人財の育成と公正な評価・処遇

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人財育成方針

中長期戦略の推進に向けては、人財投資が不可欠であり、グローバル人財・フロンティア人財の育成を通じ、顧客価値を追求しながら、事業伸長の基盤強化を図ります。

また、長期的に企業価値を向上させるには、社員一人ひとりが自分の役割を明確に把握し、個人の能力を高める必要があります。また、すべての社員が主体性を持って求められる能力を磨くと同時に、その個々の力がグループの力としてグローバル・ビジネスの舞台で十分に発揮されることが求められます。

さらに、斬新なアイデア(Innovation)を製品という形に変え世の中に送り出すためには、グループとしての力を結集させることのできる優れたマネジメントスキルも重要です。

そのためアドバンテストでは、人財育成の方針として、下記の3つの観点を基に人材育成に取り組んでいます。

「チャレンジスピリット」、「グローバル化」、「マネジメントのレベルアップ」を、グローバルに通用するプロフェッショナルな人財育成の要点として注力し、自己研鑚に励み、高度な専門知識や幅広い教養を身につけようとする社員を積極的に支援しています。

グローバルに通用するプロ人財の育成

サスティナビリティ目標「研修および教育」へのアプローチ

顧客と社会に貢献を続け、企業価値を向上させるには、社員一人ひとりが自分の役割を明確に把握し、競争優位を保つために個人の能力を高める必要があります。その点から、研修および教育に関しては、重要なCSRテーマであると認識しています。

担当部署 人事部
KPI 従業員あたりの年間平均研修時間
2019年度目標 若手社員の基礎能力育成のため、毎年各新入社員の特性・会社の方針を反映した研修の充実を図る。
2019年度実績 11.5時間(研修時間32,889時間)
バウンダリー 日本国内のアドバンテスト単体
関連する方針 人財育成方針
関連するコミットメント
責任部署・部門 人事部
経営資源 人事部主管の教育研修予算100,000千円、人員7名(人事部3名、(株)アドバンテストアカデミー4名)
関連する苦情処理制度 研修実施後のアンケートを基に対処
評価

教育研修体系と実施状況

アドバンテストでは、あらゆる階層で誰でも参加できる教育研修プログラムを用意しており、基本的な知識から最新の技術動向までを幅広く学ぶことができます。また、この教育研修プログラムが環境変化に適応したものとなるよう、また業界最先端の優秀な人材育成となるよう、社員教育を専門に扱う(株)アドバンテストアカデミーと協力し、さらなる改善を続けています。

グローバル化の進展により、大きく変化するビジネス環境に適応するために、前述の人財育成方針に沿った人財教育体系を強化しています。また内容の充実化を図るため、グローバル系研修の拡充など、新規プログラムの企画、実施に取り組んでいます。新規プログラムは、研修内容に応じて、内部・外部の講師を使い分けるなど、各分野の専門家による効果的なプログラムを用意しています。

グループ各社においても、日々の業務を通じた育成に加え、個人の能力や専門性を高めるための教育を各国・地域のニーズに沿って幅広く展開しています。

たとえば、Advantest (China) Co., Ltd.では、Training Day と題したイベントを定期的に開催しています。テーマに沿った形でいくつかのセミナーが社内講師によって提供されています。社内講師に対しては評価が行われると同時に表彰制度もあり、相互に学び合う文化の形成を図っています。このような取り組みをグループ会社間でも情報共有し発展させていくことで、アドバンテスト全体の底上げとなる仕組みづくりを目指しています。

主な教育体系

アドバンテスト単体では、2019年度は、のべ2,851名の社員が何らかの研修を受講し、総研修時間は32,889時間、社員一人あたりの平均研修時間は約11.5時間でした。

研修カテゴリー 対象 受講者数 研修時間
ビジネス研修(人財マネジメント等) 管理職・一般社員 897名 7,755H
テクニカル研修(技術) 管理職・一般社員 1,125名 4,719H
eラーニング(人財マネジメント等) 管理職 24名 1,200H
新人研修(階層別) 一般社員 30名 14,066H
英会話(グローバル) 管理職・一般社員 245名 3,026H
TOEIC(グローバル) 管理職・一般社員 408名 816H
外部セミナー(ビジネススキル等) 管理職・一般社員 122名 1,307H
合計   2,851名 32,889H

*集計範囲:アドバンテスト単体

を付けた数値は、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けています。

エンジニアの育成

アドバンテストでは、当社製品が世の中の先端技術を支え続けることを目的に、特にエンジニアの教育に力を入れています。

基礎知識から最新の技術動向について幅広く学ぶことができる、独自のプログラムを用意しており、当社グループの社員であれば、誰でも参加することができます。

2019年度も、各種の技術セミナーやテクニカル研修を行い、約1,125名のエンジニアが受講しました。
プログラムのなかには、ベテランのエンジニア社員が講師になるものもあり、例えば、設計品質をテーマとしたものでは、設計業務を担当する社員が自身の経験を基に、品質維持と向上に欠かせない基礎技術について講義します。社内に講師を招くコースは、エンジニアやマネジメント層からの要望により実施し、変化の激しいビジネス環境に順応できるよう支援しています。

これらのプログラムや開発・設計現場でのOJTを通して、技術的な知識だけでなく、アドバンテストのDNAも受け継がれていきます。

ソフトウェア関係

ソフトウェアエンジニアリングフォーラムを20年に渡り年間6回開催しています。社内外の講師から、アジャイル、ディープラーニング、CI(continuous integration)の構築方法といった最新情報を学んでいます。2019年10月には、気づきを継続的に共有しあえる場としてAdvantest Engineering Fridayが始まりました。ここでは複数の分科会がうまれ、金曜日の午後に定期的に集まり、組織とは違うコミュニティとして互いに研鑽しあう場となっています。

その他高度技術講座

外部講師を招いての先端メモリデバイス、5Gなどの最新動向を学ぶ講座、また経験者ならではのブレイクスルーポイントを伝える講座を年間10回程度実施しています。

2019年度は新たにAIの大規模公開オンライン講義(MOOC=Massive Open Online Course)を受講できる環境をトライアルで構築しました。スタンフォード大学など有名な大学や組織がコースを提供しているCourseraのディープラーニングとマシンラーニングコースを42名が受講し、内37名が修了証を取得しました。課題を解決するには、プログラミング能力や英語力も求められるため、受講者内で助け合いながら取り組んでおり、エンジニアの底上げにつながっています。

今後は、新入社員等、社内での受講者を増やすことはもとより、学習したことを業務で活用できるよう支援する環境を構築していく予定です。

社内で開催する研修以外にも、通学講座に対する支援も行っており、従業員自らの意思と努力による自主的な学習意欲をサポートしています。

新入社員の教育・研修

新入社員は、まず1ヵ月間のビジネス基礎研修で社会人としての基本を身につけ、会社を知ることから始めます。その後、技術系、事務系に分かれて職種別研修を受けます。

技術系社員は、最初に設計の基礎を学び、その後、製品の使用方法や品質保証、知的財産など技術系社員に必須の基本知識を習得する「技術基礎研修」、開発の基本業務を体験する「ハードウェア研修」、「ソフトウェア研修」、「デバイステスト研修」、ものづくりの原点である「製造研修」を通じ、アドバンテストのエンジニアとして必要な技術を習得します。事務系社員は、ものづくりの基礎と事務系のスキルを磨く「事務系基礎研修」を行うと同時にグループ全体の事業内容や、部門間の業務のかかわりを学びます。

若手社員の基礎能力育成のため、毎年新入社員の特性・会社の方針を反映した研修となるよう見直しを行っており、2019年度には新たにチームビルディング研修、経営分析研修、ロジカルシンキング研修、英語ライティング研修を育成メニューに加えました。

このように、新入社員はさまざまな研修を経験することで配属後の自分の役割を強く認識し、関係部門と協力して業務を進めていくようになります。新人研修の期間は、当社の社員になるための大切な形成期間といえます。

新入社員研修の構成

グローバル人事活動

アドバンテストでは、グローバル、フロンティア人財の育成に向け、グローバル共通の制度の中で、各国独自の文化風習を踏まえた取り組みも行うことで従業員の処遇を適切に行っています。
定期的に「Global HR Meeting」を開催し、各国での状況や取り組みを共有し、また、グループ共通の人事課題解決に向け議論する場を設けています。
2019年度にはF2FのGlobal HR Meetingを日本およびドイツにて各1回実施し、グループ各社の人事責任者が各国の取り組みや課題を発表。また、共通の人事制度や新たなシステム導入など、更なるグローバル化に向けた議論を行い、交流を深めました。

公正な評価・処遇

業績評価やキャリア開発に関しては、期初に立てた目標に対し、期中に上司と適宜コミュニケーションを図るとともに、年度末の考課面談を通じて行っています。この面談は、正社員だけでなく、一部の契約・嘱託社員にも実施しています。

ARMS人事制度

アドバンテストは、現在、海外売上高比率が90%以上、全従業員5,503名のうち53%以上に相当する2,891名が海外関係会社の従業員で占めており、 グローバルカンパニーとして事業を推進しています。この体制を踏まえ、当社は2012年4月、世界の複数拠点による協業や人事交流・異動などを円滑に進めていくためのグローバルに統一された人事制度、「ARMS (Advantest Resource Management System)」を導入しました。

グローバル人事制度

「ARMS」では、これまで各国の事業会社が独自に定めていた資格制度を廃して、新たに世界共通の10段階の資格制度を整備しました。この制度では、ジョブレベル1から6までを一般社員層に、ジョブレベル7から10までを管理職層に適用しています。管理職層については、予算管理や部下の考課・労務管理などを担当するマネジャーと、業務の取りまとめや業務遂行に専念するマネジャーの2系統を制度化しました。部下をもつライン長を前者、それ以外のスペシャリストを後者に位置づけ、複線型の資格制度とし、多様な人財をマネジャーとして処遇できる体制としています。

また、基本給や賞与などの給与体系についても世界共通のルールを適用しています。例えば、従来のアドバンテストでは、賞与は所属する各国法人の業績を反映する仕組みが主でしたが、新制度では連結決算の損益を反映する仕組みに変更しました。さらに、人事考課についても2012年度から新しい制度を適用しています。これらグローバル共通の新制度によって、社員は世界のどの組織に所属していても同一基準の評価・処遇が適用されており、すべての社員が評価、育成等に関しての面談を年1回以上受けています。

本グローバル人事制度導入後7年が経過し、その間、日本からの海外出向者の増加や海外関係会社間の人財交流などが図られ、組織の活性化、企業業績の伸長に寄与しています。

グローバル・ジョブレベル & タイトル

一方、就業時間や在宅勤務制度の有無など詳細な労務管理については、世界各国の法令や現地の労働習慣などに応じて個別に運用していく仕組みです。

2014年度以降、グローバルな人事データベースを整備し、グローバル規模でのプロジェクトチームの組成やスムーズな人事異動などに有効活用しています。また、2015年度の人事考課よりグローバルな人事考課システムを導入し、利用を開始しました。今後も、グローバルな人財開発システムの整備や、多様な人財の積極的な雇用・登用によるダイバーシティの推進、各国の事業戦略などに即した人財採用戦略の策定にも積極的に取り組んでいきます。

アドバンテストでは、今後もグローバルカンパニーとして、グループの多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に力を注いでいきます。

年金制度

アドバンテスト(国内)は、退職金の制度としてポイント制を導入しています。また、退職金制度の一部として、基金型の確定給付型企業年金を導入し、一定の条件のもと退職金を年金として受け取ることができます。
2018年度に確定給付型企業年金制度の一部を確定拠出型企業年金制度に変更し、ポイント制の退職金制度とは別に、確定拠出年金制度をスタートしました。
その結果、退職金は会社支給の退職一時金と、勤続年数により年金化が可能な基金支給部分と、確定拠出年金制度の3本立てとなっております。