健康経営の推進

アドバンテストは、これまで生活習慣病予防対策や、メンタルヘルス対策、禁煙対策など、従業員の健康維持・増進に取り組んできましたが、これを一層推進するために、「健康経営」の導入を決め、2019年9月に「健康宣言」を制定しました。

健康宣⾔を制定して以来、アドバンテストおよび国内グループ会社、健康保険組合、労働組合が⼀体となり、健康診断の受診勧奨、特定保健指導実施率向上、健康ポータルサイト導⼊などに取り組むと同時に、オンラインダイエット・禁煙プログラム、健康増進アプリを利用した運動促進や健康リテラシー教育など従業員の健康に直接働きかける活動を積み重ねてきました。

ワークライフ・バランスにも積極的に取り組み、アドバンテストは2020年11月に女性活躍推進法に基づく認定マーク「えるぼし」、2021年2月に次世代育成支援対策推進法に基づく認定マーク「くるみん」を取得しました。(株)アドバンファシリティズも2022年7月に「えるぼし」を取得しました。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経営トップによる健康最優先にする旨の通知発信、テレワークの徹底など感染拡大防止への取り組みも徹底してきました。この結果、アドバンテストは経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄2022」に初めて選定されました。あわせて経済産業省より優良な健康経営を実践している法人として、健康経営優良法人の中でも上位500社のみが選ばれる「健康経営優良法人2022(大規模法人部門(ホワイト500)」に2年連続で認定されました。

健康宣言

アドバンテストの経営理念実現のために、従業員一人ひとりが心身とも健康に働くことができる職場作りに取り組み、企業市民としてサステナブルな社会の発展に貢献することを宣言します。

健康宣言に基づき、以下の3つの視点から健康経営に取り組んでいます。

推進体制

健康的な職場づくり推進企業として中国子会社が受賞

Advantest (China) Co., Ltd.(ATC)では、2019年から従業員の健康プロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトはオンラインツールで心身の健康リスクを評価し、ハイリスク群と判断された人たちに医療専門家が直接面談しケアするもので、従業員と会社が健康リスクを早期に認識し、対策につなげることを支援しています。
このプロジェクトが認められ、2020年3月、ATCは、世界的な人事コンサルティング会社マーサーの中国法人Mercer China(美世咨询公司)が開催する「2020-2021 China Healthiest Work Place(美世卓越健康雇主)」の優秀実践賞を受賞しました。

メンタルヘルス

アドバンテストでは、元気な職場をつくるのは元気な従業員という考えのもと、国内では健康管理室を中心に、「こころ」と「からだ」の両面から従業員の健康管理をサポートし、安全に気持ちよく働けるよう、職場環境を整備しています。メンタルヘルスの活動では主軸を「予防」とし、ストレスチェックは法制度化される前の2012年度から導入しています。ストレスを定量化(見える化)することで、従業員一人ひとりにストレスへの気づきを促し、セルフケアに役立てています。

2021年度のストレスチェックでは85%の回答があり、その結果ストレスが高かった個人の7.9%にこころの健康相談を案内し、うち8.2%の来談がありました。また、セルフケアの強化を図るためのセミナー(2021年度はe-learning)も開催し受講率は72.9%でした。

組織分析結果でストレス度の高い職場は、2017 年度の17.2% から4%台に減少しました(2021年度は4.7%)。2019 年度からは、対象をストレス度の高い職場の管理職にしぼり、より実践的な研修で職場環境改善に取り組み、継続的なフォローアップでストレス度改善を目指し、メンタルヘルス不調者の発症しにくい職場の形成に努めています。

また多様なストレスの中、心の健康を悪くすることがあっても、安心して休業・職場復帰できるよう、職場復帰支援として近況報告や産業医面談、復職プランの作成、復帰後のフォロー面談まで8段階のプロセスを設け、これを実行することで、本人にも職場にも過度なストレスがかからないよう対策しています。

健康相談

アドバンテストの健康管理室では、産業医、臨床心理士、保健師、看護師、産業カウンセラーが、身体的なこと、精神的なこと、さまざまな悩み事の相談に応じています。電話やメール、イントラネットから相談を申し込めるので、気軽に利用できます。2021年度は、のべ人数で800件の相談がありました。

健康診断と健康指導

アドバンテストおよび国内グループ会社では従業員の健康保持・増進のために、会社で実施する定期健康診断のほかに、健康保険組合からの補助金を利用して人間ドックも受けられます。
アドバンテストグループとしては国内外ともに年1~2回の健康診断を提供しており、受診率は90%以上です。国内勤務者では、2018年度から健診受診率100%を達成しています。

健康管理室では所見のあった従業員に対し、主に生活習慣病の改善を目的とした保健指導、メール支援、スタッフ・産業医面談などを行います。また、脳・⼼疾患の既往がある従業員には健診結果にかかわらず⾯談し、就業制限をかけて安全を配慮しています。

活動事例

「オンライン健康カーニバル」をグローバルで開催

オンライン健康カーニバル告知のポスター

バスケットボールを楽しむ従業員

アドバンテストは、2021年10月~2022年1月、世界の従業員の健康と元気な職場環境を応援する健康増進イベント「オンライン健康カーニバル (Online Well-being Carnival)」を世界8拠点で開催し、グローバルで健康増進に取り組みました。このイベントは、コロナの影響でテレワークが増え、世界中の従業員の生活環境が大きく変化したことをきっかけに中国の従業員が提案し、世界8拠点のESG推進メンバーたちが協議して実施しました。

イベントは、社内で行っている健康活動に参加する、アプリで体重管理、机に植物を置く、スポーツを始める等、誰もができる小さなアクションを従業員が楽しみながら実行し、それを社内SNS「My LIFE.ON.」に投稿してシェアするという内容でした。その結果「スポーツを頑張っています」などたくさんの活動・投稿が各国から寄せられ、従業員の心と体の健康増進に役立ちました。

おうちでオリンピック大会(台湾)

Advantest Taiwan Inc.(ATI)のEWC(Employee Welfare Committee)は主に従業員の心とからだのケアに取り組んでいます。2021年5月に台湾でCOVID-19の感染が拡大して以来、ATIの従業員はテレワークを強いられました。コントロールのできないCt値(コロナウイルスの数値)もさることながら、ステイホーム期間中の体重増により従業員のBMIが制御不能になることも心配です。そこでEWCは「おうちでオリンピック大会」というイベントを企画しました。皆で体を動かしてゲーム機を獲得しよう!というものです。

このオリンピックでは、まずEWCから全従業員の自宅に健康グッズのパックを配布したのち、従業員が自宅でのエクササイズの様子をそれぞれ写真やビデオに収め、EWCのフェイスブックに投稿して皆で楽しみました。テレワーク期間中、直接会うことはできませんでしたが、多くの方が積極的に参加し、写真や動画をシェアしたことにより、困難な時期においても互いにつながり励まし合うことができました。