コンプライアンスの考え方と基本方針
アドバンテストは、企業の持続性には、従業員一人ひとりが高い倫理観を持って社会的責任を遂行し、ステークホルダーからの信用・信頼を得ることが最も重要であると考えています。この考えに基づき、経営、業務執行の基本方針として「The Advantest Way」を定め、経営理念、ビジョン、コア・バリューおよび行動指針、ESG推進によるサステナビリティ、さらに具体的な行動基準を示すことで、倫理意識の向上に努めています。
コンプライアンス推進体制
アドバンテストは、全グループ従業員が「The Advantest Way」を十分理解し、遵守するよう指導・アドバイスを行っており、運用体制もグローバルで整備しています。
コンプライアンス担当役員であるChief Compliance Officer(CCO)に、グループ全体の法令遵守、人権擁護、情報セキュリティ、企業倫理ヘルプライン等、コンプライアンスに関する情報が集約され、CCOの指示の下で是正措置等の対応がとられています。集約された情報は、CCOを通じて、経営会議および取締役会にも報告されます。
また、CCOの補助を行うコンプライアンス部が中心となって、定期的な従業員コンプライアンス意識調査の実施、内部通報制度の拡充周知等、グループ全体のコンプライアンス体制強化に取り組んでいます。従業員コンプライアンス意識調査の結果を踏まえ、リスクに応じた地域ごと/部門ごとの研修実施、ポリシー・プロセスルールの整備等が行われています。
懲戒処分については、適正手続きを確保し、処分の合理性・相当性・透明性を高めるため、規律委員会を設置しています。
さらに、国際社会の一員として、国ごとに異なる法令等を守り、正しく事業を遂行していることを確認するため、グローバル監査チームにより、コンプライアンス監査を定期的に実施しています。
コンプライアンス教育
アドバンテストは、グローバルに事業展開するにあたって、国ごとに異なる各種法令をよく理解したうえで、グループ全体のコンプライアンスに対する注意をさらに喚起し、ワールドワイドに法令遵守の徹底を図ることが重要であると考えています。
2023年度から、グループ共通のコンプライアンス基礎教育を体系化し、Group-wide Compliance Education Programとして実施を開始しました。「The Advantest Way」「ESG」「Fair Disclosure/インサイダー防止」「汚職防止および贈収賄防止」「輸出管理」「知的財産」「情報セキュリティ」「個人情報」「反競争的行為の防止」「横領、背任の防止」の教育を、年に1度、グローバル共通で実施しています。多国籍の当社グループ全従業員が内容を正確に理解できるようにするため、最大16言語に翻訳して提供しています。
その他、各拠点の法制度に基づいた研修は、国ごとに実施しています。
反社会的勢力排除に関する覚書を廃棄物処理業者と締結
東京都をはじめ各地方自治体が暴力団排除条例を制定し、同条例に基づき、各企業には「取引先が反社会的勢力と判明した場合には契約を解除できる」ことを書面で定める旨の努力義務が課されています。
また、経団連も、企業行動の総点検の要請という形で、反社会的勢力の排除の一つとして上記の書面を締結することを推奨しています。
アドバンテストグループでは、暴力団排除条例の遵守および経団連の推奨への遵守の観点から、取引しているすべての廃棄物処理委託業者と「取引先が反社会的勢力と判明した場合には契約を解除できる」旨の覚書を締結し、コンプライアンスを行使しています。
腐敗の防止と独占禁止法の遵守
アドバンテストでは、基本方針である「The Advantest Way」において社会的責任の自覚と誠実な行動を強く促し、贈収賄をはじめとする腐敗行為および反競争的行為の防止に取り組んでいます。
贈賄をはじめとする腐敗の防止
アドバンテストでは、「The Advantest Way」を補完するものとして「汚職防止および贈収賄防止に関する方針」を制定し、世界の全地域において汚職防止と贈収賄の防止に対するアドバンテストの詳細な方針を規定し明らかにしています。
また、すべての従業員がこの方針を理解し、各国において制定されている法律に違反しない行動がとれるように、毎年「汚職防止および贈収賄防止のための研修 (e-learning)」をグループ従業員全員が受講しています。
なお、2023年度において汚職および贈収賄に関する社内規定に違反するとして処分した事例はありません。また、マネーロンダリングならびにインサイダー取引に関する社内規定に違反として処分した事例もありません。
独占禁止法の遵守
アドバンテストでは、反競争的行為の防止全般については、行動規範教育の一環として教育を実施しています。特に独占禁止法の遵守については重要な課題と位置づけており、購買部門をはじめとする関連部門、管理職および新入社員に対して独占禁止法に関する教育を実施しています。今後も、公正な取引を実践するための教育を継続的に行っていく予定です。また、内部監査部門において、購買取引のなかからサンプリングを行い、違反行為がないかの監査を実施しています。
なお、2023年度において反競争的行為に該当するとして法的措置を受けた事実はありません。
社内外向けの内部通報制度
アドバンテストでは、すべての役職員に対し、法令、社内規則、企業倫理等に違反する疑いがある場合には、その事実を明らかにするよう求めています。その際に利用できる職制以外の連絡手段として、内部通報窓口を設けています。内部通報窓口は多言語に対応しており、また、通報者は匿名性を確保したまま通報することができます。そのほか、複数の国において弁護士事務所に委託し、役職員が直接通報することのできる外部窓口を設置しています。
取引先等、社外のステークホルダーが利用できる通報窓口も設けています。
社内外ともに通報者および通報内容に関する情報は社内の担当者により適切に取り扱われます。アドバンテストは、通報をしたことを理由とする不当な不利益取り扱いや報復を禁止しています。
公共社会との関わり
アドバンテストは地域・社会の一員として事業活動を行っており、当社のステークホルダーには各種の団体や政府、地方自治体なども含まれます。それら団体・機関や地域社会との協働を通じ、アドバンテストの持続的な発展、社会的課題の解決につながる事業への関与、そしてサステナブルな社会の実現への貢献を目指しています。
経済・業界団体
アドバンテストは、経済界や半導体・エレクトロニクス業界に関係する各種団体に参画することで、将来の事業機会・リスクにつながる次世代の技術標準や社会的な規制強化などの情報を収集し、当社のサステナビリティを高めることに努めています。また、各種団体への参加によってさまざまな社会的課題についての見識を深めることで、持続可能な社会の実現に対する貢献拡大を図ることにも努めています。
アドバンテストが参加する一般社団法人日本経済団体連合会、SEMI、一般社団法人日本半導体製造装置協会などの団体には、政治や社会問題に対する提言を行っている団体も含まれます。ある団体への参加は、当社がその団体の政策的立場のすべてを支持することを意味するものではありません。
政治的献金や後援
アドバンテストは各種団体への寄付等を行う場合があります。その際は、社会発展に資するかどうかや社会的使命への貢献度など、目的と公共性を含めた審査・決裁を社内規定に基づき行った上で、各国の関連法令を遵守しながら適正に実施します。