公正な評価・処遇

業績評価やキャリア開発に関しては、グローバル共通の制度となっています。期初に立てた目標に対し、期中に上司と適宜コミュニケーションを図るとともに、年度末の考課面談を通じて行っています。この面談は、正社員だけでなく、一部の契約・嘱託社員にも実施しています。

ARMS人事制度

アドバンテストは、海外売上高比率が90%以上、全従業員のうち6割以上が海外関係会社の従業員で占めており、 グローバルカンパニーとして事業を推進しています。この体制を踏まえ、当社は2012年4月、世界の複数拠点による協業や人事交流・異動などを円滑に進めていくためのグローバルに統一された人事制度、「ARMS (Advantest Resource Management System)」を導入しました。

グローバル人事制度

「ARMS」では、これまで各国の事業会社が独自に定めていた資格制度を廃して、新たに世界共通の10段階の資格制度を整備しました。この制度では、ジョブレベル1から6までを一般社員層に、ジョブレベル7から10までを管理職層に適用しています。管理職層については、予算管理や部下の考課・労務管理などを担当するマネージャーと、業務の取りまとめや業務遂行に専念するマネージャーの2系統を制度化しました。部下をもつライン長を前者、それ以外のスペシャリストを後者に位置づけ、複線型の資格制度とし、多様な人財をマネージャーとして処遇できる体制としています。

また、基本給や賞与などの給与体系についても世界共通のルールを適用しています。例えば、従来のアドバンテストでは、賞与は所属する各国法人の業績を反映する仕組みが主でしたが、新制度では連結決算の損益を反映する仕組みに変更しました。さらに、人事考課についても2012年度から新しい制度を適用しています。これらグローバル共通の新制度によって、社員は世界のどの組織に所属していても同一基準の評価・処遇が適用されており、すべての社員が評価、育成等に関する面談を年1回以上受けています。

本グローバル人事制度導入後、日本からの海外出向者の増加や海外関係会社間の人財交流などが図られ、組織の活性化、企業業績の伸長に寄与しています。

グローバル・ジョブレベル & タイトル

一方、就業時間や在宅勤務制度の有無など詳細な労務管理については、世界各国の法令や現地の労働習慣などに応じて個別に運用していく仕組みです。

2014年度以降、グローバルな人事データベースを整備し、グローバル規模でのプロジェクトチームの組成やスムーズな人事異動などに有効活用しています。また、2015年度の人事考課よりグローバルな人事考課システムを導入し、利用を開始しました。

今後も、グローバルな人財開発システムの整備や、多様な人財の積極的な雇用・登用によるダイバーシティの推進、各国の事業戦略などに即した人財採用戦略の策定や、グループの多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に積極的に取り組んでいきます。

コア・バリュー視点を考課システムにも反映

2019年にコア・バリュー「INTEGRITY」を導入した際には人事考課制度の評価シートに加えることで、期中の行動を振り返るきっかけの1つとしています。

具体的には、"INTEGRITY"に込めた9つの価値観(Innovation/Number One/Trust/Empowerment/Global/Respect/Inclusion&Diversity/Teamwork/Yes)を評価シートの行動考課として自身の行動を項目ごとに記載できる形式としています。評価面談時に上司との対話を促し、面談後に上司がコメントを記載してフィードバックしています。

コア・バリューを研修等によって頭で理解するだけでなく、考課時に自身の行動と結びつけ振り返ることによって、従業員一人ひとりの変化を促し、課題に柔軟に対応できる組織にしていきたいと考えています。

年金制度

アドバンテスト(国内)は、退職金の制度としてポイント制を導入しています。また、退職金制度の一部として、基金型の確定給付型企業年金を導入し、一定の条件のもと退職金を年金として受け取ることができます。

2018年度に確定給付型企業年金制度の一部を確定拠出型企業年金制度に変更し、ポイント制の退職金制度とは別に、確定拠出年金制度をスタートしました。

その結果、退職金は会社支給の退職一時金と、勤続年数により年金化が可能な基金支給部分と、確定拠出年金制度の3本立てとなっています。