エクサスケール時代を支える新テスト・プラットフォーム「V93000 EXA Scale™」を発表

2020/09/23 製品情報

株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:吉田芳明)は、最先端半導体向けテスト・プラットフォーム「V93000 EXA Scale™」を発表しました。当社の次世代フラッグシップ製品として、半導体業界で高い実績を持つV93000アーキテクチャーをさらに進化させ、スキャンテストの高速化やスループットの向上など数多くのイノベーションを実現しました。半導体に100京回/秒の超高速処理が求められる「エクサスケール」の時代において、新たなテスト手法の導入やテストコストの削減、量産までの期間短縮といったさらなる価値を半導体バリューチェーンに提供します。


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半導体プロセスの進化は、IoTやモバイル端末、自動車、大規模サーバーなどから発生する無数のデータをリアルタイムに処理する技術革新に貢献しています。今後、モバイルプロセッサ、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、人工知能(AI)ICの進化と共に、処理されるデータ量も指数関数的に増加していきます。半導体テストはこれらに対応するため、膨大なスキャンデータの取り込みと読み出し、高出力電源、短時間での歩留まり改善、多数個同時測定といった、新たな課題に取り組んでいく必要があります。V93000 EXA Scale™は、革新的なアーキテクチャーでこれらの課題を解決するソリューションを提供します。


V93000 EXA Scale™のカードは、アドバンテストが独自に開発した1チップあたり8コアの最新テストプロセッサで構成されており、テストの高速化、簡素化を可能にします。


V93000 EXA Scale™は、半導体テスト・システム用に特別に設計された通信ネットワーク「Xtreme Link™」テクノロジー(特許取得済み)を採用しています。高速データ接続、高いデータ処理能力、機器間通信をはじめ多くのメリットをお客様に提供します。


V93000 EXA Scale™の新デジタル・カード「Pin Scale 5000」は、大規模なデジタルデバイス特有の膨大なスキャンデータ量を考慮して設計されています。新標準5ギガビット/秒のスキャンテスト、テストプログラムを一括して格納/出力できるベクターメモリーを備え、Xtreme Link™と合わせて使用することで業界最高クラスの処理能力を実現します。これらにより、お客様はデバイスに最適なスキャン方法を選択できます。


1ボルト未満で最大数千アンペアという低電圧大電流の電源は、半導体テスト・システムの重要な差別化要因となっています。新電源カード「XPS256」は、高精度、柔軟な並列駆動(フレシキブル・ギャンギング)、優れた静的/動的パフォーマンスといった特長により、1つのDPSカードであらゆるニーズをカバーする業界革新的な電源です。


「Pin Scale 5000」と「XPS256」のチャンネル数は、従来製品比2倍の256チャンネルを実現しました。小さなシステムで多数個同時測定を可能にし、お客様のテストフロアのインフラコストとスペース削減に貢献します。


93000事業本部長を務める常務執行役員のJuergen Serrerは、「エクサスケール・コンピューティングの時代を迎えた今、パフォーマンス、コスト、品質、量産展開といったお客様が直面する困難なテスト課題は、V93000 EXA Scale™のイノベーションが解決します」と述べています。




V93000 EXA Scale™は、デジタル、RF、アナログ、パワーなどの機能を1台でテストすることができ、かつさまざまなサイズのテストヘッドに拡張可能な、スケーラブルなテスト・ソリューションです。従来製品である「V93000 Smart Scale」と互換性を持ち、お客様のV93000 EXA Scale™へのスムースな移行と資産の有効活用をサポートします。OSはV93000で多くの実績のある「SmarTest」であり、お客様は所有のソフトウエア資産を引き続きお使いいただけます。


V93000 EXA Scale™はすでに、業界をリードする複数のお客様に合計数十台出荷されています。システムの詳細については、advantest.comの製品情報ページをご参照ください。

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