外部イニシアチブとの関わり

外部イニシアチブへのコミットメント

アドバンテストは、事業活動を通じて「安全・安心・心地よい」サステナブルな社会の実現に貢献することにより、中長期的な企業価値向上を目指すことを経営の目標としています。その一環として、国内外のステートメントやガイドラインへの賛同・参画、国際標準化活動などを通じて、すべてのステークホルダーとの関係をバランスよく発展させたいと考えています。

国連グローバル・コンパクトへの参画

国連グローバル・コンパクトは、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組みです。

アドバンテストは、2019年に国連グローバル・コンパクトに参画し、「人権の保護」「不当な労働の排除」「環境への対応」「腐敗の防止」の4分野にわたる10の原則を支持し、その実現に向けた努力を継続しています。

WE SUPPORT UN GLOBAL COMPACT

国連グローバル・コンパクト年次フォーラム2024にて報告

2024年3月、国連グローバル・コンパクトの年次総会、ALNF(Annual Local Network Forum)が日本で開催され、国連グローバル・コンパクトと世界58か国のローカル・ネットワークの職員約153名が来日しました。

ALNF期間中に併催されたハイレベルミーティングには、Group CEO(当時)の吉田芳明が出席し、当社の気候変動への取り組みについて、サンダ・オジャンボ国連事務次長補・国連グローバル・コンパクト事務局長兼CEOをはじめ各社のエグゼクティブに向けて報告を行いました。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同表明

アドバンテストは2020年4月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」*1の提言への賛同を表明しました。当社では、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会を、戦略・リスク管理・ガバナンスなどの観点から分析し、積極的な対策をグローバルに展開するとともに、TCFDの提言に基づく情報開示の強化を進め、当社グループの持続的成長と企業価値の向上、持続可能な社会の実現に繋げていきます。

TCFD TASK FORCE ON CLIMATE-RELATED FINANCIAL DISCLOSURES
  • *1
    「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」
    国際機関である金融安定理事会(FSB)によって2015年12月に設立されたタスクフォース。2017年6月の最終報告書では、企業等に対し、気候変動関連リスクおよび機会に関する項目について情報開示することを提言した。

RE100への加盟

アドバンテストは2020年8月、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際イニシアチブ「RE100」*2に加盟しました。

当社が気候変動に関する長期目標の一つとして掲げる、CO2排出量の100%削減の達成には再生可能エネルギーの導入拡大が不可欠です。気候変動という社会課題に対しグローバルに取り組む「RE100」に参画することで、当社は加盟企業と共に、再生可能エネルギーのさらなる活用に取り組んでいます。

RE100 CLIMATE GROUP CDP
  • *2
    「RE100」
    気候変動に関するNGO「The Climate Group」が、環境影響に関するグローバルな情報開示と行動を働きかけるNGO「CDP」とのパートナーシップにより運営する、国際的なイニシアチブ。2014年発足。世界で399社、日本企業は78社が加盟(2023年3月1日現在)。

SBTi「1.5℃目標」認定を取得

アドバンテストは2021年11月、科学的根拠に基づいた温室効果ガスの削減目標を求めるSBTi*3の「1.5℃目標」認定を取得しました。この認定は、パリ協定が定める「1.5℃目標」の達成に対して、当社の温室効果ガス削減目標が科学的根拠に基づいたものであることを認められたものです。

SCIENCE BASED TARGETS DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
  • *3
    SBTi : Science Based Target Initiative
    企業に対して、気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ、1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進する国際的イニシアチブ。

グリーン電力パートナーシップ(米国環境保護庁)への加盟

グリーン電力パートナーシップ(Green Power Partnership)は、グリーン電力の普及を目的として、米国環境保護庁が2001年に開始したパートナーシップです。

Advantest America, Inc.(AAI)は、2012年にグリーン電力パートナーシップに加盟しました。

AAIは、風力発電によるグリーン電力証書を購入し、事業所で使用する電力量の100%を再生可能エネルギーでまかなっています。今後も継続してグリーン電力の普及拡大に貢献していきます。

EPA GREEN POWER PARTNER

半導体気候関連コンソーシアム(SCC)に参加

アドバンテストは2022年、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が設立した「半導体気候関連コンソーシアム(SCC)」に創設メンバーの一社として参加しました。現在SCC参加企業各社と協働し、半導体業界内での温室効果ガス排出量削減に取り組んでいます。

当社のSCC参加表明はSEMIのホームページにも掲載されています。

また、同年11月に開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)でのSCCセッションにおいて当社は、“We Commit”動画を提供し、気候変動問題の解決に向け積極的に取り組む姿勢を示しました。加えて当社のSCC担当は、2023年1月、SEMI北米諮問委員会(NAAB)の新メンバーとしても任命され、北米に所在する会員企業の主要なadvocate(代弁者)としてサプライチェーンにおける様々な課題に対処しています。

Semiconductor Climate Consortium Founding Member

気候変動イニシアティブへの参加

気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative: JCI)は、1.5度目標の実現に向けて積極的に取り組みを進める日本の非政府アクターのネットワークです。

アドバンテストは、気候変動イニシアティブ(JCI:Japan Climate Initiative)が掲げる宣言「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」に賛同し、同イニシアティブに参加し、2050 年までの脱炭素化に向けた取り組みを進めています。

当社は、気候変動対策に自発的かつ積極的に取り組むとともに、気候変動対策に積極的に取り組む自治体、企業等を相互に支援することで、脱炭素化社会の実現に貢献していきます。

JAPAN CLIMATE INITIATIVE

生物多様性のための30by30アライアンスに参加

アドバンテストは2022年4月より、30by30目標達成に向けて環境省が創設した有志連合「生物多様性のための30by30アライアンス」に参加しています。

「30by30」は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向けて、2030年までに陸域と海域の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標で、2021年6月のG7サミットで合意された国際的な約束です。

生物多様性のための30by30アライアンス

RBA行動規範

グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟であるRBA*4が掲げる「RBA行動規範」に準拠し、労働、安全衛生、環境、倫理に配慮した積極的な取り組みを推進しています。

責任ある鉱物資源への対応

アドバンテストは、お取引先に対して、RMI*5帳票(紛争鉱物レポーティング・テンプレート(CMRT))による紛争鉱物の使用状況の調査を毎年実施しています。

国際標準化活動における取り組み

アドバンテストは、さまざまなステークホルダーを配慮する点において国際標準化活動に関わることは重要なミッションと考えています。世界中の多様なステークホルダーとともに新たな社会規範を協創し、国際標準に適合したソリューションを提供することにより、グローバル市場の発展に寄与し、社会課題を解決するイノベーションを実現したいと考えています。

国際標準化活動への参画

半導体など電子機器に関する国際標準はIEC (International Electrotechnical Commission)で開発、管理されています。半導体設計自動化(EDA)関連の国際標準化活動にはIEC/TC91傘下の2つのWG(ワーキンググループ)があり、当社は両方のWGで中心となる役割を担うという大きな貢献をしています。

IEC
左右にスワイプ可能です
ワーキンググループ名 活動内容
IEC/TC91/WG13(設計自動化:設計言語) コンビーナ 米国メンバーと共同でコンビーナとして活動を主導。
WG13では部品・回路・システム記述言語, モデルのハーモナイゼーションを検討。
- 言語間のInteroperabilityの検討
IEC/TC91/WG15(設計自動化:電子製品テスト) コンビーナ 英国メンバーと共同でコンビーナとして活動を主導。
WG15ではシステムテスト記述言語、ATML(Automatic Test Markup Language)を検討。

当社の人財が2016年10月にはIECよりIEC1906賞*6を受賞しています。これは長年のデザインテスト自動化の貢献が認められたものです。また、2023年10月には経済産業省から産業標準化事業表彰 産業技術環境局長賞*7を受賞しています。IEC/TC91/WG13における設計標準であるIEC63055(LSI-Package-Board 間で共通に使える言語)を成立させ、国内外で活用されるまでに適用推進したことが評価されました。

  • *6
    IEC 1906賞とはIECの技術活動に関連し、電気電子技術の標準化およびその関連活動に多大な貢献があった個別技術専門委員会の専門家の業績を称えるものです。
  • *7
    産業標準化事業表彰とはそれらの標準/規格などの策定や啓発等に貢献のあった個人および組織を表彰するものです。
ExcelPDF