決算レビュー
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)の状況
経営成績の概況
2022年3月期 第3四半期連結累計期間 |
2023年3月期 第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 | |
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売上高 | 3,001 | 4,128 | 37.6% |
営業利益 | 810 | 1,291 | 59.4% |
税引前四半期利益 | 813 | 1,329 | 63.3% |
四半期利益 | 609 | 998 | 63.9% |
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、地政学的リスクの高まりに起因する資源の高騰や新型コロナウイルス感染症の影響によるサプライチェーンの混乱などから世界的にインフレが進行しました。またインフレを抑制するため、欧米諸国を中心に政策金利が引き上げられるなど、世界経済への下押し圧力が高まり、景気後退懸念が深まりました。
この不透明な世界経済情勢のもと、半導体市場においても、スマートフォンやパソコン、テレビなど主要民生機器向け半導体の需要が減少し、関連する半導体メーカーでは在庫調整や設備投資計画を見直す動きが見られました。一方で自動車や産業機器向けなどの一部半導体は依然として不足している状況が継続しました。半導体市場はアプリケーションごとにまだら模様を呈するものの、全体としては徐々に減速感を強めつつ推移しました。
当社の半導体試験装置ビジネスにおいても、民生機器向け半導体の需要落ち込みにより影響を受けました。しかし半導体の高性能化を背景としたテスト需要の増加が民生機器向けでの半導体生産数量の落ち込みを補いました。他方、部材不足や物流網の混乱が広範なサプライチェーンに影響を及ぼし、当社の部材調達は引き続き厳しい状況が続きました。部材調達力の強化と同時に需要変動への備えを必要とする難しい局面でしたが、当社は中長期的視点に立ち、開発力強化とサポート力の充実に努めるとともに売上目標の達成に邁進し、概ね想定通りの売上高を計上しました。
これらの結果、売上高は4,128億円(前年同期比37.6%増)、営業利益は1,291億円(同59.4%増)、税引前四半期利益は1,329億円(同63.3%増)、四半期利益は998億円(同63.9%増)となりました。調達部材の価格上昇はありましたが、収益性の高い製品の販売比率上昇、円安による増収・増益効果などにより、いずれも第3四半期連結累計期間における過去最高額を更新しました。当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは、米ドルが135円(前年同期111円)、ユーロが139円(同131円)、海外売上比率は96.6%(前年同期96.1%)でした。
半導体・部品テストシステム事業部門
2022年3月期 第3四半期連結累計期間 |
2023年3月期 第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 | |
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売上高 | 2,076 | 2,935 | 41.3% |
セグメント利益 | 744 | 1,223 | 64.4% |
当部門では、HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)デバイスやアプリケーション・プロセッサでの一段の技術進化や性能向上から、SoC半導体用試験装置において、先端プロセス品向けの売上が大きく伸長しました。また需要が強い自動車・産業機器などの成熟プロセス品向けにおいても、販売が堅調に推移しました。メモリ半導体用試験装置についても、メモリ半導体は市況の悪化が見られたものの、高性能メモリ半導体向けを中心とした顧客の投資が継続され、当社製品の順調な販売が続きました。
メカトロニクス関連事業部門
2022年3月期 第3四半期連結累計期間 |
2023年3月期 第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 | |
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売上高 | 318 | 423 | 32.9% |
セグメント利益 | 49 | 100 | 2.0倍 |
当部門では、半導体試験装置に対する顧客の旺盛な需要を背景に、デバイス・インタフェース製品、テスト・ハンドラの売上がそれぞれ増加しました。利益面においては、主に増収効果が当セグメントの収益性向上に寄与しました。
サービス他部門
2022年3月期 第3四半期連結累計期間 |
2023年3月期 第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 | |
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売上高 | 607 | 771 | 27.0% |
セグメント利益 | 125 | 101 | △18.8% |
当部門では、当社製品の設置台数の増加にともない保守サービスの売上は堅調でした。しかしながらシステムレベルテスト事業において、当社の生産体制および開発体制強化のための投資が先行する中、一部顧客の民生機器向けの需要減退や米国による対中国輸出規制などの影響を受け、売上の伸びが計画を下回りました。その結果、当セグメントの利益額は前年同期を下回りました。
当期の財政状態の概況
当第3四半期末の総資産は、現金および現金同等物が326億円減少したものの、棚卸資産が617億円、のれんおよび無形資産が107億円、有形固定資産が88億円それぞれ増加したことなどにより、前年度末比577億円増加の5,524億円となりました。負債合計は、借入金が180億円、主に預り金の増加によりその他の金融負債が45億円それぞれ増加したことなどにより、前年度末比218億円増加の2,218億円となりました。また、資本合計は3,306億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前年度末比0.2ポイント増加の59.8%となりました。