NVIDIA社の先進的な機械学習(ML)技術とACS RTDIを融合
株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 代表取締役 Group CEO:Douglas Lefever)の米国地域統括会社 Advantest America, Inc.(以下「当社」)は、テスト工程で得られるデータをリアルタイムに解析し、テストプロセスの最適化を行うAI技術の活用により、半導体テストの進化を加速させる新たな取り組みを発表しました。
当社のACS リアルタイム・データ・インフラストラクチャー(ACS RTDI™)と、NVIDIA Corporation(以下「NVIDIA社」)の先進的な機械学習(ML)を組み合わせることで、従来のテストワークフローから、柔軟に対応できるAI主導型のテストシステムへの転換を推進します。このたび、NVIDIA社は、最新のBlackwellおよび次世代デバイスの量産にACS RTDI™を採用しました。これによりテスト工程における効率性の飛躍的向上、コスト削減、そして歩留まりの改善が期待されています。
テストを「知能」へと変える
半導体製造において、テストは長年にわたり、すべてのデバイスが厳格な品質と性能基準を満たすことを保証する基盤です。従来のテスト工程では、データ収集や故障解析、テスト適用のサイクルに何週間も要していましたが、ACS RTDI™は、こうしたテストを「検証」から「予測」へと進化させ、半導体生産をAI主導の柔軟に適応するプロセスへと変革します。
NVIDIA社のAI推論技術と統合されたACS RTDI™は、半導体テストにリアルタイムの「知能」をもたらす可能性を備えています。Blackwell や次世代デバイスでは、各テスト工程にまたがる膨大なデータをACSのData-Feed-Forward機能を介してリアルタイムに取り込み、GPUによる高速処理によりテスト中のチップ(DUT)毎にテスト条件/項目を最適化できます。
この拡張性の高いGPUアーキテクチャは、複数のMLモデルを同時に学習させながら常時稼働を可能にし、歩留まりの改善や最適化されたテストカバレッジ、そしてデータ処理の遅延・消費電力・コストの大幅削減を実現します。
AIを生産現場に拡大
ACS RTDI™は、世界各地の量産現場でその堅牢性を示しており、幅広いアプリケーション用途でAI/MLによるテスト自動化を支えています。また、必要なデータの準備・アルゴリズム・意思決定を分離した柔軟なアーキテクチャにより、生産ニーズの変化に応じて迅速に適応できる環境を提供します。
当社 ACS担当 Vice president Michael Chang コメント:
NVIDIA社のAI推論を量産工程に組み込むことで、ACSソリューションが持つ革新性が示され、今後さらなる変革的な可能性が期待できます。当社は今後もコンピューティングとデータの融合を加速することで、柔軟性、拡張性、インテリジェンス主導型の半導体テストの新時代への道を切り拓いていきます。
AI主導型テスト環境の未来を構築
当社は今後、ACSのデータ・アナリティクス・ソリューションにNVIDIA社の NVIDIA NeMo および NVIDIA NIM Microservices を取り入れることを計画しています。これらの技術は、異なる種類の生産データを整理し、AIモデルを評価し、さらには生成AIアプリケーションをテスト環境内で直接実行可能なAIエージェントを展開します。
こうした統合を通じて、当社は半導体業界における次なるイノベーションの波を牽引します。AI技術はデバイスの開発プロセスを加速するだけでなく、そのデバイスの検証、テスト工程を含めた市場投入までのプロセス全体を変革する原動力となります。
当社は今後もAI技術をコアとしたテスト環境の構築により、お客様の半導体の品質と生産性のさらなる向上を目指してまいります。
アドバンテストについて
アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューション・カンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。
-
※本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過またはさまざまな事象により予告無く変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。