雇用と多様性

人事基本理念

アドバンテストは、会社の財産である従業員を尊重し、公正に処遇します。また、従業員の多様なライフスタイルと個々の成長を支援し、従業員が会社とともに成長できるように心がけています。さらに、その大切な財産を守り、価値をより高めるために、2000年9月、「人事基本理念」を定め、公平性と納得性への配慮、人財開発の積極的支援など、さまざまな人事施策に取り組んでいます。

また、当社は国連グローバル・コンパクトの10原則、世界人権宣言およびビジネスと人権に関する指導原則を支持し、人権、労働の各原則に十分配慮しながら事業活動を行っています。

アドバンテスト人事基本理念

アドバンテストは、社員がかけがえのない経営資源(財産)であることに鑑み、人事に関する諸施策を貫く理念として以下を策定し、その実現に向け常に努力します。

  1. 成果重視

    チャレンジ精神の発揚により、困難を乗り越え革新的な成果を出した社員が評価され、正当に処遇される人事制度を推進します。

  2. 公平性と納得性への配慮

    あらゆる施策や制度が客観的に公平で、高い納得性が得られるよう、それにより最大、最適な効果が得られるよう常に配慮します。

  3. 人財開発の積極的支援

    たゆまぬ努力をもって自己研鑚に励み、高度な専門知識や幅広い教養を身につけようとする社員を積極的に支援します。

ダイバーシティマネジメント

会社の持続的な成長のためには、多様な従業員一人ひとりの活躍が不可欠です。そのため、アドバンテストではコア・バリューの一つとして「INCLUSION AND DIVERSITY」を掲げ、誰もが働きやすい職場環境をつくり、プライベートと仕事を両立しながら能力を最大限に発揮し続けられる働き方を浸透させていくことが重要だと考えています。その考えのもと、アドバンテストで働く一人ひとりが個性や能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍し続けられる職場づくりや企業風土の形成に積極的に取り組んでいます。

雇用の状況

アドバンテストグループは、従業員一人ひとりの人権を尊重し、人種・性別・年齢・国籍・宗教・社会的出自・身体的障がい・疾病・性的指向などによる差別を排除することを、基本方針で約束しています。また、採用や人事処遇においても、差別を排除し、グローバルに活躍できる人財の採用、育成、登用に力を入れています。

従業員数の推移は以下のとおりです。

雇用状況

地域別従業員数
  2019年度 2020年度 2021年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率
国内 日本 2,146 466 2,612 2,213 490 2,703 2,220 504 2,724 18.5% 42.1%
海外 アジア 836 273 1,109 905 290 1,195 959 321 1,280 25.1% 19.8%
ヨーロッパ 676 143 819 720 153 873 763 157 920 17.1% 14.2%
北米 764 199 963 756 229 985 1,178 362 1,540 23.5% 23.8%
海外計 2,276 615 2,891 2,381 672 3,053 2,900 840 3,740 22.5% 57.9%
合計 4,422 1,081 5,503 4,594 1,162 5,756 5,120 1,344 6,464 20.8%  

*集計範囲:アドバンテストグループ

地域別管理職数
  2019年度 2020年度 2021年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率 うち現地
採用数
現地採用者
からの登用率
国内 日本 483 13 496 486 15 501 465 18 483 3.7% 38.0% 483 100.0%
海外 アジア 218 40 258 226 43 269 225 45 270 16.7% 21.2% 257 95.2%
ヨーロッパ 183 17 200 200 19 219 214 23 237 9.7% 18.6% 232 97.9%
北米 204 21 225 198 24 222 246 36 282 12.8% 22.2% 276 97.9%
海外計 605 78 683 624 86 710 685 104 789 13.2% 62.0% 765 97.0%
合計 1,088 91 1,179 1,110 101 1,211 1,150 122 1,272 9.6%   1,248 98.1%

*集計範囲:アドバンテストグループ

*管理職の定義:10段階の資格制度におけるLevel7以上。10段階の資格制度のうち、ジョブレベル1から6を一般社員層に、ジョブレベル7から10を管理職層に適用しています。

雇用形態別従業員数
  2019年度 2020年度 2021年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計
正社員 4,108 940 5,048 4,242 1,019 5,261 4,739 1,202 5,941
非正規社員 314 141 455 352 143 495 381 142 523
合計 4,422 1,081 5,503 4,594 1,162 5,756 5,120 1,344 6,464

*集計範囲:アドバンテストグループ

年齢別社員数
  2019年度 2020年度 2021年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計
30歳未満 380 156 536 443 156 599 627 215 842
30~40歳未満 752 225 977 793 258 1,051 969 291 1,260
40~50歳未満 1,394 318 1,712 1,347 334 1,681 1,328 356 1,684
50~60歳未満 1,355 208 1,563 1,415 228 1,643 1,519 289 1,808
60歳以上 227 33 260 244 43 287 296 51 347
合計 4,108 940 5,048 4,242 1,019 5,261 4,739 1,202 5,941

*集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)

新規採用数
  2019年度 2020年度 2021年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率
国内 日本 43 14 57 41 15 56 49 18 67 26.9% 6.2%
海外 アジア 97 47 144 110 30 140 147 45 192 23.4% 17.7%
ヨーロッパ 62 18 80 58 17 75 67 12 79 15.2% 7.3%
北米 223 84 307 77 33 110 563 181 744 24.3% 68.8%
海外計 382 149 531 245 80 325 777 238 1,015 23.4% 93.8%
合計 425 163 588 286 95 381 826 256 1,082 23.7%  

*集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)

離職者数
  2019年度 2020年度 2021年度
男性 女性 合計 男性 女性 合計 男性 女性 合計 女性比率 地域別比率
国内 日本 32 12 44 13 2 15 21 4 25 16.0% 7.3%
海外 アジア 34 11 45 37 16 53 89 15 104 14.4% 30.2%
ヨーロッパ 18 1 19 9 4 13 17 6 23 26.1% 6.7%
北米 29 8 37 84 9 93 144 48 192 25.0% 55.8%
海外計 81 20 101 130 29 159 250 69 319 21.6% 92.7%
合計 113 32 145 143 31 174 271 73 344 21.2%  
退職率 2.95% 3.99% 3.13% 3.48% 3.30% 3.45% 6.39% 7.16% 6.54%    

*集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)

*月末日の離職者について、当月の離職者数に含める方法から、翌月の離職者数に含める方法に、2019年12月から変更しました。

グローバル人財の採用・活用

アドバンテストでは近年、事業のグローバル化を背景に、異文化に対する深い理解と高いコミュニケーションスキルを持って、グローバルな舞台で業務を遂行できる人財の獲得を目指しています。また、ビジネス環境のボーダーレス化に伴い、グループ各社との人財交流を通して、人財育成、組織のグローバル化を推進するため、ワールドワイドな視点での制度構築および人財の採用、育成、配置等に力を入れています。たとえば、社員にグローバルな環境下での業務遂行を経験させるため、グループ各社との人財交流を継続的に行うこととし、双方の組織における日常業務やトレーニングを通して、それぞれの持つ技術やノウハウを共有することで、個々の社員がより高度な技術と多様なビジネス環境に適応したスキルを習得する取り組みを実施しています。

グループ各社との人財交流をしやすくするため「Global Transfer Policy」を策定し、グローバルで職種に関係なく、かつ公平に処遇できる体制をとっています。

2022年7月現在、経営幹部である執行役員24名中11名が外国籍であり、アドバンテスト単体では、10カ国の国籍の社員が働いています。今後も、優秀な人財には国籍を問わず公平にチャンスを与え、国境を越えた人財登用、交流により、グローバル人財の育成と組織のグローバル化を推進していきます。

女性社員の登用・活用

アドバンテストは、常に多様な価値観を受け入れ、人種・性別・年齢・国籍などに関係なく活躍できる企業風土づくりを推進しています。2022年3月現在で全従業員のうち女性の割合は全体の20.8%(前年度20.2%)、管理職における割合は9.6%(前年度8.3%)、アドバンテスト単体では、女性従業員割合16.5%(前年度16.3%)、女性管理職割合は3.4%(前年度2.8%)であり、いずれも前年度より改善は見られるものの、女性従業員の採用と管理職に占める女性比率のさらなる向上が課題です。

当社では、もともと男性比率が高い技術系の学生の採用が多く、従来の採用活動では女性が当社を受験するための動機付けができていませんでした。こうした状況を踏まえて、特に技術系の女性に対して当社の魅力を伝えることに注力し、女性向けのPRを強化しています。ウェブサイトや採用パンフレットでも女性社員の活躍を広く伝え、また、就職イベントでは、女性向けの制度やキャリアプランなどの説明を行い、アドバンテストの女性社員がどのように活躍しているかを紹介しています。
2021年度はSEMICON JAPANとYouTuberとの提携企画である“半導体業界の若手社員による座談会”に参加し、技術系の女性社員にエピソードを披露してもらいました。女性社員がリアルなエピソードを語るこの動画を見ていただくことで、特に女性の若年層に対しアドバンテストを始めとする半導体装置材料業界への興味のきっかけづくりを行いました。

アドバンテスト単体においては、2018年度から女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画で管理職に占める女性割合を産業ごとの平均値以上とする数値目標をかかげ、目標達成に向けた取り組みを推進しています。2020年11月には、女性活躍推進法に基づく「えるぼし 認定段階2(2つ星)」を取得しました。女性社員には様々なライフステージの変化があることを踏まえ、個々人の状況に応じて柔軟な働き方ができるよう家庭と仕事の両立支援制度に力を入れています。女性社員が長く働き続けられる環境整備を進めることで、女性社員の活躍の機会を後押ししています。

当社は、今後も継続して女性比率を上げる取り組みと長く働き続けられる制度の両輪を進めることで、女性管理職比率の向上にもつなげていきたいと考えています。

シニア人財の積極活用(国内)

アドバンテストは、シニア人財の活用の観点から60歳定年後の再雇用制度を導入していますが、2013年4月の高年齢者雇用安定法の改正や国の年金支給開始年齢の引き上げなどに伴い、再雇用制度を改定しました。シニア人財の雇用の安定を図るとともに、定年前の経験や配属を考慮した処遇、配属を行うことで、ベテラン社員のスキルやノウハウを積極的に活用しています。また、一人ひとりの成果が評価として賃金に反映されるしくみを設け、モチベーションを喚起することにより、賃金に見合う成果を期待しています。また、2018年度には本人の希望により短時間勤務および短日勤務制度を導入し、就業日以外の副業・兼業を行えるよう制度を整備しました。

2021年度に新たに再雇用制度を利用開始した74名のうち、短時間勤務を2名、短日勤務を8名、それぞれ利用しています。この制度の導入により、シニア人財は個々のライフスタイルに応じてフレキシブルに勤務することが可能となり、さらなるワークライフ・バランスの実現につながっていくと考えます。

再雇用制度利用者推移

*集計範囲:アドバンテスト単体
新たに再雇用制度を利用開始した方の人数を集計しています。
(前年からの継続利用の方は含めず)

障がい者の雇用

アドバンテストは、障がいのある方の雇用推進を目的とし、特例子会社アドバンテストグリーンを2004年9月に設立しました。同社は設立以来、「『個人の自立・社会の成長』を地域と共に」をスローガンに、障がい者の雇用促進と就労安定に努めています。

事業内容は主に、造園・清掃・正門受付・配送・パンの製造販売・リサイクル促進など、従業員が気持ちよく働ける職場環境を提供することです。地域社会や関係機関と連携しながら、障がいのあるなしに関わらず、共に働ける職場環境づくりに積極的に取り組んでいます。

また、海外グループ会社においても13名の障がい者が就労しており、意欲高く業務に取り組んでいます。

2021年6月現在、アドバンテストの障がい者雇用率は、2.83%と法定雇用率を上回る状況ですが、今後の法定雇用率見直しも念頭に積極的に雇用を促進していきます。

新規雇用への取り組み

作業⼿順の標準化や作業の可視化を推進するなど、障がいがあっても⼗分に仕事ができる環境整備を⾏なっています。様々な障がいをもった⽅が活躍できる職場であることを、特別⽀援学校等に紹介し、実習生や見学会の希望なども積極的に受入れるなど雇用につなげています。

リサイクル事業として、棄却文書などの使用済みの紙から新たな紙を生産できる製紙機を導入し、再生紙によるコピー用紙や名刺、カレンダー等を作成し提供する事業を立ち上げました。雇⽤促進と環境貢献につながる取り組みを推進しています。
製紙機によるリサイクルの詳細については、環境ページの「資源循環」から参照ください。

働きがいへの取り組み

障がいのある社員の「やりがい」や「働きがい」などのモチベーションを向上させる目標制度や表彰制度、他者評価を取り入れた「月間MVP制度」を実施するなど、お互いを尊重して思いやる風土を醸成しています。

さらに各々の障がいに応じた職場⽀援をするため、職場適⽤援助者(ジョブコーチ)や障害者職業⽣活相談員、キャリアコンサルタントなどの有資格者を配置するとともに、家族や支援機関会社との定期的な4者⾯談を実施するなど、課題の情報共有と問題の早期発⾒に努めています。

2021年度には、以上のような取り組みや長年にわたって積み重ねてきた従業員の努力が埼玉県より評価され、アドバンテストグリーンの従業員2名が優秀勤労障害者として「埼玉県雇用開発協会会長表彰」を受賞しました。

障がい者雇用率の推移

*集計範囲:アドバンテスト単体+アドバンファシリティズ+アドバンテストグリーン