リスクマネジメントの考え方
アドバンテストは売上高の9割以上を海外市場に依存しているため、リスクマネジメントも複数の国・地域をまたぐ対応が求められます。迅速な対応の鍵となるのは、トップダウン、ボトムアップの双方向でリスクに立ち向かうマネジメント体制と考えています。
事業環境が大きく変わろうとする中でも、ビジネスチャンスを確実にとらえ、挑戦をしていくために、現在および将来に存在するリスクを特定し、備え、適切な対応をすることが必要不可欠であると考えているからです。
内部統制委員会によるリスク管理の仕組み
アドバンテストは、Group COOが委員長を務め、社外取締役がオブザーバーとして参加できる内部統制委員会を設置し、アドバンテストグループの重要なリスクの全社横断的な洗い出しおよび分析を行い、リスクごとの責任部門と対応の方針と手順を明確にしています。内部統制員会の事務局が各ユニット間の情報共有等をサポートしています。
内部統制システムの遂行状況については、業務の適正を確保するための体制に関する基本方針の遂行状況報告として年に一度取締役会に報告しています。また、内部統制システムの整備および運⽤状況、内部統制の評価過程にて重要な不備が発⾒された場合については、都度取締役会へ報告することとしています。
内部統制システムの詳細は、「内部統制体制」を参照ください。
リスクマネジメントの体制と組織
アドバンテストでは、内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行っています。
コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に、情報が適時または定期的に集約され、CCOを通じて経営会議や取締役会に報告されています。また、経営会議、取締役会、監査等委員会に直接報告されるものもあります。
有事に関してはGroup COOを本部長とする危機管理本部が対応しています。
リスクマネジメントのプロセス
アドバンテストでは、ユニットレベルでのリスク分析、リスク対応を経営陣が監督するリスクマネジメント体制を基本としています。事業環境が大きく変わろうとする中でも、ビジネスチャンスを確実にとらえ、挑戦をしていくために、現在および将来に存在するリスクを特定し、備え、適切な対応をすることが必要不可欠であると考えているからです。
同時に、コーポレートレベルでのリスクについては、取締役会または経営会議等が適時に意思決定を行い、関連する部署に指示を行うこととしており、ボトムアップのリスクマネジメントとトップダウンのリスクマネジメントを組み合わせた体制を取っています。
リスクが顕在化した場合に速やかに対応できるような体制を整えることも重要であると考えています。各ユニットは、いわゆる2線(管理部門等)、3線(内部監査部門)との連携を行い、日ごろからリスクの顕在化に備えています。
ボトムアップのリスクマネジメント
取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。各ユニットでは、経営戦略などの達成を阻害する要因としてのリスクを俯瞰的に特定し、リスクの重要度に応じて適切なリスク対応を取ります。内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。
各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。
トップダウンのリスクマネジメント
コーポレートレベルのリスクについては、担当役員を通じて経営会議または取締役会に適時に報告され、その指示を受けながら関連部署が迅速な対応を行っています。コンプライアンスに関するインシデント発生時には、CCOが迅速に関連ユニットに対応を指示し、対応状況を取締役会・経営会議に報告しています。リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。
特に緊急案件の場合は、危機管理本部の指示のもと対応します。