当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。また、その需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。
今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。
近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。
半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。
- 世界経済の全体的な状況
- 半導体業界の動向
- 通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向
- データセンター、パソコンおよびサーバー業界の需要
- テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要
- 自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向
- ニューラルネットワークを活用したAI・人工知能、画像認識、音声認識サービス拡大による高性能半導体市場の動向
当連結会計年度における半導体市場の需要と当社グループの業績については、「4.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の分析」に記載のとおりであり、当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。