サステナビリティ方針・体制

アドバンテストのサステナビリティジャーニー

基本的な考え方

企業は社会の発展や人々の生活を豊かにすることに貢献し続けることによってのみ存続し、成長することが可能です。したがって、社会や地球環境の持続可能性を高める経営を行わない限り、企業自身の持続的発展もあり得ません。

アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」を経営理念としています。すなわち、世界中の顧客にご満足いただける製品やサービスを提供するために、たえず自己研鑽に励み、先端のエレクトロニクス技術の開発を当社グループの測定技術で支えることによって社会の発展に一貫して貢献してきました。

アドバンテストは、事業活動を通じて「安全・安心・心地よい」サステナブルな社会の実現に貢献することにより、中長期的な企業価値向上を目指すことを経営の目標としています。自社の事業を持続的に発展させるためには、地球環境を含む社会全体、顧客、株主、従業員、取引先などすべてのステークホルダーと良好な関係を構築すること、またその関係をバランスよく発展させることが重要と考えており、その結果として企業価値が向上し、ステークホルダー価値も高まるものと考えます。

この考えに基づき、アドバンテストは、中長期経営方針「グランドデザイン」にて、「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ」をビジョン・ステートメントとしています。

半導体とサステナビリティ

アドバンテストは、半導体がサステナブルな社会を支えると考えています。

現在の当社グループにおけるほぼ全ての事業は半導体と関連するものとなっていますが、各産業の今後の発展や、よりサステナブルな未来社会の実現には、半導体は必要不可欠な存在となっています。

半導体はパソコンやスマートフォンだけでなく、家電や自動車、産業機器などのキーパーツとして社会の隅々にまで浸透しています。あらゆるものがインターネットにつながり、ネットワークに接続される電子機器の増加とともに世界のデータ量も年々増加しています。

一方で、環境負荷低減への要求は半導体にも影響を与えています。半導体の小型化・高性能化と省エネルギー化が進むことで消費電力の伸びは抑制されています。また、パワー半導体の性能向上や普及も目覚ましいものがあります。より高性能な半導体を半導体メーカーが提供できるよう、アドバンテストはテスト・ソリューションを提供する役割を担っており、それが世の中の省エネに直結する関係があります。

世の中のデジタル・トランスフォーメーション(DX)とグリーン・トランスフォーメーション(GX)の2軸によって導かれる半導体の進化に対して、顧客が抱える課題(高度な品質・性能保証、最短期間での垂直量産立ち上げ)に応え続けることがアドバンテストの使命です。その使命の遂行にあたっては、すべての役員および従業員が「The Advantest Way」を理解し、あらゆるステークホルダーの尊重と持続可能な社会の実現を目指すと同時に、当社の持続的な発展と中長期的な企業価値の向上に努めます。

詳細は「イノベーションへの取り組み」を参照ください。

半導体テストがもたらす「安全・安心・心地よい」

アドバンテストは テスト・ソリューションの提供を通じ 顧客のイノベーションをサポートします。半導体メーカーはより高性能な半導体の開発・生産が可能になります。そして先進的な半導体が用いられた最終製品が普及します。こうして当社は安全・安心・心地よい社会の実現に貢献します。

サステナビリティへのアプローチ

サステナビリティ課題の解決と中長期的な企業価値向上のためには、経営理念に基づく経営の徹底が必要と考え、中長期経営方針「グランドデザイン」や中期経営計画を定めています。また、「The Advantest Way」の役員および従業員への浸透に注力しています。

「The Advantest Way」は、異なる文化・言語・習慣・価値観を持ったアドバンテストグループの仲間を1つのチームに束ね、最大のパフォーマンスを発揮するための企業理念の体系です。「経営理念」「ビジョン・ステートメント」「コア・バリュー」では、社会発展への貢献と中長期的な企業価値向上に向けて当社グループがどうありたいか、なにをなすべきかを規定しています。「サステナビリティ基本方針」「行動指針」「行動基準」は、上記3つの実践にあたって望まれるステークホルダーとの関係性や、業務遂行にあたり役員や従業員に求める価値観やふるまいなどを定めています。

当社の目指す姿、ありたい姿を支える3つの基盤の1つが「サステナビリティ基本方針」です。アドバンテストは、当社グループの社会的貢献拡大とステークホルダーへの提供価値のさらなる創造を図るという観点のもと、「The Advantest Way」の構成要素としてサステナビリティ基本方針を策定し、これを基盤にサステナブル経営の推進に努めています。更には、顧客価値向上など事業上の価値創造に関わる課題、人的資本高度化など事業基盤の強化に関わる課題、経営執行体制の見直しなど経営基盤強化に関わる課題、社会・環境面における規制やリスク対応に関する課題、サステナビリティに関する国際開示基準の動向などから、ステークホルダーと自社の双方の観点から今後重要と認識した課題を抽出し、これを中期経営計画の下位計画となる「サステナビリティ行動計画」として整理しています。サステナビリティに関する新たな中期的な行動計画の策定にあたっては、グランドデザインおよび第3期中期経営計画(MTP3)と連動した取り組みとなるよう、取り組むべきテーマをステークホルダーへの提供価値拡大という観点に基づくものへ全面的に再編するとともに、それら各テーマに対する中期目標を新たに設定しました。またこの機に併せ、計画名称を今後の取り組み内容と範囲により即したものへ変更しました。

アドバンテストはサステナビリティ基本方針に基づきサステナビリティジャーニーを続けていきます。

The Advantest Way 経営理念  我々は何のために存在しているのか? 先端技術を先端で支える 私たちは世界の顧客にご満足いただける製品・サービスを提供するために、たえず自己研鑽に励み、最先端の技術開発を通して社会の発展に貢献していきます。 ビジョン・ステートメント 我々は将来どうなりたいのか? 半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ コア・バリュー  我々が大事に思うもの 。「INTEGRITY」とは、真摯、誠実、高潔を表す言葉です。 その3つの基盤を支えるものの1つが「サステナビリティ基本方針」です。アドバンテストは、社会と企業双方のサステナビリティ実現のためにサステナビリティ推進基本方針を制定し、実行するための「サステナビリティ行動計画」を策定しています。

推進体制

アドバンテストは、「サステナビリティ基本方針」に基づき、 Group CEOを含めた各CxOを個々の課題ごとの責任者に設定しながら全体の活動を推進しています。さらに、「サステナビリティ行動計画」を各ユニット単位での毎年の具体的な事業計画へ落とし込むことで、全体の取り組みを着実に進捗させるよう努めています。

また、サステナビリティに関する取り組みをグループ全体で機動的に推進していくために、当社グループは、経営会議直結の組織である「サステナブル経営推進ワーキンググループ (SMWG)」を2020年度より設置しています。この組織は、すべてのビジネス・ユニット、ファンクショナル・ユニット、リージョナル・ユニットのリーダーで構成される全社委員会であり、その統括リーダーはGroup CEOが務めています。この委員会において、各ユニットにおけるESG課題の重要性分析等をもとに、全社横断的に対処すべきサステナビリティ課題についてのアップデートや議論を定期的に行うことで、サステナブル経営のさらなる推進と深化を図っています。

当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みは、その全体の進捗状況が定期的に経営会議に報告され、必要に応じて是正策の検討がなされます。

サステナビリティ推進体制図 経営会議の下にサステナブル推進ワーキンググループを設置、統括リーダーはGroup CEO。 ワーキンググループの下に経営執行役員によるグローバルリードを設置。環境はCSO、 社会はCHO、ガバナンスはGroup COOがそれぞれ戦略を担います。

報告と情報開示

アドバンテストにおけるサステナビリティに関する取り組みは、案件の重要性に応じて個別に取締役会への報告や監督を受けるなど、取締役会の関与のもとで推進されています。2024年度からスタートする第3期中期経営計画(MTP3)と同期して策定された「サステナビリティ行動計画2024-2026」においても、その内容および目標に対し、経営会議で審議・決定の上、取締役会に報告されました。

当社グループが重要と認識するサステナビリティ領域・課題、およびそれらの指標や目標については、統合報告書やサステナビリティ・レポート等を通じ、ステークホルダーに対し適時適切な情報開示となるよう努めています。その一環として、主要な指標に関しては第三者による保証を取得しています。

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