当期(2024年4月1日~2025年3月31日)の状況
経営成績の概況
2025年4月25日発表
(単位: 億円)
2024年3月期 | 2025年3月期 | 前年度比 | |
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売上高 | 4,865 | 7,797 | 60.3% |
営業利益 | 816 | 2,282 | 2.8倍 |
税引前利益 | 782 | 2,248 | 2.9倍 |
当期利益 | 623 | 1,612 | 2.6倍 |
当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクに伴う不確実性が継続したものの、欧米諸国を中心とした金融政策の緩和にも支えられ、全体として底堅く推移しました。
このような世界経済情勢のもと、半導体市場は、前年度の調整局面から一転して回復傾向となりました。自動車や産業機器関連などの半導体は依然として軟調に推移したものの、データセンタ向けのHPCデバイスや高性能DRAMなど、AIの普及に関連する半導体需要が市場の伸びを牽引しました。
当社グループの半導体試験装置ビジネスにおいては、AI関連の高性能半導体向け需要が大幅に拡大しました。当社グループは、顧客の要求納期に最大限応えるべく、タイムリーな部材調達および製品供給能力の確保に努め、コア部品に対する既存サプライヤーとの長期契約やサプライチェーン複線化などの施策を通じた取り組みが奏功しました。
この結果、当連結会計年度における売上高は7,797億円(前年度比60.3%増)、営業利益は2,282億円(同2.8倍)、税引前利益は2,248億円(同2.9倍)、当期利益は1,612億円(同2.6倍)となりました。高収益製品の販売比率上昇、円安による増収・増益効果などにより、いずれも連結会計年度における過去最高額を更新しました。なお、第4四半期にのれんおよび無形資産の一部減損損失(約214億円)を計上しております。当連結会計年度の平均為替レートは米ドルが153円(前年度143円)、ユーロが164円(同155円)、海外売上比率は98.0%(同95.9%)でした。
半導体・部品テストシステム事業部門
(単位: 億円)
2024年3月期 | 2025年3月期 | 前年度比 | |
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売上高 | 3,315 | 5,981 | 80.4% |
セグメント利益(△損失) | 919 | 2,440 | 2.7倍 |
当部門では、自動車や産業機器関連などの成熟半導体向け試験装置需要は軟調である一方で、半導体の複雑性の増加、HPCデバイスなどの性能向上を背景に、高性能SoC半導体用試験装置の売上が大幅に増加しました。メモリ半導体用試験装置については、HBMをはじめとする高性能DRAMに向けた旺盛な試験装置需要を背景に売上が大幅に伸長しました。当社グループの部材調達および製品供給能力の強化もこれらの売上増加を支えました。
メカトロニクス関連事業部門
(単位: 億円)
2024年3月期 | 2025年3月期 | 前年度比 | |
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売上高 | 527 | 732 | 38.9% |
セグメント利益(△損失) | 92 | 168 | 83.0% |
当部門では、旺盛な半導体試験装置需要を背景に、関連するデバイス・インタフェースの売上が伸長しました。
サービス他部門
(単位: 億円)
2024年3月期 | 2025年3月期 | 前年度比 | |
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売上高 | 1,023 | 1.084 | 6.0% |
セグメント利益(△損失) | △28 | △109 | - |
当部門では、当社グループ製品の設置台数の増加に伴いサポート・サービスの売上が伸長しました。しかしながら、テストソケットに関連するEssai, Inc.のビジネスにおいて、大口顧客向けの売上が低調に推移していることに加え、新規顧客への拡販が想定より遅延していることを踏まえ、のれんおよび無形資産の減損損失約214億円を計上しました。これらの結果、当セグメントは前年度を上回る損失となりました。なお、前年度のセグメント損失には、取引先との係争に関する受取和解金等による利益約32億円およびのれんの一部減損損失約90億円を含んでいます。
財政状態の概況
当連結会計年度末の資産合計は、のれんおよび無形資産が201億円減少したものの、現金および現金同等物が1,558億円、営業債権およびその他の債権が242億円、繰延税金資産が145億円、その他の金融資産が100億円それぞれ増加したことなどにより、前年度末比1,830億円増加の8,542億円となりました。負債合計は、未払法人所得税が628億円、営業債務およびその他の債務が302億円それぞれ増加したことなどにより、前年度末比1,076億円増加の3,477億円となりました。また、資本合計は5,065億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前年度末比4.9ポイント減少の59.3%となりました。