決算レビュー

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)の状況

経営成績の概況

2024年1月31日発表(単位: 億円)
  2023年3月期
第3四半期連結累計期間
2024年3月期
第3四半期連結累計期間
前年同期比
売上高 4,128 3,507 △15.0%
営業利益 1,291 621 △51.9%
税引前四半期利益 1,329 596 △55.2%
四半期利益 998 471 △52.8%

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ後の正常化が進んだものの、欧米を中心とした金融引き締め政策、中国景気の成長鈍化などから全体としては減速感が強まりました。

このような世界経済情勢のもと、スマートフォンやパソコン、テレビなど主要な民生機器での需要減少、さらにはデータセンタ投資も減速したことから、半導体市場においても関連する半導体の需要が落ち込みました。生成AI関連などの一部の半導体では需要が増加しているものの、多くの半導体メーカーで在庫調整や設備投資の抑制が実施され、半導体市場は前年比で縮小しました。

当社の半導体試験装置ビジネスにおいては、社会のデジタル・トランスフォーメーションの加速化を背景に、過去3年度にわたり顧客の旺盛な投資が行われてきましたが、半導体市況が弱含んだことで、多くの顧客サプライチェーンで設備の余剰が発生し、当社製品の需要は前年同期に比べ大きく落ち込みました。

これらの結果、売上高は3,507億円(前年同期比15.0%減)となりました。利益面では、減収に加え好採算品の販売比率低下および原材料費の上昇などから営業利益は621億円(同51.9%減)となりました。為替差損による金融費用の増加に伴い税引前四半期利益は596億円(同55.2%減)、四半期利益は471億円(同52.8%減)となりました。当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは、米ドルが142円(前年同期135円)、ユーロが154円(同139円)、海外売上比率は96.1%(前年同期96.6%)でした。

半導体・部品テストシステム事業部門

(単位: 億円)
  2023年3月期
第3四半期連結累計期間
2024年3月期
第3四半期連結累計期間
前年同期比
売上高 2,935 2,400 △18.2%
セグメント利益 1,223 653 △46.7%

当部門では、SoC半導体用試験装置は自動車や産業機器関連の半導体に向けた売上は堅調でした。しかしながらスマートフォン市況の停滞やサーバー投資の減速から、それらに関連する高性能な半導体への製品販売が落ち込みました。メモリ半導体用試験装置については、高性能なDRAMに向けた旺盛な試験装置需要がメモリ半導体市況の悪化の影響を補い、売上は前年同期と同等の水準となりました。利益面においては、減収に加え、製品ミックスの悪化や部材調達コストが上昇したこともあり、当セグメントの収益性が低下しました。

メカトロニクス関連事業部門

(単位: 億円)
  2023年3月期
第3四半期連結累計期間
2024年3月期
第3四半期連結累計期間
前年同期比
売上高 423 359 △15.2%
セグメント利益 100 49 △51.4%

当部門では、半導体試験装置の需要減少を背景に、関連するデバイス・インタフェース製品、テスト・ハンドラの売上が減少しました。ナノテクノロジー製品も前年度に顧客へ製品納入が進んだことから、売上が減少しました。

サービス他部門

(単位: 億円)
  2023年3月期
第3四半期連結累計期間
2024年3月期
第3四半期連結累計期間
前年同期比
売上高 771 748 △2.9%
セグメント利益 101 43 △57.6%

当部門では、当社製品の設置台数の増加に伴い保守サービスの売上は伸長しました。しかしながら、特定顧客向けの売上比率が高いシステムレベルテスト事業において、民生機器向け半導体の需要減少により売上が低調でした。また当事業における中長期的な事業成長を見越した生産体制強化に取り組んでいることから、当セグメントの利益額は前年同期を大幅に下回りました。なお第3四半期連結累計期間のセグメント利益は、取引先との係争に関する受取和解金等約32億円を含んでいます。

財政状態の概況

当第3四半期末の総資産は、営業債権およびその他の債権が171億円、現金および現金同等物が98億円それぞれ減少したものの、棚卸資産が389億円、有形固定資産が108億円、主に前払税金の増加によりその他の流動資産が107億円それぞれ増加したことなどにより、前年度末比348億円増加の6,350億円となりました。負債合計は、未払法人所得税が227億円、営業債務およびその他の債務が185億円それぞれ減少したものの、借入金が408億円増加したことなどにより、前年度末比13億円増加の2,328億円となりました。また、資本合計は4,022億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前年度末比1.9ポイント増加の63.3%となりました。