先進的なテスト機能と高いスループットにより、次世代ディスプレイ製品の品質と生産性向上を実現
ディスプレイ・ドライバIC(以下DDI)は、スマートフォンやテレビなど、さまざまな電気製品に使用されるディスプレイの動作を制御するICです。近年、ディスプレイの高解像度化や要求機能の増加により、DDIには高性能化と機能統合が求められています。こうした進化に伴い、テストは複雑化し、新たな課題が生じています。さらに、価格競争の激化により、テスト効率の向上も不可欠となっています。
T6391は、世界各地に3,700台以上のインストール・ベースを有する、DDIテストの業界標準機である「T6300シリーズ」の最新機種です。多ピン化、データの高速化、多機能化といった次世代DDIの技術トレンドに応え、TDL言語など従来同様の使用環境を継承しつつ、データ処理および伝送速度を大幅に向上させています。これにより、テスト効率がさらに高まります。
幅広い用途と高い拡張性
T6391は、アナログ、メモリ、ロジック回路など多ピンかつ高速インターフェースを持つあらゆるアプリケーションに幅広く対応します。また、柔軟なモジュール・アーキテクチャにより、エンジニアリングから量産テストまでをカバーするソリューションです。モバイル向けTDDIやAR/VR向けの高精度・小振幅DDI、高速DDIなど、現行および次世代製品に必要な幅広いDDIに対応します。アドバンテストのT6300シリーズと同じテストプログラミング環境を使用しておりますので、既存資産を活用できます。
高い運用効率とスループット
最大3,584チャンネルのLCDテストが可能で、最適なマルチサイトテストを実現し、多様なDDIの量産に対応します。また、進化したCPU、アーキテクチャにより高スループットを実現し、コンカレントテスト(同時テスト)で複数機能を同時に動作させることができます。これによりDDICのテスト時間とコストを削減し、高い運用効率とコストパフォーマンスを両立しています。
最先端デバイスへの対応
モバイルやAR/VR機器では、高解像度・低消費電力化により、より細かく精密な電圧制御が求められます。T6391はマイクロボルト単位の高精度グレースケールテストモードを新たに搭載しました。同時に、高解像度や高速リフレッシュレートにより高速化するP2PやMIPI、eDPなどの高速インターフェースにも対応し、最先端デバイスに包括的なテストソリューションを提供します。
主な仕様
| 対象デバイス | LCD・OLEDディスプレイ用のDDIおよびTDDI全般 |
|---|---|
| LCD測定 | 最大3,584 チャンネル、各ピンDGT対応、高精度DGTモード対応 |
| Digital I/O | 最大1,024チャンネル、1.6Gbps |
| 高速インターフェース | MIPI C-Phy最大4Gsps、MIPI D-Phy・P2P・eDP対応 |