高いスイッチ密度と拡張電圧範囲で高電流デバイスのテストに最適
株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 代表取締役 Group CEO:Douglas Lefever、以下「当社」)は、SoCテスト・システム「V93000 EXA Scale™」用の新型のパワー・マルチプレクサ・カード「PMUX02 Power MUX」(以下、PMUX02)を発表しました。PMUX02は、バッテリー・マネジメント・システム(BMS)、車載、パワー・マネジメントICなどのパワー・デバイスおよびアナログ・デバイスのマルチサイト・テストにおいて、これまでにない卓越した性能を発揮します。従来製品比約2倍のスイッチ密度となる 22個のスイッチと、拡張された±160ボルト(V)の電圧範囲により、多ピン・カウントのミックスド・シグナル・デバイスのテストの合理化とコスト削減に貢献します。
パワー・マルチプレクサは、複数の電源と機器の間で信号の切り替えを行い、被試験デバイス(DUT)に絶え間ない電力供給と測定を可能にします。電気自動車(EV)は、高度なパワー・マルチプレクサのニーズを後押しする重要な推進力となっています。EVのバッテリー・モジュールに積み重ねられるセルの数を増やすことで効率が向上しますが、24個以上のセルを積み重ねるには、バッテリー・マネジメント・システム(BMS)を150V以上の電圧で動作させる必要があります。さらに、車載ICはピン数の増加に伴い複雑化しているため、スループットを向上させるにはより多くの並列サイトが必要となり、より多くのマルチプレクサが必要となります。PMUX02は、テストヘッドに高密度のリレーアレイを提供し、システム・バスを使用した通信方式を採用することで、I2C*ドライバ回路を排除し、貴重なロードボードのスペースを確保します。
-
*2本の配線だけ複数の電子部品間の高速データ通信を可能にする方式(Inter-Integrated Circuit:I2C)
当社 執行役員 Ralf Stoffels (93000プロダクトユニット 統括部長) コメント:
スイッチを追加できるスペースが確保されたことで、顧客はロードボードの設計裕度を高めることができ、テスターの測定器チャンネルをより多くの場所で共有できるようになります。これにより、より多くのマルチサイト・テストが可能になり、顧客はより高価な測定器カードを追加購入することなく、特定のデバイスをテストできるようになります。
PMUX02の必要枚数は、お客様のアプリケーションやサイト数によって大きく異なりますが、V93000 EXA Scaleには、最大16枚のPMUX02を搭載することができ、オプションで空冷キットもご利用いただけます。PMUX02は従来製品であるPMUX01と完全な互換性があり、お客様は同じロードボードを既存のアプリケーションで利用できます。さらに、PMUX02はV93000のシステム・ソフトウエア「SmarTest 8」環境に統合されており、PMUX01と同じ強力なルーティングツールを活用できることから、迅速なアプリケーション開発に貢献します。
PMUX02はすでに一部のお客様にBMSやパワー・マネジメントIC向けで導入されており、2025年初旬よりグローバルに販売を開始いたします。
アドバンテストについて
アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。
-
※本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過、または、さまざまな事象により予告無く変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。