システムレベル・テストシステム「7038」の新ソリューション「7038 Single Test Rack」を発表

株式会社アドバンテスト（本社：東京都千代田区 代表取締役 Group CEO：Douglas Lefever、以下「当社」）は、システムレベル・テストシステム「7038」向けの新たなソリューション「7038 Single Test Rack（STR）」を発表しました。7038 STRは、業界でも実績のあるシステムレベルテスト（SLT）プラットフォーム7038を拡張し、スロット単位での自動化テストに最適化された低コストアーキテクチャを採用することで、AIやハイ・パフォーマンス・コンピューティング（HPC）、車載などのデバイス向けに、中小規模生産に最適化されたSLT 、およびバーンインテスト（BI）環境を提供します。

7038 STRは、1テストサイトあたり最大1.4kWを処理できる液冷式の熱制御機能を搭載し、最新の複雑かつ高消費電力のデバイスに対して安定したテストを実現します。また、従来の7038 デュアルラック同様、コスト効率の高い空冷式の熱制御を選択することも可能です。7038 STRは、最大48サイトでの非同期テストをサポートするとともに、ソケットインターフェースボード（SIB）、ソケット、マルチ・ゾーンの熱制御、ソフトウェアによる管理、制御、統合型自動ハンドラーを包括的に提供するターンキーソリューションを実現します。これにより、顧客は複数の異なるサプライヤーから部品を調達する煩雑さを回避することができ、導入の効率化とリスク低減につながります。

近年、AI、HPC、自動車市場においては、デバイスの複雑化と消費電力の増大が顕著であり、とりわけ自動車メーカーは先進運転支援システム（ADAS）やテレマティクス処理に対応する中電力帯のテストソリューションを必要としています。従来の空冷方式では1デバイスあたり約100Wに制約されますが、7038 STRの液冷設計は次世代プロセッサのサイズの拡大とともに増加する電力レベルにもスケーラブルに対応でき、将来的なアップグレードによって1.4kWを超える高い電力にも対応可能です。

7038 STRは、従来の大規模生産向けのデュアルラックよりも投資負担や設置スペースを抑えつつ、高度なSLTやバーンイン機能を必要とする中小規模生産環境に最適です。また、7038製品ファミリーとの互換性により、生産規模が拡大する際にはシングルラックとデュアルラック間でテストプログラムやハードウェアを容易に移行可能です。さらに、直感的なテスト管理ソフトウェア「ATS ActivATE360™」とも完全な互換性を持ち、温度・電流・電力のリアルタイム監視やログ管理、制御機能を提供し、プログラム開発の効率化やテスト環境へのスムーズな統合を実現します。

7038 STRはすでに販売を開始しており、価格はスロット構成、スロットごとのサイト数、制御要件により異なります。

なお、当社は本製品および関連するテストソリューションについて、2025年9月21日～26日に米国サンディエゴで開催される「International Test Conference」（ブース番号206）にて詳しくご紹介いたします。

アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューション・カンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。