調達方針

1. はじめに

当社は、「先端技術を先端で支える」という企業理念の下、「試験・計測」分野において高品質、高信頼性を有する製品・サービスを提供することにより、社会や産業の進歩に寄与し、人々の豊かな生活や社会の発展に貢献することを志しています。また、日々、最先端の技術開発、生産性の向上および技術的サポート・サービスの改善に取り組んでいます。これらを実現するためには、バリューチェーンの重要な構成員であるお取引先の皆さまのご協力が必要不可欠になっています。お取引先の皆さまには、ビジネス・パートナーとして当社の調達基本方針および要望事項についてご理解いただき、責任ある企業としての取り組みにご協力をお願いいたします。

2. 調達基本方針

当社は、関連法令および社会規範を遵守し、お取引先の皆さまとの信頼関係の構築に努め、公正かつ自由な競争を尊重して、誠実に調達活動を行います。お取引に際しては、以下の点を配慮して公正な評価・選定を行います。

(1) 環境保全への取り組み

環境に配慮した製品を開発・生産するため、省資源化や環境負荷のより少ない部材の調達を推進します。

(2) 労働者の人権尊重

児童労働・強制労働の禁止、人種・性別その他による差別禁止、結社の自由など、国際規範や行動指針で定義される人権の行動規範を尊重する取引先からの調達に努めます。

(3) 製品・サービスの品質と安全性の確保

試験装置メーカーとして、お客さまの品質保証に寄与する責務を果たすため、当社の求める品質と安全性を満たす部材の確保に努めます。

(4) 製品・サービスの価格

お客さまが求める製品価格の実現のため、市場競争の原理に基づき、部材の最適コストを追求していきます。また、新技術、新工法、新材料を積極的に採用するとともに、VE活動を積極的に推進していきます。

(5) 納期の遵守、安定供給力および需要変動への対応力

お客さまが求める納期や需要変動に対応するため、必要な時期に、必要な部材を、必要な量、安定的に確保することに努めます。

(6) 技術力

設計、加工、実装などの各分野における画期的あるいは独創的な優れた技術力を積極的に採用します。

3. お取引先の皆さまへの要望事項

当社は、事業をグローバルに展開する企業として、国連グローバル・コンパクト(UNGC)10原則、国際人権章典、ビジネスと人権に関する指導原則、関連する国際条約*1に記載されている人権および環境権(以下、関連する国際条約)、およびRBA(Responsible Business Alliance)行動規範などの国際的規範・原則の趣旨に沿った調達活動を推進します。お取引先の皆さまにおかれましても、サプライチェーンとして社会的責任を果たしていくために、以下の事項について、遵守していただくよう要望いたします。

  1. (1)
    サプライチェーン全体の社会的・環境的責任を果たせるよう以下の国際原則・基準に定められた人権・環境保護および禁止事項を遵守してください。
    サプライヤー選定における人権および関連する環境権への配慮、関連する研修および能力開発の実施、苦情処理手続きへのアクセスの提供、リスクベースの管理の実施、ならびに人権および環境権の保護に関しては二次サブサプライヤーへの義務付けおよび監視などの適切な措置を講じることにより、人権および環境権を保護いただくようお願いします。
  2. (2)
    関連法令と社会規範の遵守
    次に掲げるもののほか、お取引先さまが事業を営む国および地域において適用される法令、社会規範の遵守をお願いします。
    • 贈収賄や汚職などの不正な行為の禁止
    • 不適切とみなされる可能性のある業務上の行為を避けること(利益相反の疑いを生じさせる可能性のある行為を含む)
    • 公平な競争規約および独占禁止法の遵守
    • 当社製品や役務の輸出の可能性を踏まえた輸出入法規の遵守
    • ビジネス・パートナーの個人情報に関する個人情報保護法規制の遵守
    • 知的財産権の尊重
  3. (3)
    アドバンテストグリーン調達ガイドライン 」に従い、1.ISO14001の取得等、環境保全体制の整備を行うとともに、2.積極的に環境保全活動に取り組み、かつ、3.省資源化に配慮して環境負荷のより少ない部品、材料の使用および生産に努めていただくようお願いします。
  4. (4)
    当社グループとの取引基本契約書、個別契約書および品質保証協定書等の契約および取決めに従い、製品、サービスの品質管理体制を構築して品質管理を行い、安全性を確保していただくようお願いします。
  5. (5)
    競争力のある価格で製品・サービスを提供し、継続的に価格低減努力を行っていただくようお願いします。
  6. (6)
    納期に対応した製品の確実な納入、迅速なサービスの提供を行い、かつ急激な需要変動に対応するため製品・サービスの安定かつ柔軟な供給・提供体制を整えていただくようお願いします。
  7. (7)
    安全で顧客ニーズに適した製品・サービスを提供するため、常に技術力の向上、技術革新に努めていただくようお願いします。また、先行技術を有する部材の提案をお願いします。
  8. (8)
    継続的な取引を行うため、健全で安定した事業経営を行っていただくようお願いします。また、それを確認するために必要な財務情報、会社情報等を開示していただくようお願いします。
  9. (9)
    機密情報の漏洩を防止する体制を整え、当社との取引を通じて知りえた情報は厳密に管理していただくようお願いします。
  10. (10)
    材料・部材等の調達先の透明性の確保のために、RMI(Responsible Minerals Initiative)のフォーマットであるCMRT(Conflict Minerals Reporting Template)を使用した調査へのご協力をお願いします。
    当社では、責任ある鉱物調達に関する取り組みを企業としての重要な社会的責任ととらえており、不正な資金、または非合法な方法により採掘・採取された紛争鉱物*2を使用した原材料、およびこれらが含有される部材・部品等の採用を排除する努力を推進していきます。
  1. 詳細なリストは英語版をご参照ください。
  2. 紛争鉱物とは、タンタル、スズ、金、タングステンの4金属とその原石であるコロンバイト-タンタライト(コルタン)、スズ石、金、鉄マンガン重石の4鉱物を指します。アフリカ・コンゴ民主共和国およびその近隣国は、これらの鉱物の産地であり、その採掘や取引が武装集団の資金源となり紛争を助長している、あるいは人権侵害、労働問題等の根源になっていると言われています。2010年7月に成立した米国のドッド・フランク法で、これらの国から産出され武装集団の資金源となっている紛争鉱物の製品への使用状況について、情報開示規定が盛り込まれ義務付けられました。
  3. これらのCSR項目の詳細につきましては、「アドバンテストサプライチェーンCSR推進ガイドブック」をご参照ください。
  4. 「アドバンテストグリーン調達ガイドライン」は、当社ホームページをご参照ください。

4. 情報ご提供窓口

皆さまとの取引において、当社従業員等に行動規範、取引契約、法令等に違反する行為がある場合、またはその疑いがある場合、もしくは倫理的な不正行為の疑いがある場合、この"専用お問い合わせ窓口"を利用し、通報をお願い致します。通報をいただいた件について事実確認を行い、適正に対処いたします。またこの時、ご協力をいただく場合があります。通報によって、当社が通報者および通報者の勤務する会社に不利益を与えることはありません。ただし、故意に誤った情報を伝えるなど、誹謗中傷のために通報された場合は上記の限りではありません。

2023年12月31日改訂
株式会社アドバンテスト
Chief Production Officer 塚越聡一

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