中長期経営方針

2021年5月21日

当社は、経営理念である「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、当社がどうありたいか、何をなすべきかを定めた中長期経営方針「グランドデザイン(10年)」を2018年度に策定しました。またグランドデザインの実現に向けた最初の3カ年計画「第1期中期経営計画(2018~2020年度)」(略称:MTP1)を同時に策定し、この達成に努めてきました。

このMTP1が2020年度にすべての経営指標を超過し成功裡に終了したことを踏まえ、当社では、グランドデザインを更新するとともに、「第2期中期経営計画(2021~2023年度)」(略称:MTP2)を新たに策定しました。MTP2のもと、グランドデザイン達成に向けた道筋をより確実なものとするべく、一段の飛躍を目指します。

1. グランドデザイン(10年)〔2018年度~2027年度〕

< ビジョン・ステートメント >

「進化する半導体バリューチェーンで顧客価値を追求」

< 戦略 >

当社は、半導体の量産テスト用システムの開発・販売に加え、半導体量産工程の前後工程にある半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場へ事業領域を広げることで、業容の拡大と企業価値向上を目指します。

上記の達成に向け、「コア・ビジネスの強化、重点投資」、「オペレーショナル・エクセレンスの追求」、「さらなる飛躍への価値探求」、「新事業領域の開拓」、「ESGのさらなる推進」の5つの戦略課題に取り組みます。

< 中長期経営目標 >

「売上高4,000億円の達成」

これまで「売上高3,000~4,000億円の達成」を最終目標としてきましたが、2020年度に目標値の下限に到達したことを受け、目標を上方修正します。また当目標は2027年度での達成を当初企図していましたが、業績進捗と今後の事業見通しを踏まえ、今後はより早期での達成を目指すことに変更します。

2. 第1期中期経営計画(3年)〔MTP1、2018~2020年度〕の総括

< 目標とした経営指標の状況 >

  2018~2020年度(平均)
保守的シナリオ
2018~2020年度(平均)
ベース・シナリオ
2018~2020年度(実績)
売上高 2,300億円 2,500億円 2,904億円
営業利益率 15% 17% 22%
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) 15% 18% 29%
基本的1株当たり当期利益(EPS) 135円 170円 309円

デジタル革命の進展により半導体市場および半導体テスタ市場が拡大する中で、想定より早く市場シェア拡大を実現したこと(2017年全体シェア約36%に対し、2018~2020年平均は約50%)、M&Aで取得した事業の早期業績貢献などにより、すべての指標でベース・シナリオとして掲げた目標を超過しました。

3. 第2期中期経営計画(MTP2、2021~2023年度)の概要

< 経営指標 >

MTP2では、さらなる成長に向けた事業強化の取り組みを推進するとともに、成長投資と株主還元の双方を拡充し、企業価値向上を図ります。この考えに基づき、MTP2において重視する経営指標を売上高、営業利益率、当期純利益、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、基本的1株当たり当期利益(EPS)とし、これらの成長に努めます。なお計画の進捗を中長期視点で評価するため、経営指標には単年の業績変動の影響を軽減できる3カ年平均の指標を用います。

MTP2における各数値目標は、以下のとおりです。
※下記指標の予想に用いた為替レートは、1米ドル=105円

  2021~2023年度(平均)
売上高 3,500~3,800億円
営業利益率 23~25%
当期純利益 620~700億円
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) 20%以上
基本的1株当たり当期利益(EPS) 320円~370円

< 主な施策 >

  • 半導体・部品テストシステム事業部門
    新製品「V93000 EXA Scale」の強みを活かし、拡大するスマートフォン関連のSoC半導体やHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)デバイスの試験装置需要を取り込む
    2022年以降に本格拡大するミリ波関連テストにおけるリーダーポジションの確立
    DRAM半導体向け、不揮発性メモリ半導体向けでの強固なビジネス基盤を堅持
  • メカトロニクス関連事業部門
    テスト品質向上につながるテストセル環境を提供し、販売機会を拡大
  • サービス他部門
    システムレベルテスト(SLT)需要が高まる中、モバイル、HPC、メモリ/ストレージ向け等で顧客拡大。またSLT消耗品のリカーリングビジネスも拡大
    新規事業領域となるデータ・アナリティクス分野における最適なビジネスモデル探索を推進

< コスト・利益構造 >

企業価値の向上を目指すにあたり、成長の源泉であるR&D投資についてはこれまでの高い水準を維持する方針です。並行して、業務効率向上の推進により、販管費効率と収益性の改善を図ります。

< 資本政策、キャピタル・アロケーション、株主還元 >

MTP2における資本政策としては、成長に向けた事業投資を優先しつつ、資本効率と資本コストに配慮したバランスシート管理の見地から負債(デット)も柔軟に活用します。さらに経営基盤の強化および持続的企業価値創造のために、財務健全性を維持した上で適正な資本構成を図る方針です。財務健全性については株主資本比率50%以上を、資本効率についてはROE 20%以上を指標とします。

成長投資および株主還元の原資としては、MTP2期間に予想される累計2,200億円以上の営業キャッシュ・フローと、手元現金の保有水準見直しによる活用を想定しています。成長投資枠は、MTP2期間累計でM&A等の戦略投資に1,000億円、設備投資に400億円とします。株主還元についてはMTP2期間における安定的な事業環境を前提として、配当を半期配当性向30%から、1株当たり配当金半期50円・通期100円を最低額とする金額基準に変更します。通期総還元性向は50%以上を目途とし、配当や自己株式の取得を通じて株主還元を強化するとともに資本効率の向上を図ります。

< ESGのさらなる推進 >

当社は事業活動を通じて、社会的課題の解決とサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。それにあたり、当社自身がサステナブルであるための根幹となるコーポレート・ガバナンスにおいて、経営・執行体制整備やサクセッションプランの確立・運用などを通じ、当社の"稼ぐ力"を強化します。また人権尊重、人財開発・育成など、人的資本に関するサステナビリティ要素の強化や気候変動への取り組み強化も並行して推進します。