シノプシス社とのコラボレーションによる半導体テストのリアルタイム・データ解析新ソリューション「ACS Nexus」を発表

株式会社アドバンテスト（本社：東京都千代田区　社長：吉田 芳明）は、Advantest Cloud Solutions™ (ACS)の新ソリューション「ACS Nexus」を発表しました。ACS Nexusは、オンプレミス^*1で使用可能な統一化かつ標準化されたソフトウェア・インタフェースを介して、複数のテスト・システムから集約されたデータストリームにアクセスできるリアルタイム・データ・ストリーミング基盤です。半導体設計向けEDAソフトウェア大手シノプシス社が提供するデータ解析システム「SiliconDash」とあわせて使用することで、アドバンテストのテスト・プラットフォーム上で卓越したリアルタイム解析を可能にします。ACS Nexusは、当社のテスト・システム「V93000」および「T2000」上でお使いいただけるほか、2023年には当社の全てのテスト・システムにも拡張される予定です。

半導体業界では、最高の品質と製造歩留まりの安定を早期に達成することが求められています。5Gやヘテロジーニアス・パッケージング^*2に対応した設計、ASIC^*3の多様化といった技術進化により、半導体テストには革新的かつソフトウェアを活用したアプローチが求められています。

当社では中長期経営方針のビジョン「進化する半導体バリューチェーンで顧客価値を追求」の一環として、当社と顧客、パートナー企業が高度な機械学習およびデータ解析ソリューションを開発可能な、半導体製造装置向けオープン・エコシステムを提唱しています。シノプシス社のSilicon Dashは、データ所有者がきめ細かくアクセス権限を設定することができます。これにより、ユーザーは統一されたインタフェースからアクセスし、安全かつ信頼性の高い標準化された方法でテストデータを収集することができます。インタフェースを介して既存のデータ収集機能を拡張することで、テスト結果の分析能力が飛躍的に向上し、ユーザーは目標とする品質と高い歩留まりを早期に実現することができます。これまでテストデータを管理するためにITインフラを構築していたテスト技術者の大きな負担を軽減するとともに、テスト・フロア管理の安全性と信頼性の向上、ひいては総合設備効率（OEE）の改善にもつながります。

*1 システムの稼働やインフラの構築に必要なサーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用すること。

*2 異なる機能を持つ複数のチップを単一パッケージ化する手法。近年スマートフォンや高性能サーバーに用いる先端半導体においては、ウェーハプロセスの微細化だけでは消費電力、性能、面積あたりコスト、市場投入までの期間といった性能をチップ単体で実現することが難しくなっており、複数のチップを縦に積み重ねることで半導体の機能向上を図る3次元積層パッケージング技術が注目されている。

*3 Application Specific Integrated Circuit.の略称。ある特定の機器や用途のために、必要な機能を組み合わせて設計、製造されるカスタムIC。