統合されたSiConicエコシステムを活用し
開発ライフサイクル全体にわたりテストエンジニアを支援
株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 代表取締役 Group CEO:Douglas Lefever、以下「当社」)は、2025年2月に発表したSiConicファミリーの新製品「SiConic Test Engineering(TE)」を発表しました。SiConic TEはテストエンジニアが高速I/O(HSIO)インターフェースを介してストラクチュラルテストおよびファンクショナルテストをスケーラブルなベンチ環境で立ち上げ、検証することを可能にし、貴重な半導体テスト・システム(Automated Test Equipment、以下「ATE」)を占有することなく早期の検証とデバッグを実現するソリューションです。

SiConicのハードウェア「SiConic Link」は、USB、PCIe*1、各種制御インターフェース、GPIO*2を介して標準的な評価ボードへフレキシブルに接続することができます。この接続性を基盤として、SiConic TEはベンチ上でのデザインバリデーション(DV)やテスト容易化設計(DFT)コンテンツの迅速な検証とデバックを行うことができます。
SiConicはUSBまたはPCIeを介して、業界でも実績のある当社のSoCテスト・システム「V93000」のスキャンテストを実行する統合的な環境を提供します。複雑なファンクショナルテストをATEで立ち上げる際に一般的に発生する変換やデバッグの手間やミスを回避し、DV用テストコンテンツをテストエンジニアリングへとスムーズに展開します。これにより、検証およびテストにおける高品質なテストカバレッジを実現するとともに、DV・DFT・テストエンジニアリング(TE)のベンチ環境下でのコラボレーションを促進し、生産性向上に貢献します。また、SiConic TEは、V93000をはじめ、アドバンテストのシステムレベルテスト(SLT)およびバーン・イン・テストのプラットフォームに対しても、ActivATE360™ソフトウェア・スイートを通じて品質立ち上げの迅速化を支援します。
SiConic TEは、SiConic LinkおよびV93000のシステム・ソフトウエア「SmarTest 8」にシームレスに統合されており、HSIO機能リンクへの広範なアクセスを通じて、テスト中の高いスループットと詳細なトレースを実現します。これにより、シリコンバリデーション(SV)、DV、TE各チーム間のスムーズなハンドオフ*3を実現し、横断的で強固な連携作業を促進します。
SiConic TEは、統合されたテスト環境と共有エコシステムを通じて、ベンチ環境、ATE、SLTシステム間の相関性を高めます。ツールの最適化されたエンジニアリング機能により、テストの初期立ち上げやデバッグ作業をATEからベンチ環境へとスムーズに移行可能にし、貴重なテスタキャパシティを解放してスケーラビリティの向上に貢献します。さらに、主要なEDAパートナーとの緊密な連携により、DVおよびDFTチームとのクロスファンクショナルな協業を実現し、テストコンテンツの開発を効率化するとともに、ファーストシリコン成功までの開発期間を短縮します。
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*1PCIe(Peripheral Component Interconnect Express):コンピュータ内部でのデータ転送に使われる高速インターフェース規格。
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*2GPIO(General Purpose Input/Output):機器や部品とデータをやり取りするための汎用的な信号入出力インターフェース。
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*3開発や製造の各段階で、作業を次のチームに正式に引き継ぐプロセス。
TechInsights社 Vice Chair G. Dan Hutcheson氏 コメント:
設計エンジニアにとって、R&Dレベルでの生産性向上は極めて重要です。アドバンテストの自動化されたシリコンバリデーション手法により、共通のテストデータを用いてサインオフとテストエンジニアリングを並行して同時に進めることが可能になります。これにより、SoC設計の立ち上げを迅速化することで時間を短縮するとともに、設計からシステムレベルに至るまで一貫した品質の確保に貢献します。
当社 経営執行役員 Juergen Serrer(CTO & Test System Business Group リーダー、SoCテスト事業本部長)コメント:
SiConic TEは、SiConicのビジョンをさらに広げ、テストエンジニアがベンチ上で効率的に作業できる統一環境を提供します。テストの初期立ち上げから検証までをスケーラブルなベンチ環境に移行するとともに、DV、DFT、SV、TEの各分野が連携できる仕組みを整えることで、よりスピーディな検証、スマートなコラボレーション、そしてエンジニアリソースの最大限の活用を支援します。
<EDAパートナーからのコメント>
Siemens Digital Industries Software社:Ankur Gupta氏(Senior Vice President and General Manager, Digital Design Creation Platform, Siemens EDA)
Siemens EDAとアドバンテストは、Tessent Streaming Scan Network(SSN)やIJTAGを含む数多くのDFT技術において、長年にわたり協力関係を築いてきました。SiConicおよびTessent In-System Testにおける今回の連携は、両社の長期的なパートナーシップをさらに強化し、ユーザーの市場投入スピードと生産性向上に貢献します。
Synopsys社:Tom De Schutter氏(Senior Vice President of product management)
チップの規模と複雑さが増す中、検証サイクルをより早い段階にシフトし、より高品質なシリコンを実現するために、新たな検証アプローチが求められています。アドバンテストとの連携を通して、SiConicとSynopsysのHAPS-100プラットフォームやVC Portable Stimulus、TestMAX SF/SEQ、SLM HSAT IPソリューションを組み合わせることで、高速インターフェースのドライバ開発や、SERDESの検証、ストラクチュラル/ファンクショナルテストが可能になります。
なお、当社は、2025年5月12日~14日に米国テキサス州オースティンで開催されるユーザーグループ会議「VOICE 2025」にて、SiConicを詳しくご紹介いたします。
アドバンテストについて
アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。
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