ウイルスやナノ粒子の種類をAIで高速高精度に識別 微粒子計測器「nanoSCOUTER™」を発売

2019/12/02 製品情報

株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:吉田 芳明)は、微粒子の数量と粒径の計測、および種類の識別が可能な微粒子計測器「nanoSCOUTER™」を発売しました。

半導体プロセスによる精緻なナノポア(細孔)センサーモジュールと、当社の微小電流計測技術により、ウイルス、エクソソーム*1、リポソーム*2等の粒子の数と大きさを高精度かつ高速で計測できます。加えて、AIの活用により、粒子の種類を即時に識別可能です。医薬品やバイオテクノロジーなどの研究開発にご利用いただけるほか、将来は医療を含む幅広い分野への応用も目指します。

*1 エクソソーム:体液中に含まれる細胞由来のナノ粒子。病気診断への応用に期待されている。

*2 リポソーム:脂質でできた小胞状の人工膜のこと。製薬において薬物を包むことなどに利用される。

  • 微粒子計測器「nanoSCOUTER™」

製品の特長

  • 低コスト、省スペース

    「nanoSCOUTER™」は、電流を流したナノポアに粒子を通し電流波形の変化を計測する電気式手法(コールター原理)を採用し、光源を必要とする光学式の計測器に比べて価格やサイズの点で優れています。また、光学式では計測に多くの粒子が必要ですが、電気式では1個の粒子から計測可能です。

  • 高精度計測

    電気式の微粒子計測器は、ナノポアの精密さが計測精度に大きく影響します。「nanoSCOUTER™」は、半導体の製造プロセスを用いて作られたナノポアセンサーモジュールにより、多くのウイルス計測に必要な100ナノメートルオーダーの粒子計測を可能にしました。

  • 高速計測

    ナノポアを通して得られる電流波形は、粒子が小さくなるほど微小なものになります。「nanoSCOUTER™」は、電子計測器や半導体試験装置で培われた当社の微小電流計測技術により、わずかな電流波形から粒子の数と大きさを高速高精度に数値化します。

  • 粒子の種類を速やかに識別

    アイポア株式会社 が開発したAI粒子識別システムとの組み合わせにより、ごくわずかな電流波形の差異を判別し、粒子の種類を速やかに特定します。内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)*3では、「nanoSCOUTER™」と同じ技術を用いて、インフルエンザウイルスの型(A型,B型,A亜型)を高精度に識別することに成功しました*4。

    *3 ImPACT:政府の科学技術・イノベーション政策の司令塔である総合科学技術・ イノベーション会議が、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発を促進し、持続的な発展性のあるイノベーションシステムの実現を目指したプログラムです。(期間:2014年度~2018年度)

    *4 ImPACT実施状況報告書(成果)

製品一般仕様

寸法 300 mm (W) × 221.8 mm (D) × 101 mm (H)
重量 4.5 kg
温度 8 ℃ ~ 40 ℃
湿度 80%以下で結露が無いこと
推奨OS Windows7 Professional 64bits / Windows10 Professional 64bits

本件に関するお問い合わせ

新企画商品開発室  メールアドレス: info_minascouter@advantest.com

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