国際標準化活動における取り組み
アドバンテストは、さまざまなステークホルダーを配慮する点において国際標準化活動に関わることは重要なミッションと考えています。世界中の多様なステークホルダーとともに新たな社会規範を協創し、国際標準に適合したソリューションを提供することにより、グローバル市場の発展に寄与し、社会課題を解決するイノベーションを実現したいと考えています。
IEC
半導体など電子機器に関する国際標準はIEC (International Electrotechnical Commission)で開発、管理されています。半導体設計自動化(EDA)関連の国際標準化活動にはIEC/TC91傘下の2つのWG(ワーキンググループ)があり、当社は両方のWGで中心となる役割を担うという大きな貢献をしています。

当社の人財が2016年10月にはIECよりIEC1906賞*1を受賞しています。これは長年のデザインテスト自動化の貢献が認められたものです。また、2023年10月には経済産業省から産業標準化事業表彰 産業技術環境局長賞*2を受賞しています。IEC/TC91/WG13における設計標準であるIEC63055(LSI-Package-Board 間で共通に使える言語)を成立させ、国内外で活用されるまでに適用推進したことが評価されました。
-
*1IEC 1906賞とはIECの技術活動に関連し、電気電子技術の標準化およびその関連活動に多大な貢献があった個別技術専門委員会の専門家の業績を称えるものです。
-
*2産業標準化事業表彰とはそれらの標準/規格などの策定や啓発等に貢献のあった個人および組織を表彰するものです。
IEEE
米国電気電子学会(IEEE: The Institute of Electrical and Electronics Engineers)は、アメリカに本部を置く、電気・電子に関する世界最大の技術者団体です。IEEEは技術コミュニティーに多くのサービスを提供しています。標準規格については、IEEE標準化協会(IEEE SA)として知られるグループを通じて、業界標準の作成と普及を行っています。
IEEEフェローであり、数年前からIEEE SAのメンバーであるケン・バトラーは、前職の代表として2017年に、のちにIEEE P2427ワーキンググループとなるチームに招待され、アドバンテストで勤務する現在に至るまでその活動を続けています。IEEE P2427は、欠陥モデリングとカバレッジに関するドラフト規格です。この原稿を書いている時点では、まもなく2回目の投票が終了し、IEEE SA標準化委員会による承認に向けた手続きへと進む予定です。この規格では、アナログ回路のテストの欠陥カバレッジ解析について、ルール、推奨される手法、手順を文書化しています。何十年もの間、テスト業界にはデジタル回路のカバレッジを測定するためのデファクトスタンダードは存在していましたが、アナログ回路については同様の基準がなく、カバレッジ解析のアプローチはその場かぎりなものがほとんどでした。IEEE 2427の批准により、アナログテストシーケンスのカバレッジを測定し、さまざまなテストアプローチやツール間で比較するための、確立された手法が業界に存在することとなります。このことにより、アナログ回路の欠陥カバレッジが全体的に改善され、消費者にとっては、デバイス全体の品質向上につながります。
外部イニシアチブへのコミットメント
アドバンテストは、事業活動を通じて「安全・安心・心地よい」サステナブルな社会の実現に貢献することにより、中長期的な企業価値向上を目指すことを経営の目標としています。その一環として、国内外のステートメントやガイドラインへの賛同・参画、国際標準化活動などを通じて、すべてのステークホルダーとの関係をバランスよく発展させたいと考えています。
参画しているイニシアティブ・団体
アドバンテストは、グローバル規模の社会課題の解決に貢献するため、国際的なイニシアティブや団体に参画し、サステナブルな活動を推進しています。
参考にしているイニシアティブ・団体