大阪大学産業科学研究所に2台寄贈、検査方法の研究をサポート
株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:吉田 芳明)の微粒子計測器「nanoSCOUTER™」が、新型コロナウイルスの短時間での識別に有効であることが確認されました。10月23日、その研究成果が大阪大学産業科学研究所の谷口正輝教授より発表されました※1。
同研究所では、「nanoSCOUTER™」およびアイポア株式会社※2が開発したAI粒子識別システムを活用し、ウイルスの識別方法を研究しています。このたび、唾液検体を用いた新型コロナウイルスの検査法の研究において、計測時間5分、感度(陽性検体数のうち検査が陽性と判定した割合)95%、特異度(陰性検体数のうち検査が陰性と判定した割合)92%※3を記録し、短時間で高精度の識別が可能であることを確認しました。
軽量かつ卓上サイズの微粒子計測器「nanoSCOUTER™」は、半導体プロセスで作られた精緻なナノポア(ナノメートルスケールの細孔)センサーモジュールと、当社が得意とする微小電流計測技術により、ウイルス、エクソソーム※4、リポソーム※5 等、100ナノメートルオーダーの微粒子の数量と粒径を、高精度かつ高速で計測します。また、アイポア社の機械学習機能と組み合わせることにより、粒子の種類を速やかに特定できます。なお、当製品は現時点では理化学機器であり、承認を得た医療機器ではありません。
新型コロナウイルスを短時間で検査・判定することは、感染の早期発見と拡大防止策の一つとして期待されています。検査方法の研究にお役立ていただくため、当社は「nanoSCOUTER™」2台を大阪大学産業科学研究所に寄贈しました。当社は引き続き、「先端技術を先端で支える」企業理念のもと、計測技術開発を通じて社会課題解決への貢献を目指します。
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「計測展大阪2020」のテーマセッション(10月23日、会場:グランキューブ大阪)での発表
「Industry-on-Campus ~大阪大学産業科学研究所から発信する新産業創成」 -
内閣府の国家プロジェクト「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の成果を元に2018年に設立。
nanoSCOUTER™によるウイルスや細菌など生体粒子の計測データをAI解析するソリューションを開発。 -
AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)令和2年ウイルス等感染症対策技術開発事業
課題名「ナノポア技術と機械学習を用いた新型コロナウイルス検査法に関する研究」にAMED補助金の支援を受けています。 -
エクソソーム:体液中に含まれる細胞由来のナノ粒子。病気診断への応用に期待されている。
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リポソーム:脂質でできた小胞状の人工膜のこと。製薬において薬物を包むことなどに利用される。
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