2020年 吉田芳明社長 社員向け年頭所感(要旨)

2020/01/06 トピックス

Ahead of a new era
私たちは新たな時代の入口に立っている

明けましておめでとうございます。

振り返ると一年前は、世界経済の下振れ懸念から、2019年度は苦戦を予想していましたが、5G関連のテスタ需要増加などで業績は想定以上に好調に推移し、年間計画を上方修正することができました。

2020年も、世界経済、半導体市場、半導体検査装置市場全てにおいて、前年比プラス成長が見込まれており、2020年は「回復・上昇の年」と位置付けられています。中期経営計画の最終年度を迎え、当社を取り巻く環境は比較的明るく、目標達成は十分可能と考えています。2020年度は、2018年度の年間最高売上記録更新にチャレンジする気持ちで取り組んでいきたいと思います。

一方で、周りを見渡すと、米中貿易摩擦の長期化やイギリスのEU離脱、中東(イラン)の緊張や北朝鮮の情勢、さらには大型台風や巨大地震といった自然災害など、私たちを取り巻くリスクは枚挙にいとまがありません。
当社の競争環境においても、競合の攻勢は加速していくでしょう。少しでも隙を見せれば、マーケットシェアNo.1の座はすぐに危ういものになります。
私たちはこのように非常にVUCAな世界で事業を営み、その中で持続的に成長していかねばならないことを忘れてはなりません。

今年は、2020年代という新たな10年間の始まりです。アジア圏では、新たな十二支の始まりの子年となります。日本では、昨年5月から「令和」の時代に入り、初めての正月を迎えました。私たちは、まさに今、新しい時代のスタートラインに立っています。

2010年代、私たちは多くの出来事に直面してきました。リーマンショックの後遺症にもがき苦しんだ10年前、半導体産業の未来を危ぶむ声さえありましたが、その後、スマートフォンの台頭、さらには「IoT」「AI」などといったコンセプトが具体化されていく過程で、半導体関連市場は、新たな成長ステージに入り、再び力強く成長し始めました。
アドバンテストも、10年前は532億円にまで売上高が落ち込みましたが、統合や事業譲受で会社の体制を大きく変えるなどして、昨年度の売上高はその5倍以上の2,825億円になりました。

2020年代も、世界は大きく変わり続け、その変化のスピードはさらに速くなると思われます。
新時代を迎え、私たちには、さらにスピーディーで柔軟な行動が求められています。アドバンテストは、これからも学習する組織として、自身を進化させていかねばなりません。

これからの新時代を生き抜いていくための指針が、昨年7月に改訂し、現在従業員の皆さんがトレーニング中の「The Advantest Way」には込められています。
The Advantest Way で定めた当社のCore Values「INTEGRITY」は、「誠実・真摯・高潔」を意味し、アドバンテストグループ従業員全員が共有する価値観です。自己の利益のためだけに行動するのではなく、社会に価値を提供するために真摯に取り組む、社会の一員として役立つ存在になることこそが、持続的な発展に繋がると私は考えています。これは、SDGsが目指す方向と同じで、私たちはこれからも事業活動を通じて、社会に貢献していかねばなりません。

社会課題をテクノロジーで解決していくデジタル・トランスフォーメーションの進展は当面の間続きます。中長期経営方針では、「Tested by Advantest」というフレーズを掲げました。新しい時代に入っても、半導体は、社会インフラの基盤としてその数量を増やし続け、高い信頼性を担保する半導体テストの重要性はますます大きくなっていきます。未来社会に必要な事業に携わる者として、自信と自負をもって、新時代をともに歩んでいきましょう。

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