新たなダイ・プローバー「HA1100」とCREA社のテスタを組み合わせることでWBGデバイスの歩留まりを最適化
株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 代表取締役 Group CEO:Douglas Lefever、以下「当社」)は、パワー半導体に不可欠なワイド・バンド・ギャップ(Wide Band Gap、以下WBG)半導体における生産効率を最大限に高めることを目的とした統合テスト・セル・ソリューション「KGD*1 Test Cell」を発表しました。KGD Test Cellは、当社のグループ会社である「CREA社」のパワー半導体用テスタ「CREA MTシリーズ」のテスト・システムに、新製品のダイ・プローバー「HA1100」を組み合わせたものです。
電気自動車(EV)や電源インフラの急速な発展にともない、パワー半導体の需要は引き続き増加しています。特にシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といったWBG半導体は、より小型で高速、かつ効率が高いパワー半導体を実現するために欠かせない存在です。しかし、これらのデバイスは非常に高い電圧と電流で動作するため、不良デバイス測定時にプローブ・カード、チャック*2、デバイスが損傷しやすく、不良を検出するスクリーニング作業が困難です。
KGD Test Cellは、効率的な装置管理を提供するワンストップサービスとして、顧客の製造コスト削減に貢献します。CREA社独自のプローブ・カード・インターフェース(PCI)技術により損傷リスクを低減し、損傷問題発生時もテスト・セルとして原因を調査することが可能です。これにより、顧客はテスト・セルのダウン・タイムを最小限に抑えることができます。
CREA社のテスト・システム「MTシリーズ」に対応した「HA1100」は、KGDを選別することができます。不良ダイがモジュールに組み込まれることを防ぐことで、モジュール・テストの歩留まり低下を抑え、最終的にマルチダイ・パワー・モジュールで発生する損失を低減します。
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*1Known Good Die(良品のダイ)
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*2ダイを載せるステージ
当社執行役員 DH事業本部長 山下 和之 コメント:
「KGD Test Cell」は、CREA社のMTテスト・システムと当社の実績のあるデバイス・ハンドリング技術をテスト・セルとして融合し、ダイ単位でのダイナミック・テストを可能にするこれまでにないソリューションです。CREA社のPCI技術は、電力やエネルギーの供給を制御することで、不良ダイのテスト中に発生するプローブ・カード、チャック、デバイスの損傷を防ぎます。これにより、顧客はシステムのダウン・タイムを心配することなく、安心してモジュールを組み立てることができます。
現在開発中の「HA1100」は、2025年第2四半期にグローバルに販売を開始する予定です。
また、当社はKGD Test Cellおよび関連ソリューションを、12月11日~13日に東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2024」に出展いたします。(ブース番号:1648)
アドバンテストについて
アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。
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