959 321 1,280 1,088 372 1,460 1,105 379 1,484 25.5% 20.2%
ヨーロッパ 763 157 920 903 202 1,105 955 220 1,175 18.7% 16.0%
北米 1,178 362 1,540 1,363 406 1,769 1,402 478 1,880 25.4% 25.6%
海外計 2,900 840 3,740 3,354 980 4,334 3,462 1077 4,539 23.7% 61.7%
合計 5,120 1,344 6,464 5,610 1,507 7,117 5,751 1,607 7,358 21.8%
  • *
    集計範囲:アドバンテストグループ

地域別管理職数

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2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率 うち現地
採用数
現地採用者
からの登用率
国内 日本 465 18 483 465 20 485 472 20 492 4.1% 37.4% 491 99.8%
海外 アジア 225 45 270 237 45 282 233 49 282 17.4% 21.5% 273 96.8%
ヨーロッパ 214 23 237 223 25 248 239 25 264 9.5% 20.1% 261 98.9%
北米 246 36 282 251 27 278 247 29 276 10.5% 21.0% 268 97.1%
海外計 685 104 789 711 97 808 719 103 822 12.5% 62.6% 802 97.6%
合計 1,150 122 1,272 1,176 117 1,293 1,191 123 1,314 9.4% 1,293 98.4%
  • *
    集計範囲:アドバンテストグループ
  • *
    管理職の定義:10段階の資格制度におけるLevel7以上。10段階の資格制度のうち、ジョブレベル1から6を一般社員層に、ジョブレベル7から10を管理職層に適用しています。

雇用形態別従業員数

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2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計
正社員 4,739 1,202 5,941 5,194 1,350 6,544 5,326 1,440 6,766
非正規社員 381 142 523 416 157 573 425 167 592
合計 5,120 1,344 6,464 5,610 1,507 7,117 5,751 1,607 7,358
  • *
    集計範囲:アドバンテストグループ

年齢別社員数

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2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計
30歳未満 627 215 842 884 262 1,146 913 256 1,169
30~40歳未満 969 291 1,260 1,088 338 1,426 1,153 380 1,533
40~50歳未満 1,328 356 1,684 1,325 382 1,707 1,283 419 1,702
50~60歳未満 1,519 289 1,808 1,581 317 1,898 1,681 331 2,012
60歳以上 296 51 347 316 51 367 296 54 350
合計 4,739 1,202 5,941 5,194 1,350 6,544 5,326 1,440 6,766
  • *
    集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)

新規採用数

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2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率
国内 日本 49 18 67 70 23 93 85 12 97 12.4% 11.4%
海外 アジア 147 45 192 209 60 269 95 27 122 22.1% 14.4%
ヨーロッパ 67 12 79 188 46 234 99 25 124 20.2% 14.6%
北米 563 181 744 421 133 554 318 188 506 37.2% 59.6%
海外計 777 238 1,015 818 239 1,057 512 240 752 31.9% 88.6%
合計 826 256 1,082 888 262 1,150 597 252 849 29.7%
  • *
    集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)

離職者数

左右にスワイプ可能です
2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率
国内 日本 21 4 25 25 5 30 22 4 26 15.4% 4.8%
海外 アジア 89 15 104 74 8 82 65 12 77 15.6% 14.1%
ヨーロッパ 17 6 23 30 3 33 32 7 39 17.9% 7.2%
北米 144 48 192 247 78 325 284 119 403 29.5% 73.9%
海外計 250 69 319 351 89 440 381 138 519 26.6% 95.2%
合計 271 73 344 376 94 470 403 142 545 26.1%
退職率 6.39% 7.16% 6.54% 7.93% 7.82% 7.91% 7.76% 10.52% 8.33%
  • *
    集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)
  • *
    月末日の離職者について、当月の離職者数に含める方法から、翌月の離職者数に含める方法に、2019年12月から変更しました。

ダイバーシティへの取り組み

会社の持続的な成長のためには、多様な従業員一人ひとりの活躍が不可欠です。そのため、アドバンテストではコア・バリューの一つとして「INCLUSION AND DIVERSITY」を掲げ、誰もが働きやすい職場環境をつくり、プライベートと仕事を両立しながら能力を最大限に発揮し続けられる働き方を浸透させていくことが重要だと考えています。その考えのもと、アドバンテストで働く一人ひとりが個性や能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍し続けられる職場づくりや企業風土の形成に積極的に取り組んでいます。

グローバル人財の採用・活用

アドバンテストは一貫して優秀な人財のグローバルな活用に努めることで成功・成長を目指してきました。その中でも特筆すべきは、2011年のVerigy社の統合です。この統合により、従業員の半数近くが海外になるという、人員構成上の大きな変化が起きました。現在ではこの傾向がさらに強まり、約6割が海外となりました。そのため近年は、事業のグローバル化を背景に、異文化に対する深い理解と高いコミュニケーションスキルを持って、グローバルな舞台で業務を遂行できる人財のさらなる獲得を目指しています。

また、ビジネス環境のボーダーレス化に伴い、グループ各社との人財交流を通して、人財育成、組織のグローバル化を推進するため、ワールドワイドな視点での制度構築および人財の採用、育成、配置等に力を入れています。たとえば、社員にグローバルな環境下での業務遂行を経験させるため、グループ各社との人財交流を継続的に行うこととし、双方の組織における日常業務やトレーニングを通して、それぞれの持つ技術やノウハウを共有することで、個々の社員がより高度な技術と多様なビジネス環境に適応したスキルを習得する取り組みを実施しています。

グループ各社との人財交流をしやすくするため「Global Transfer Policy」を策定し、グローバルで職種に関係なく、かつ公平に処遇できる体制をとっています。また、グローバルで人財獲得競争が激化していることから、株式報酬の付与対象範囲を拡大するなど、優秀な人財のリテンションに努めています。

2024年7月現在、経営幹部である執行役員26名中14人が外国籍であり、アドバンテスト単体では、11カ国の国籍の社員が働いています。今後も、優秀な人財には国籍を問わず公平にチャンスを与え、国境を越えた人財登用、交流により、グローバル人財の育成と組織のグローバル化を推進していきます。

副業制度による多様な働き方への支援

アドバンテストは、従業員の多様なライフスタイルと個々の成長のため、多様な働き方について検討しています。その一環として、従業員のスキルアップや多種多様な人財の獲得、定着化を目的として、全従業員を対象に副業のルールを2022年11月に整備しました。2024年7月現在、25名が副業を行っています。

アドバンテストには特別なスキルをもった多種多様な従業員がいます。副業は、従業員がそのスキルを向上、あるいは開発する機会を得られるだけでなく、それを会社がグリップすることで社内イノベーションの創出にもつながると考えています。

一方、当然副業によって生じるリスクもあります。そのため、副業実施に当たっては許可制にしたほか、副業実施者とその所属長が、注意点を十分に理解した上で副業を開始できるよう、その両者に対してマニュアルの熟読とe-learningの受講を必須としています。

副業は、そのリスクに対して十分に配慮する必要はあるものの、従業員のスキルの開発や向上、社内イノベーションの創出など、従業員だけでなく会社にとっても魅力的なものです。時代の変化に応じてルール整備を行いつつ、有意義なものになるよう努めていきます。

女性活躍の推進

アドバンテストは、常に多様な価値観を受け入れ、人種・性別・年齢・国籍などに関係なく活躍できる企業風土づくりを推進しています。2024年3月現在で全従業員のうち女性の割合は全体の21.8%(前年度21.2%)、管理職における割合は9.4%(前年度9.0%)であり、女性従業員の採用と管理職に占める女性比率のさらなる向上が課題です。

当社では、もともと男性比率が高い技術系の学生の採用が多く、従来の採用活動では女性が当社を受験するための動機付けができていませんでした。こうした状況を踏まえて、特に技術系の女性に対して当社の魅力を伝えることに注力し、女性向けのPRを強化しています。ウェブサイトや採用パンフレットでも女性社員の活躍を広く伝え、また、就職イベントでは、女性向けの制度やキャリアプランなどの説明を行い、アドバンテストの女性社員がどのように活躍しているかを紹介しています。

アドバンテスト単体においては、2018年度から女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画で管理職に占める女性割合を産業ごとの平均値以上とする数値目標をかかげ、目標達成に向けた取り組みを推進しています。2020年11月には、女性活躍推進法に基づく「えるぼし 認定段階2(2つ星)」を取得しました。女性社員には様々なライフステージの変化があることを踏まえ、個々人の状況に応じて柔軟な働き方ができるよう家庭と仕事の両立支援制度に力を入れています。女性社員が長く働き続けられる環境整備を進めることで、女性社員の活躍の機会を後押ししています。

当社は、今後も継続して女性比率を上げる取り組みと長く働き続けられる制度の両輪を進めることで、女性管理職比率の向上にもつなげていきたいと考えています。

キャリア入社従業員コミュニケーション向上への取り組み(国内)

アドバンテストでは新卒入社の従業員が過半数ですが、ここ数年でキャリア入社の従業員が増えています。キャリア入社の従業員が当社の経営理念や製品への理解を進め、他部門のメンバーとの親交を図れるよう、2023年から以下のような取り組みを実施しています。

  • キャリア入社フォローアップデイ
  • ミステリーランチ
  • 開発部門見学会
  • Greeters

これらの企画は従業員のことを考えた声から生まれました。想いに応えた有志がつながり企画となり、キャリア入社との交流が促進され、さらに新しい企画へとつながっていきました。キャリア入社の従業員が活躍しやすい環境は、すべての従業員が活躍しやすい環境につながります。今後も多様性を大切にし、組織を活性化していきます。

なお、キャリア入社の従業員向けにはグローバルで実施しているNEOもあります。詳細は、「Global New Employee Orientation (NEO)」を参照ください。

キャリア入社フォローアップデイ

直近約2年間のキャリア入社の従業員を対象としたフォローアップ研修を立ち上げ、98名が参加しました。
これまで、キャリア入社の従業員向けの研修としては、人事部による入社日当日の規定等の説明を主とした導入研修と他の従業員も参加するビジネス研修が主となっていました。他によい研修プログラムはないか、横のつながりを増やすことはできないかという人事部の想いと、自社製品や歴史について知りたい、他の事業所も見学したいというキャリア入社の従業員からの要望が合致したことでこの研修が実現しました。
この研修は、1日でキャリア入社の従業員同士がコミュニケーションを深められるプログラムです。
懇親会には上司や本部長も出席し、和気あいあいとした時間となりました。実施後のアンケートでは、「普段接しない人とコミュニケーションできてよかった」という声がたくさん寄せられました。
今後第2弾として、The Advantest Wayに関するディスカッションを予定しています。

ミステリーランチ

課題であった従業員コミュニケ-ション向上のため、特に横のつながりが少なく困っていたキャリア入社の従業員を中心に、部署を超えたメンバーでランチ会を実施しました。このランチ会をミステリーランチと名付けました。なぜミステリーかといえば、参加希望者の中からランダムに選ばれた3~4名で、一緒にお昼ごはんを食べる企画だからです。企画の検討を進める中で率先して事務局に加わってくれるキャリア入社の方も増え、ランチ会は丸の内本社、群馬R&Dセンタ、埼玉R&Dセンタで行われ、参加者は延べ100名以上になりました。今までにない取り組みだったため、ランチ会は会社への素朴な疑問が解消したり、困ったときに相談できる人ができたりと、その後につながる有益な時間となりました。

ランチ会に参加したメンバーでその後親睦会を行い、社内で友人ができた人もいました。GallupのエンゲージメントサーベイのQ12®には、「Do you have a best friend at work?」という設問があります。社内で友人ができるということは、エンゲージメントに繋がるとされており、よい取り組みだったと考えています。

Gallupのエンゲージメントサーベイの詳細は、「従業員エンゲージメント」を参照ください。

開発部門見学会

この取り組みは、管理部門の管理職から「管理部門には、自社の製品についてわからない人も多いので、勉強できる場を与えてあげたい。自分たちの会社が扱っている製品を実際に見て知ることはエンゲージメント向上に繋がるはず!」という提案があり実現しました。

メモリ、T2000、V93000の各製品について担当者からレクチャーを受けた後、実機を見学しました。その後、管理本部だけでなく、新入社員、キャリア入社の従業員、間接部門の従業員にも展開されました。 参加者からは好評の声が次々と届き、今後もこの取り組みは継続する予定です。

Greeters

キャリア入社の従業員が活躍できる環境支援のため、国内4拠点11名の有志による働きかけで、2024年4月に「Greeters」というコミュニティが発足しました。

「Greeters」は、入社したばかりの従業員が壁にぶつからないよう、同じような経験を持つ従業員を中心に、気軽に問合せや相談ができる従業員交流の場を提供しています。国内各拠点から約60名が登録している「Greeters」のグループチャットには、有志による自己啓発セミナーの開催や、技術イベントの紹介など、悩み相談以外にも業務内外で役立つ情報が飛び交っており、キャリア入社の従業員の新たな発見の場になっています。

シニア人財の積極活用(国内)

アドバンテストは、シニア人財の活用の観点から60歳定年後の再雇用制度を導入していますが、2013年4月の高年齢者雇用安定法の改正や国の年金支給開始年齢の引き上げなどに伴い、再雇用制度を改定しました。シニア人財の雇用の安定を図るとともに、定年前の経験や配属を考慮した処遇、配属を行うことで、ベテラン社員のスキルやノウハウを積極的に活用しています。また、一人ひとりの成果が評価として賃金に反映されるしくみを設け、モチベーションを喚起することにより、賃金に見合う成果を期待しています。また、2018年度には本人の希望により短時間勤務および短日勤務制度を導入し、就業日以外の副業・兼業を行えるよう制度を整備しました。

2023年度に新たに再雇用制度を利用開始した50名のうち、短時間勤務を1名、短日勤務を5名、それぞれ利用しています。この制度の導入により、シニア人財は個々のライフスタイルに応じてフレキシブルに勤務することが可能となり、さらなるワークライフ・バランスの実現につながっています。

実例

アドバンテストでは、2022年6月から生産本部で長年の経験を持つシニア社員が主導し、群馬工場で働く従業員向けに「テスタって何?」という講座を開催しています。この講座誕生の背景には、製品が複雑に進化する中で製品への理解が難しくなっており、また、生産台数が急増する一方でコロナ禍と部材調達の課題が重なるなど、従業員の心理的負荷が大きくなっているという事情がありました。「テスタについて知ることで、自身の業務と製品、また、製品と社会の関係を理解し、仕事にやりがいを感じてくれたら」という思いで、シニア社員が企画しました。

本講座は、少人数開催で開催し、受講者の理解度に応じた説明スタイルを採用したことによって受講者と実施者の双方向の学びの場となっています。2023年4月までに47回実施され、生産本部の半数以上にあたる237名が受講しました。

回を重ねるごとに、自身の業務と製品の関係、また、製品が社会でどのように役立っているのかを従業員が自分ごととして理解しやすいプログラムに進化しており、従業員エンゲージメントの向上にもつながっている手ごたえを感じています。

2023年5月から社内報を通じてこの活動に共感した従業員からの要望により講座内容は共有されています。現在、国内外の6部門でそれぞれの業務に応じた「テスタって何?」講座が展開されています。

再雇用制度利用者推移
*集計範囲:アドバンテスト単体 新たに再雇用制度を利用開始した方の人数を集計しています。 (前年からの継続利用の方は含めず)
2019年度 54人 2020年度 60人 2021年度 74人 2022年度 44人 2023年度 50人

障がい者の雇用

アドバンテストは、障がいのある方の雇用推進を目的とし、特例子会社アドバンテストグリーンを2004年9月に設立しました。同社は設立以来、「『個人の自立・社会の成長』を地域と共に」をスローガンに、障がい者の雇用促進と就労安定に努めています。

事業内容は主に、造園・清掃・正門受付・配送・パンの製造販売・リサイクル促進など、従業員が気持ちよく働ける職場環境を提供することです。地域社会や関係機関と連携しながら、障がいのあるなしに関わらず、共に働ける職場環境づくりに積極的に取り組んでいます。

また、海外グループ会社においても13名の障がい者が就労しており、意欲高く業務に取り組んでいます。

2024年3月現在、アドバンテストの障がい者雇用率は、2.84%と法定雇用率を上回る状況ですが、今後の法定雇用率見直しも念頭に積極的に雇用を促進していきます。

新規雇用への取り組み

作業手順の標準化や作業の可視化を推進するなど、障がいがあっても十分に仕事ができる環境整備を行なっています。様々な障がいをもった方が活躍できる職場であることを、特別支援学校等に紹介し、実習生や見学会の希望なども積極的に受入れるなど雇用につなげています。

リサイクル事業として、棄却文書などの使用済みの紙から新たな紙を生産できる製紙機を導入し、再生紙によるコピー用紙や名刺、カレンダー等を作成し提供する事業を立ち上げました。雇用促進と環境貢献につながる取り組みを推進しています。
製紙機によるリサイクルの詳細については、環境ページの「資源循環」から参照ください。

働きがいへの取り組み

障がいのある社員の「やりがい」や「働きがい」などのモチベーションを向上させる目標制度や表彰制度、他者評価を取り入れた「月間MVP制度」を実施するなど、お互いを尊重して思いやる風土を醸成しています。

さらに各々の障がいに応じた職場支援をするため、職場適用援助者(ジョブコーチ)や障害者職業生活相談員、キャリアコンサルタントなどの有資格者を配置するとともに、家族や支援機関会社との定期的な4者面談を実施するなど、課題の情報共有と問題の早期発見に努めています。

2021年度には、以上のような取り組みや長年にわたって積み重ねてきた従業員の努力が埼玉県より評価され、アドバンテストグリーンの従業員2名が優秀勤労障害者として「埼玉県雇用開発協会会長表彰」を受賞しました。

障がい者雇用率の推移
*集計範囲:アドバンテスト単体+アドバンファシリティズ+アドバンテストグリーン
2019年度 全国の民間企業 2.11% 法定雇用率 2.2% ATグループ障がい者雇用率 2.66% 2020年度 全国の民間企業 2.15% 法定雇用率 2.2% ATグループ障がい者雇用率 2.79% 2021年度 全国の民間企業 2.20% 法定雇用率 2.3% ATグループ障がい者雇用率 2.83% 2022年度 全国の民間企業 2.25% 法定雇用率 2.3% ATグループ障がい者雇用率 2.91% 2023年度 全国の民間企業 2.33% 法定雇用率 2.3% ATグループ障がい者雇用率 2.84%

人権の尊重

アドバンテストグループは、グローバルに事業活動を行う中で影響を受けるすべての人の人権が守られなければならないことを認識しています。私たちは、「国連グローバル・コンパクト」が提唱する人権、労働、環境、腐敗防止の4分野で企業が遵守すべき普遍的原則「国連グローバル・コンパクト10原則」を支持し、参画するとともに、日本におけるローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」に加入し、国連が提唱する、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野で企業が遵守すべき普遍的原則「国連グローバル・コンパクト10原則」を支持し、各分野における取り組みを推進しています。

こうした人権尊重の考え方は「The Advantest Way」でも明文化され、私たちのあらゆる活動の基盤となっています。

アドバンテストグループ人権方針

アドバンテストは、2021年7月に「アドバンテストグループ人権方針」を策定しました。この方針では、国際人権章典、国連グローバル・コンパクト10原則、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等に記された人権の尊重を表明しています。

2024年4月のGroup CEOの交代に伴い、私たちはこれらの国際規範に基づいて、あらためてアドバンテストグループ人権方針の見直しを行いました。改定にあたっては、労働組合を含む社内の関連各部署をはじめ、社外の人権専門家にもヒアリングを行い、ご意見やアドバイスを踏まえて案を作成し、経営会議で審議・承認の上、改定しました。

当社はサプライチェーンを通じた活動においても人権が尊重できるよう、ステークホルダーとのエンゲージメントも重視しています。人権方針の内容は、調達方針ならびにサプライチェーンCSR推進ガイドブックにも反映され、事業により人権に影響を与えうる可能性のあるステークホルダーには、そのステークホルダー自身だけでなく調達パートナーにまで配慮するよう依頼しています。

また、人権に関しては国ごとの法令対応も必要になるため、法務部門とも連携しながら人権に関する法令を遵守しています。詳細は、Country Specific Regulationsを参照ください。

人権尊重の推進体制

人権を含む人事課題についてはCHO(Chief Human Capital Officer)をトップとして、グローバル共通の取り組み体制および各地域個別の取り組み体制を整備しています。

コンプライアンスに関するリスクは、すべてChief Compliance Officer(CCO)に情報が適時または定期的に集約され、CCOから経営会議や取締役会に報告される体制となっています。当社では2023年7月からCHOがCCOを兼務しているため、人権擁護・人事苦情処理委員会等に届く人に関するリスク情報も含めてすべてCCOに集約されます。兼務によって情報が一元的に集められるガバナンスとなっており、当社のリスクマネジメントの強みと考えています。

また、人権方針と重点施策の見直しは定期的に行われています。

人権に関する重点課題とデュー・ディリジェンス

当社は人権に関する重点課題を6つ定めています。これらの重点課題において、人権のリスクを評価・特定し、人権への負の影響の防止と軽減ができるよう、さまざまな方法で人権デュー・ディリジェンスに取り組もうとしています。

デュー・ディリジェンス
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    アドバンテストの対応
重点課題 従業員 サプライヤー パートナー
(地域社会)
人権リスクの調査 自社マネジメントへの統合
(教育、その他)
1 差別
2 児童労働・
強制労働
3 労働基本権
4 適切な賃金・
労働時間
5 安全な
職場環境・
健康管理
6 暴力・
ハラスメント
  • 参照先としてリンクされている箇所に関連する内容が記載されています。

ステークホルダーとの対話

人権デュー・ディリジェンス(人権DD)を効果的に推進するためには、外部の専門家との交流が欠かせません。2023年度はILO駐日事務所と国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの共同企画「国際人権・労働基準の尊重に向けた企業内専門人材育成プログラム」に参加しました。当社の人権に関する取り組みや課題について専門家のアドバイスを参考にしながら、今後の活動につなげていきます。

外部評価機関によるアセスメントの活用

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RBA SAQおよびVAP監査

RBA(Responsible Business Alliance)は電子機器業界を中心としたサプライチェーンにおける労働、安全衛生、環境、倫理の適正な管理を目的とした国際的な業界団体。当社はRBAのセルフチェックシートを毎年提出し、その結果を分析し改善しています。

また、国内工場ではRBA VAP(Validated Audit Process)監査(*1) を受け、認定書を受領しています。

*1:RBA VAP監査(Validated Assessment Program)は、RBA行動規範に対する準拠状況を第三者監査機関が確認する監査のこと。

EcoVadisのサステナビリティ評価

2023年度は、EcoVadis社が実施するセルフアセスメントに回答し、国際標準とのギャップ把握に取り組みました。

同社のセルフアセスメントは、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4つのテーマで企業の持続可能性を包括的に評価しており、多くのグローバル企業が同評価をサプライヤー選定における重要な基準として参照しています。当社は、上位35%の水準に相当する企業に与えられるブロンズメダルを獲得しましたが、今後はさらに高い評価をいただけるよう、人権に関する取り組みを推進します。

職場における人権への取り組み

アドバンテストでは、企業倫理相談室、人権擁護・人事苦情処理委員会を中心に、人権問題の啓発、施策、差別的取り扱いに関する相談および苦情対応に努めています。

人権教育

企業理念体系である「The Advantest Way」は私たちのすべての活動の基本となっています。「The Advantest Way」の行動基準には人種・性別・年齢・国籍・宗教・社会的出自・身体的障害・疾病・性的指向などによる差別を禁止する、人権擁護に関する考えを明記しています。

2013年度から実施している「The Advantest Way」のe-learning研修は当社にとって最も重要な研修であり、2023年度に体系づけられたグループ共通のコンプライアンス基礎教育(GCEP)の中でも一番先に受講するコースとなっています。2023年度も海外を含めアドバンテストグループ全社員が受講を完了しています。
また、The Advantest Wayの対面研修であるINTEGRITY Workshopは新入社員研修(キャリア採用、M&Aによる入社者も含む)として実施され、当社の企業風土をより理解できる場となっています。

人権と差別マニュアル、ハラスメント防止ガイドも策定した上で、サステナビリティ行動計画2024-2026の目標としてGCEPの受講率100%を掲げることによって、人権の保護・尊重を推進しています。

結社の自由と労使間の対話

アドバンテストは、「結社の自由」「団体交渉権」を基本的人権のひとつとして尊重しています。労働組合の結成を認めている国や地域においては、労働協約において、組合が団結権・団体交渉権・争議権を保有することを認めています。また、法令や労働慣行により労働組合の結成が認められていない国、地域においても、「結社の自由」「団体交渉権」の目的である労使間対話を通じて、健全な関係の構築と問題解決に努めています。

アドバンテストおよび国内連結子会社では、アドバンテスト労働組合等が組織されています。2023年度、アドバンテストでは80.2%の従業員が労働組合に加入しています。すべての組合とも労使協議を真摯に実施しています。

また、アドバンテスト労働組合との労働協約書において、安全衛生および苦情処理等について記載しており、各事業所の安全衛生委員会の運営、人権問題・人事苦情処理等につき、双方が協力して対応しています。

人権問題に関する報告・相談窓口(内部通報窓口)の設置

アドバンテストは、グローバル共通の企業倫理ヘルプラインを設置し、職場だけでは解決が難しい人権についての問題や相談がある場合に、企業倫理相談室に報告・相談できる制度を設けています。匿名での報告・相談が可能な仕組みを取り入れており、また、主要な言語である16言語での報告を受け付けています。スマートフォンなどのモバイル端末から報告・相談できるよう、QRコードを記載したポスターも各事業所に掲示しています。報告・相談事項は企業倫理相談室が中心となって対応し、報告者・相談者が不利益な扱いや報復行為を受けることがないよう、万全な注意を払っています。また、ヘルプラインの相談・報告をより行いやすくするため、外部の法律事務所(弁護士)への通報窓口も設けています。なお、これらのヘルプラインは海外からも利用が可能であり、グローバルイントラネットのトップページにリンクを貼っています。

また、国内においては、労働組合とともに人権擁護・人事苦情処理委員会も設置し、国内の人権問題についての相談を受け付けています。2023年度のヘルプラインおよび人権擁護・人事苦情処理委員会で受け付けたハラスメント関係の相談は3件でした。相談者のプライバシーに十分配慮したうえで人権擁護・人事苦情処理委員会が適切な対応を実施し、迅速な解決を図っています。

当社は、この活動を通して、従業員一人ひとりがお互いの人権を尊重し、安心して働くことのできる職場づくりに努めています。

国内での対応イメージ

人権擁護・人事苦情処理委員会に届いた相談・苦情に対しては、相談者の不利益にならないよう、相談者本人の意向や事案の内容により柔軟に配慮をしながら対応しています。

本人(または所属長や第三者)から人権擁護・人事苦情処理委員会に対して相談・苦情が届いたら、内容に応じて委員会メンバーの中から主担当者を決めます。その後、委員会メンバーと労働組合による「本人(被害者)」「相手方(加害者)」「周辺」のヒアリングを行います。事実関係の状況に応じて以下のような対処をしています。

左右にスワイプ可能です
事実が確認された場合 会社の対応を検討したうえで以下のような対処を実施。
  • 雇用管理上の措置(人事異動、不利益回復、メンタルケア、当事者間の関係改善支援等)
  • 相談者への説明
  • 就業規則に基づく加害者等への処分
  • 職場環境の改善と再発防止策の徹底
事実が確認できない場合
  • 職場環境の見直しと防止策の徹底
  • 相談者への説明
  • 当事者間の関係改善の支援
  • 相談・苦情への対応の流れ
本人・所属長・第三者からの相談・苦情を相談・苦情窓口(人権擁護・人事苦情処理委員会)で受ける。受けた相談・苦情について、事実関係の確認(「本人」ヒアリング、「相手」ヒアリング、「周辺」ヒアリング)をおこなう。事実が確認された場合は会社の対応を検討する。具体的には、雇用管理上の措置(人事異動、不利益回復、メンタルケア、当事者間の関係改善支援等)、相談者への説明、就業規則に基づく加害者への処分、職場環境の改善と再発防止策の徹底など。事実が確認できない場合は、職場環境の見直しと防止策の徹底、相談者へ説明、当事者間の関係改善の支援などを実施する。

ハラスメントの防止

ハラスメントについては、1999年7月より防止ガイドを作成し、ハラスメントの防止に努めてきました。法改正に基づき妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントやパワーハラスメントについても追加し、改訂を行いました。従業員がいつでも参照できるよう、イントラネットに掲載しています。

主な内容は、以下のとおりです。

  1. 1.
    昨今のハラスメントに関する動向について
  2. 2.
    職場におけるセクハラ
  3. 3.
    職場におけるパワハラ
  4. 4.
    職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
  5. 5.
    ハラスメントの影響
  6. 6.
    法律や規則の観点から見たハラスメント
  7. 7.
    ハラスメントの防止対策
  8. 8.
    ハラスメントを受けた場合の対応

上記については、各自でセルフチェックができるように工夫を凝らしています。

ハラスメント防止について従業員へ理解を促すため、2006年4月より新入社員研修と新任Manager研修において、ハラスメント防止など人権をテーマとした教育を毎年行っています。管理職向けには研修を手厚く実施しています。2019~2020年度には全管理職に対してハラスメント研修を実施しました。2022年11月から2023年5月には国内グループ会社を含む役員および管理職、その他推薦を受けた人を対象にハラスメント防止とコミュニケーションについての対面研修を20回以上実施しました。

公正な評価・処遇

業績評価やキャリア開発に関しては、グローバル共通の制度となっています。期初に立てた目標に対し、期中に上司と適宜コミュニケーションを図るとともに、年度末の考課面談を通じて行っています。この面談は、正社員だけでなく、一部の契約・嘱託社員にも実施しています。

報酬については、公平性を重視するだけでなく、将来の成長を支える優秀な人財のリテンションにも取り組んでいます。

ARMS人事制度

アドバンテストは、海外売上高比率が90%以上、全従業員のうち6割以上が海外関係会社の従業員で占めており、 グローバルカンパニーとして事業を推進しています。この体制を踏まえ、当社は2012年4月、世界の複数拠点による協業や人事交流・異動などを円滑に進めていくためのグローバルに統一された人事制度、「ARMS (Advantest Resource Management System)」を導入しました。

グローバル人事制度

世界共通の10段階の資格制度を採用したGlobal Job Lever Frameworkを軸に、6つの要素で構成されています。 Organization Job Design。グローバルでの組織形成や配置を容易化します Recruiting。優秀な人員を世界から集めます Global Bonus Policy。グローバルに同じポリシーと目標を設定します Career Development。職務要件の共通化によりキャリア形成を容易にします Performance Review。グローバルに統一された資格制度と考課制度が公正さと信頼関係を確かなものにします Compensation and Reward。資格と報酬の関連付けをグローバルで統一

「ARMS」では、これまで各国の事業会社が独自に定めていた資格制度を廃して、新たに世界共通の10段階の資格制度を整備しました。この制度では、ジョブレベル1から6までを一般社員層に、ジョブレベル7から10までを管理職層に適用しています。管理職層については、予算管理や部下の考課・労務管理などを担当するマネージャーと、業務の取りまとめや業務遂行に専念するマネージャーの2系統を制度化しました。部下をもつライン長を前者、それ以外のスペシャリストを後者に位置づけ、複線型の資格制度とし、多様な人財をマネージャーとして処遇できる体制としています。

また、基本給や賞与などの給与体系についても世界共通のルールを適用しています。例えば、従来のアドバンテストでは、賞与は所属する各国法人の業績を反映する仕組みが主でしたが、新制度では連結決算の損益を反映する仕組みに変更しました。さらに、人事考課についても2012年度から新しい制度を適用しています。これらグローバル共通の新制度によって、社員は世界のどの組織に所属していても同一基準の評価・処遇が適用されており、すべての社員が評価、育成等に関する面談を年1回以上受けています。

本グローバル人事制度導入後、日本からの海外出向者の増加や海外関係会社間の人財交流などが図られ、組織の活性化、企業業績の伸長に寄与しています。

グローバル・ジョブレベル & タイトル

Job Level 1 Entry Job Level 2 Career Job Level 3 Associate Job Level 4 Developing Job Level 5 Senior Job Level 6 Expert Job Level 7以降の管理職層はPeple ManagerとFunctional Managerに分かれます。Peple Managerは Senior Manager, Functional Manager はSenior Consulting Manager Job Level 8 Peple Managerは Director,  Functional Managerは Consulting Director Job Level 9 Peple Managerは Senior Director,  Functional Managerは Principal Job Level 10 Peple Managerは VP(or SVP),  Functional Managerは Fellow

一方、就業時間や在宅勤務制度の有無など詳細な労務管理については、世界各国の法令や現地の労働習慣などに応じて個別に運用していく仕組みです。

2014年度以降、グローバルな人事データベースを整備し、グローバル規模でのプロジェクトチームの組成やスムーズな人事異動などに有効活用しています。また、2015年度の人事考課よりグローバルな人事考課システムを導入し、利用を開始しました。

今後も、グローバルな人財開発システムの整備や、多様な人財の積極的な雇用・登用によるダイバーシティの推進、各国の事業戦略などに即した人財採用戦略の策定や、グループの多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に積極的に取り組んでいきます。

コア・バリュー視点を考課システムにも反映

2019年にコア・バリュー「INTEGRITY」を導入した際には人事考課制度の評価シートに加えることで、期中の行動を振り返るきっかけの1つとしています。

具体的には、"INTEGRITY"に込めた9つの価値観(Innovation/Number One/Trust/Empowerment/Global/Respect/Inclusion&Diversity/Teamwork/Yes)を評価シートの行動考課として自身の行動を項目ごとに記載できる形式としています。評価面談時に上司との対話を促し、面談後に上司がコメントを記載してフィードバックしています。

コア・バリューを研修等によって頭で理解するだけでなく、考課時に自身の行動と結びつけ振り返ることによって、従業員一人ひとりの変化を促し、課題に柔軟に対応できる組織にしていきたいと考えています。

新しい管理職候補育成・管理職登用制度を導入(日本)

アドバンテストでは、2023年10月に新しい管理職候補育成・管理職登用制度であるMP-1(Management Program 1)を導入しました。これまで、管理職への登用については、本部長推薦に基づく役員面接で行ってきましたが、新任管理職の平均年齢上昇や早期登用の難しさが課題でした。また、管理職を目指す従業員の育成メニューも十分とは言えず、グローバル人財の育成が急務でした。そこで、年齢、性別を問わずやる気と能力のある従業員に管理職にチャレンジする機会を提供するとともに、自律的なキャリア形成を促し、管理職として活躍できるよう育成を行い、当社グループの持続的成長に貢献できる人財輩出を目指します。

MP-1概要

  • 完全挙手制
    受講者は推薦ではなく、本人の挙手(応募)に基づき、選考の上、決定されます。
  • 多様な育成メニュー
    リーダーシップ、マネジメント、コーチング、語学、論文、グループ研修、役員面接など12の科目全てを履修し合格した者がMP-1修了者となります。
  • MP-1修了が管理職登用の条件に
    移行期間後は、新たに管理職となるには、MP-1を修了していることが条件となります。MP-1修了者は、管理職の空きポジションが生じた際に、社内公募または人事異動により管理職となります。
  • 若手にも管理職登用の可能性
    新卒入社の場合、入社4年目から応募が可能であり、20代で管理職に登用される可能性があります。

インセンティブおよびリテンション

当社では2002年よりストック・オプションを役員、国内外幹部従業員向けの株式報酬として導入しました。この株式報酬制度をインセンティブおよびリテンションとしてより機能するよう、いくつかの変遷を経て、2021年度の第2期中期経営計画の策定とあわせて社員がグローバルに当社の株式を保有できる枠組みを構築しています。

海外では人財獲得競争が激化しています。ワールドクラスのエンジニアを確保するため、当社では報酬の付与対象範囲を拡大し、3~5年の譲渡制限期間付株式報酬としてのリテンション用のRSUを導入しています。リテンション報酬の範囲や規模については継続して検討を行っています。

適切な給与水準設定、「INTEGRITY」の浸透を通じた快適で働き甲斐のある職場づくりに加えて、こうしたインセンティブおよびリテンション施策が離職率の改善にもつながると考えています。

株式報酬制度の概要と推移

2002年度からグランドデザイン期間における株式報酬制度を示す図。2002~2017年度は、役員と幹部社員に ストック・オプションを導入。第1期中期経営計画期間の2018~2020年度は、役員と幹部社員に対して株式交付信託を用いた業績連動型株式報酬を導入。 第2期中期経営計画期間の2021年度からは、 ストック・オプションを廃止し、役員に対してパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を、役員と幹部社員に対して譲渡制限付株式報酬および事後交付型譲渡制限付株式ユニット(RSU) を導入。2022年度からはRSUの導入範囲を海外キーエンジニアに拡大。第3期中期経営計画期間の2024年度からは、一部役員にリクルーティング&リテンションプログラムを導入。RSを社外取締役等にも拡大。

年金制度

アドバンテスト(国内)は、退職金の制度としてポイント制を導入しています。また、退職金制度の一部として、基金型の確定給付型企業年金を導入し、一定の条件のもと退職金を年金として受け取ることができます。

2018年度に確定給付型企業年金制度の一部を確定拠出型企業年金制度に変更し、ポイント制の退職金制度とは別に、確定拠出年金制度をスタートしました。

その結果、退職金は会社支給の退職一時金と、勤続年数により年金化が可能な基金支給部分と、確定拠出年金制度の3本立てとなっています。

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