サプライチェーン排出量への取り組み

気候変動への対応は、個社の努力のみでは効果が限定的であり、サプライチェーンや業界団体を巻き込んだ活動が求められます。アドバンテストグループは、CO2排出削減目標の達成に向けて、サプライチェーンを通じた中長期的な環境負荷低減に積極的に取り組みます。

サプライチェーン全体における排出

サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量

サプライチェーン排出量削減活動を推進するためのタスクフォース

当社のサプライチェーン全体では、Scope3「カテゴリー1:購入した製品・ サービス」、「カテゴリー11:販売した製品の使用」におけるCO2排出量が多くを占めています。ESG行動計画 2021-2023内の環境目標において、Scope1+2のCO2排出量削減に加えて、カテゴリー1と11のCO2排出量削減を重点項目としています。重点項目の対策として2021年度よりこれらCO2削減活動を推進するためのタスクフォースを立ち上げました。Scope1+2,3のSBTi認定目標を達成するため、サプライチェーン全体でのCO2削減活動を加速しています。

(1)タスクフォース1:製品開発におけるCO2削減活動(Scope3 カテゴリー11)

ESG行動計画2021-2023

重点テーマ 目標 KPI   2021 2022 2023 2030
バリューチェーン
(Scope3)
1テスト当たりのCO2換算排出量(原単位)を2030年までに50%削減する 原単位削減率(2018年度比) 目標値 原単位算出定義決定 20% 50%
結果 原単位算出定義決定 原単位算出定義決定済
NA NA

タスクフォース1では、グローバルの開発部門と連携し、 低消費電力、高効率の次世代製品開発によるCO2排出の削減を推進します。具体的には主要製品の使用段階での1テスト(原単位)あたりのCO2排出量を2030年度までに50%削減することを目指します。当社のScope3「カテゴリー11: 販売した製品の使用」のCO2排出量は最も多く、バリューチェーン全体の65%を占めます。このCO2排出量を下げていくことは、当社のバリューチェーン全体でCO2排出量の削減に重要です。販売した製品の使用にともなうCO2排出量は、製品の売上高など市場の変動が大きく影響します。 そのため中長期的な事業計画と連動した原単位削減の目標設定、毎年の見直しを行い、製品を通じたCO2削減に貢献していきます。

(2)タスクフォース2:取引先との協働による取り組み(Scope3 カテゴリー1)

ESG行動計画2021-2023

重点テーマ 目標 KPI   2021 2022 2023 2030
バリューチェーン
(Scope3)
部品調達先、生産委託先の再生可能エネルギー利用を推進する 再エネを導入したサプライヤーの数 目標値 10 20 40 TBD
結果 12 22 NA NA

タスクフォース2では調達部門と連携し、サプライヤーの再生可能エネルギー利用促進によるCO2排出の削減を推進します。具体的には2023年度までに再生可能エネルギーを導入したサプライヤー数を40社にすることを目指します。当社は主要なサプライヤーを対象に「サプライチェーンCSR調査」を年1回実施しています。2021年度から再生可能エネルギーの導入状況および温室効果ガス排出量の実績調査を追加し、サプライヤーの気候変動への取り組みに対する調査を充実しました。本調査により、サプライヤーの再生可能エネルギーの導入状況を把握するとともに、調査結果の分析・評価に基づいた個別のフィードバックや気候変動基礎セミナーを開催しました。これらの活動を通じて、温室効果ガス排出量削減の必要性・重要性の理解を得ることにより、サプライヤーの再生可能エネルギー利用を促進し、サプライチェーン全体のCO2削減に貢献します。

(3)タスクフォース3:顧客との協働によるCO2削減活動

タスクフォース3では営業部門と連携し、顧客との協働によるCO2排出の削減を推進します。当社は主要な顧客を対象にアンケートを実施し、サプライヤーに対する要望や期待と、顧客が掲げる気候変動に対する方針・目標を調査しました。サプライヤーに対する要望や期待を踏まえて、当社が果たすべき役割や、当社の戦略に取り込むべき課題に落とし込み、ESG活動に反映していきます。また、顧客が掲げる気候変動に対する方針・目標を理解し、サプライチェーンの一員として、顧客との協働によるCO2削減に貢献します。

CO2排出量割合

(4)タスクフォース4:事業活動によるGHG排出量の削減(Scope1+2)

ESG行動計画2021-2023

重点テーマ 目標 KPI   2021 2022 2023 2030
気候変動
(Scope1+2)
事業活動によるGHG排出量を2030年までに60%削減する(2018年度比) GHG排出量削減率 目標値 35% 38% 40% 60%
結果 34% 46% NA NA
再生可能エネルギー導入率を全社で2030年までに70%とする 再生可能エネルギー導入率 目標値 50% 53% 55% 70%
結果 54% 63% NA NA

タスクフォース4では省エネルギー設備、再生可能エネルギー導入などにより、アドバンテストグループの事業活動上で排出されるCO2排出量を2030年度までに60%削減 (2018年度比)すること、および再生可能エネルギー導入率を2030年度までに70%にすることを目指します。2022年度は新たに中国、台湾の拠点、および日本の本社、仙台研究所、アドバンテストコンポーネントにおいて、再生可能エネルギーの導入を開始しました。引き続き、事業活動によるGHG排出量削減および再生可能エネルギー導入促進により、自社の活動で発生するCO2削減に貢献します。

CO2排出量と削減率の推移(Scope1+2)

再生可能エネルギー量と再生可能エネルギー導入率の推移

国内拠点における気候変動への取り組み

2021年4月より群馬工場の電力を再エネ由来100%に切り替え

2021年より群馬工場では使用する電力量の100%を再生可能エネルギー由来の電力でまかなっています。この再生可能エネルギーは、群馬県が保有する水力発電所を電源とする、CO2フリーかつ地産地消の電力です。電気料金の環境付加価値分(上乗せ分) は群馬県による未来創生に関わる取り組みに活用されます。

海外拠点における気候変動への取り組み

再生可能エネルギー活用100%の事業所

グリーン電力証書
(アメリカ)

2012年よりAdvantest America, Inc.(AAI)では、再生可能エネルギーを導入しています。風力発電によるグリーン電力証書を購入し、事業所で使用する電力量の100%を再生可能エネルギーでまかなっています。またAAIは、2012年より米国環境保護庁(EPA)の「グリーン電力パートナーシップ」(EPAが推進する再生可能エネルギー購入の取り組み)に加盟し、継続してグリーン電力の普及拡大に貢献しています。

グリーン電力証書
(ドイツ)

2019年よりAdvantest Europe GmbH(AEG)では、再生可能エネルギーを導入しています。太陽光発電等による再生可能エネルギーを導入し、事業所で使用する電力量の100%を再生可能エネルギーでまかなっています。

グリーン電力証書
(中国)

2022年よりAdvantest (China) Co., Ltd.(ATC)では、再生可能エネルギーを導入しています。太陽光発電によるグリーン電力証書を購入し、事業所で使用する電力量の100%を再生可能エネルギーでまかなっています。