解説:半導体テスト

Who we are

アドバンテストは、半導体テスト分野でグローバルに事業を展開する
リーディング・カンパニーです

半導体は私たちの暮らしに欠かせないさまざまな機器に搭載されています。
デジタル社会におけるインフラストラクチャーの役割を担う半導体の価値は、
国や世代を超えて私たちの住む世界をより豊かなものにしてくれます。
当社の主力製品である半導体テスタは、半導体がきちんと動作するか、また求められている性能や
耐久性を満たしているかを高精度・高効率にテストします。
当社は、半導体の品質や信頼性の確保を通じて世の中の「安全・安心・心地よい」を支えています。

当社が半導体業界で関わる工程

世界トップクラスの技術で半導体バリューチェーンのイノベーションに貢献

当社のテスト・システムは、ウェーハを作る工程の最後と、パッケージ等を施した後の最終検査の工程で用いられるほか、量産ラインが立ち上がる前段階の設計・評価工程や、最終製品に実装した後の製品・システムレベルテスト工程でも使用されています。
近年では半導体の高性能化・複雑化にともない、良品の半導体を安定して製造する難易度が高まっています。

当社は、1954年の創業以来培ってきた電子計測技術で顧客のさまざまな課題解決に貢献し、 半導体の進化を見えないところで支えています。

半導体テスト・システム

テスト・システムの価値

半導体は私たちの生活を支える重要な部品であり、正確な動作が必要です。しかし、微細な回路で作られた高速半導体は、製造工程で断線や動作電圧のばらつきなどの不具合が生じることがあります。特に最先端のデバイスは安定的に作るのが難しく、メーカーは品質向上のために設計段階から試験を行っています。

半導体テスト・システムは、半導体がパッケージングされた後の「ファイナル・テスト」だけでなく、前工程の「ウェーハ・テスト」や設計・評価段階でも使用されます。これにより不良の原因を解析し、歩留まりを向上させ、顧客のビジネス成功に貢献しています。また、モジュール構造を採用したテスト・システムは、1台で複数の半導体をテストできる柔軟性を持っています。

優れた半導体テスト・システムとは

半導体テスト・システムの差別化ポイントは、計測品質、試験速度、スループット、小型化、発熱量の抑制など多岐にわたります。これらはテスト・システムに搭載される半導体の性能に密接に関連しています。テスト・システム・メーカーは、自社で半導体の設計を行い、その設計力が性能向上と他社製品との差別化に重要です。

さらに、通信ネットワーク、電源、被測定デバイスとのコンタクト機構、ソフトウェアなど、テストの能力や品質に関わる差別化ポイントもあります。これらを統合する技術力が、テスト・システム・メーカーに求められています。

半導体テスト・システムの構成
テスト・システムメインフレームに電源とコントローラを、テストヘッドにテスト機能を搭載したボードを収容します。搬送装置(プローバ/テスト・ハンドラ)はテストデバイスをテストヘッドに搬送します。デバイス・インターフェイスはテストデバイスとテスト・システムを電気的に接続する器具です。

半導体テストのおおまかな手順

一口に半導体といっても、メモリ・デバイスやSoCデバイスなど、用途に応じた機能を持つさまざまな半導体があります。デバイスが設計どおりに動作するかどうか、デバイスが持つ機能に応じてさまざまなパターンでテストを行うのが「ファンクション試験」ですが、それ以外にも「タイミング試験」、「電気的特性試験」などが行われます。

ファンクション試験の例

左右にスワイプ可能です
1 設計データを基にテスト・プログラムを作成2 搬送装置が半導体をデバイス・インターフェースにセット3 搬送装置が試験条件の温度を印加4 テスト・ヘッドからテスト信号を入力5 半導体の出力波形を、リファレンスと照合し、良品/不良品を判定6 判定結果に従って、搬送装置が良品/不良品を分別

当社がテストする半導体

私たちの身近な暮らしを支える半導体

当社のテスト・システムは、顧客である世界中の半導体メーカーが生み出す多種多様な半導体の試験を担っています。信頼性が保証された半導体は生活や産業のあらゆる分野に活用され、私たちの身近な暮らしを豊かにしてくれています。

  • スマートフォンの高性能化をもたらしている、半導体の進化を象徴するデバイスです。先端の半導体プロセス採用によってテストの複雑化が最も進展している品種であり、テスト・システムにも積極的な投資がなされます。

  • スマートフォンやテレビ等のディスプレイの発色や明るさをコントロールする半導体です。ディスプレイ業界では有機EL採用、タッチセンサーの組み込みなど、技術進化が相次ぎ進められており、ディスプレイ・ドライバーICのテストも高度化しています。

  • 直流と交流の変換や電圧調節の機能などを持つ半導体です。電子機器はもちろん、自動車や産業機器、風力発電・太陽光発電など、広範な用途で使用される半導体です。省電力化への社会的要請を背景に、今後の市場拡大が期待されています。

  • データサーバーやAIサーバーなどで大規模な演算を高速で行うために設計された、いわゆるハイ・パフォーマンス・コンピューティング用途の半導体の総称です。AIや機械学習、深層学習の普及とともに、HPCデバイス市場も年々拡大が続いています。

  • データを記憶する半導体で、データを高速で読み書きできるDRAMや、電源無しでデータを長期間保持できるNANDフラッシュなどがあります。近年ではスマートフォン用やデータセンター用の需要が拡大しています。

  • カメラ画像をデジタルデータに変換する半導体です。スマートフォンのカメラの高画素化や多眼化、動画需要の伸びを背景に画像データ処理の高速化対応が急ピッチに進展していることで、テスト・システムの性能向上ニーズも並行して高まっています。

  • 無線通信を担う半導体で、スマートフォンおよびその基地局が主な用途です。5G通信のミリ波帯域の本格活用を控え、その技術トレンドに応じたテスト・ソリューションへの期待が高まっています。

  • エンジンやバッテリーのコントローラ、エアバッグや衝突回避システムのセンサーなど、自動車に搭載される半導体の総称です。自動車の安全基準をクリアするため車載半導体にも高い品質や信頼性が求められることから、テストも入念に行われる傾向にあります。

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