アドバンテストが最先端半導体向けマスク用CD-SEM「E3660」を発売

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2nmノード対応、高速かつ高精度な測長で最先端マスク開発を支援

株式会社アドバンテストは、最先端半導体の製造に不可欠なフォトマスクおよびEUVマスクのパターン寸法測定用CD-SEM*1E3660」の販売を開始しました。従来機である「E3650」と比べて測長再現性を20%以上向上させたE3660は、2nmノード以降のマスク製造に求められる厳しい測定要求にも対応することが可能です。

E3660は、最先端デバイス製造におけるリソグラフィ工程をサポートすることで、当社が目指している、半導体バリューチェーン全体を包括的にカバーするテストソリューションの実現に貢献します。

E3660
E3660 筐体

昨今の最先端半導体デバイスは微細化・複雑化が進展していることから、リソグラフィ工程では、多重露光によりパターン転写が難しいポイント(Hotspot)が急増しています。ウェーハ上に回路を形成するために使用されるマスクにおいても、使用枚数の増加やパターン形状の高度化が進んでいます。そのため、マスクの品質保証に求められる測定ポイント数も飛躍的に増加しており、より高速かつ高精度で、再現性の高い測定技術が必要とされています。

また、Multi Beam Mask Writerの導入やハイ・パフォーマンス・コンピューティング技術の進展により曲線パターンの適用が可能になり、2027年頃からはHighNA*2 EUV リソグラフィによるデバイス生産で本格的に多用されることが見込まれています。さらに、従来のCD測定機能に加え、曲率を考慮した新たな測定手法の導入も進んでいることから、マスク上のパターンと設計データとの微細な差異を正確に把握することがこれまで以上に重要となっており、CD-SEMにはより忠実なSEM画像の生成が強く求められています。

当社は、ナノエレクトロニクスおよびデジタル技術の分野で世界をリードする研究機関、imec と協力し、現行機種 CD-SEM「E3650」を用いて、当社従来機種や EDA ツールの測定結果との相関性を検証し、製品の信頼性向上に努めてきました。

また、曲線パターンの多用化に対応する測定機能の開発および評価もimecと共に推進しています。E3660は、2nmノード以降に求められる測長再現性を実現するとともに、測定ポイントの増加に対応した高速測定を可能にし、曲率を有するパターンに対して独自の測定ソリューションを提供できる機能を搭載しています。これらの測定機能にはimecとの協力成果が反映されており、今後の最先端マスク開発をサポートする環境に対する親和性が期待されます。

当社は、今後E3660を最先端マスクの開発、製造用評価装置としてMerchant Mask Shop*3およびCaptive Mask Shop*4を中心に本格的に販売を展開してまいります。

  • *1
    Critical Dimension Scanning Electron Microscope (半導体ウェーハやマスク上の微細パターン寸法を高精度に測定するための電子顕微鏡)
  • *2
    High Numerical Aperture (高開口数:より微細なパターン形成を可能にする次世代光リソグラフィ技術)
  • *3
    外部顧客向けにマスクを製造する商業マスクメーカー
  • *4
    半導体メーカーの社内専用マスク製造部門

アドバンテストについて

アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。

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