サステナビリティ基本方針のもと、地球温暖化の抑制を企業の使命として、グリーン製品の提供や事業プロセスの革新により、温室効果ガスの排出削減に努めます。 また、TCFDに賛同し気候変動のリスクと機会の明確化と情報開示を積極的に進めていきます。
気候変動へのアプローチ
アドバンテストはThe Advantest
Wayのもと、長期的な視点で「緩和策」と「適応策」の取り組みを継続し、重要な社会課題である気候変動に事業を通して貢献します。
TCFDに基づく気候変動関連の開示は、「ガバナンス」ページの「リスクマネジメント」から参照ください。
気候変動に関する国際的イニシアチブとアドバンテストの取り組み
当社グループでは、気候変動対策の中長期目標として、2050年度にスコープ1+2におけるGHG排出量ゼロを目標として掲げ、また、スコープ1+2におけるGHG排出量を2026年度に2018年度比65%削減する目標を掲げています。
なお、当社グループは2030年度のスコープ3のGHG排出量削減目標を策定しておりますが、当社グループを取り巻く事業環境の変化を踏まえ、現在、スコープ3のGHG排出量削減目標値を見直すとともに、目標達成に向けた具体的な施策を検討しています。
業界団体を通じた取り組み
気候変動イニシアティブ
気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative:
JCI)は、1.5度目標の実現に向けて積極的に取り組みを進める日本の非政府アクターのネットワークです。
アドバンテストは、JCIが掲げる宣言「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」に賛同し、同イニシアティブに参加し、2050
年までの脱炭素化に向けた取り組みを進めています。
当社は、気候変動対策に自発的かつ積極的に取り組むとともに、気候変動対策に積極的に取り組む自治体、企業等と相互に支援することで、脱炭素化社会の実現に貢献していきます。
半導体気候関連コンソーシアム
半導体気候関連コンソーシアム(Semiconductor Climate Consortium: SCC)は、国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials International: SEMI)が、半導体エコシステムからの温室効果ガス排出削減を加速するために設立したコンソーシアムです。
アドバンテストは、創設メンバーの一社としてSCCに参加し、メンバー企業と協働しながら、1.5℃目標達成に向けて気候変動対策を推進しています。

環境マネジメント
アドバンテストは、サステナビリティ推進による自社と社会のサステナビリティ実現のために、「サステナビリティ行動計画2024-2026」を策定しています。行動計画の具体的な目標、指標設定は気候変動対策などの国際基準をベースとしています。その成果は、年に2回、サステナブル経営推進ワーキンググループへ報告し協議します。その後、サステナビリティ基本方針に則り、経営会議、取締役会へ報告し、アドバンテストのサステナビリティ戦略としての協議がなされます。こうした体制を支えるマネジメントツールとして当社はISO14001を活用しています。
気候変動対策の国際基準については、「気候変動へのアプローチ」を参照ください。

ISO14001認証の取得
アドバンテストグループは、日本国内のオフィス・研究・開発・生産拠点で、統合ISO14001の認証を取得しています。海外拠点においては、各国の法規制に基づいた環境マネジメントシステムを構築し、ISO14001:2015の認証を取得しています。各国においてISO14001:2015という統一規格のもと、エネルギーの使用削減、廃棄物発生の抑制、グリーン製品の開発・提供等、事業活動に伴う環境負荷低減に向けた取り組みを推進しています。
当社ではISO14001を、サステナビリティ活動の推進軸と進捗確認サイクルを持つ、重要なマネジメントツールと捉えています。国内外で広く活用できる国際規格として最大限に活用したいと考えています。
ISO14001認証取得状況

2025年6月10日現在

(株)アドバンテストのISO14001認証範囲
2025年6月10日
ISO14001の管理対象にS(社会)とG(ガバナンス)の目標を追加
2022年 ESG Global Meetingにて、ISO14001がPDCAサイクルを伴う既存の仕組みであること、主要拠点で既に運用実績があることから、ISO14001マネジメントプログラムの仕組みを使ってESG行動計画(当時)を達成する施策が提案されました。E(環境)だけでなく、SとGにも展開しようと考えました(※)。これを機にISO14001による管理対象の拡大の動きはアメリカ、日本へと広がり、「サステナビリティの取り組み強化」を目指してISO14001を最大限に活用しています。
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※SとGの目標設定については、ISO14001:2015の認証審査対象外となります。
海外拠点への展開
2023年 Advantest America, Inc.ではISO14001のプログラムを更新し、ESGプログラムに統合しました。同時に、ISO14001のマネジメントプログラムをAdvantest America, Inc.の全製造拠点に拡大して運用を開始しています。
また、ISO14001のプラグラムを活用したサステナビリティの取り組み強化と活動展開の流れを2024年度の環境教育として組み込み、グローバルに向けて発信しました。
日本での展開
ISO14001のマネジメントプログラムのESG展開にあたっては目標の立て方を工夫しました。環境の目標テーマは「著しい環境側面」との紐づけを考慮しますが、SとGの目標テーマは上位目標から紐づけています。
また、コーポレートレベルの「ESG行動計画」(当時)からユニットレベルのユニット戦略、部門レベルのマネジメントプログラムにしっかりと落とし込めるよう、プロセスを改善しました。
具体的には2023年より各部門との目標設定会議の際、外部専門家とサステナブル経営推進ワーキンググループ(SMWG)ESGリーダーも会議に同席して目標を検討・協議しました。その結果、形骸化していた会議がコミュニケーションの場に変わっていき、2025年度は全ESGマネジメントプログラム部門目標に対し、77.9%の目標が上位目標と紐づきました。

目標紐づけの一例
ISO14001規格要求事項に基づく環境方針
アドバンテストは、グループとして環境方針を掲げて環境保全ならびにサステナブルな社会の実現を目指しています。 サステナビリティ基本方針に伴い、環境重点課題の長期の目標設定とMTP3期間(2024-2026)3ヵ年におけるKPIを明確にし、気候変動対策や脱炭素社会への貢献に向け、責任ある取り組みを推進しています。
サステナビリティ行動計画は「マテリアリティとサステナビリティ行動計画」を参照ください。24年度の実績については9月末までに更新予定です。
アドバンテストグループ環境方針
アドバンテストグループは、事業活動を通じ、社会の持続可能な発展に貢献します。
さらに、気候変動対策や生物多様性保全などの環境保護およびエネルギーや水資源などの持続可能な利用に努め、社会に信頼される企業として、全員参加で、以下の項目の環境保全活動に積極的に取り組みます。
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1.環境マネジメントの推進
環境マネジメントシステムを維持し、事業活動と環境効率を両立させたグローバルな環境保全活動を推進します。 -
2.お客様の環境負荷低減
省エネルギー、リサイクル性向上、有害物質の排除を行い、製品の材料調達から廃棄までのライフサイクルを考慮の上、お客様の環境負荷低減に貢献するグリーン製品やサービスを提供します。 -
3.事業プロセスの革新
事業活動におけるプロセスを革新し、環境に配慮したもの作りによる環境パフォーマンスの継続的改善を推進します。 -
4.環境保護と資源の持続可能な利用
事業活動が環境に与える影響を把握し、気候変動対策や生物多様性保全などの環境保護およびエネルギーや水資源などの持続可能な利用に努めます。 -
5.環境関連法令の遵守、汚染防止
環境関連法令および自ら定めた事項を遵守し、化学物質や廃棄物などによる環境汚染と健康被害を予防します。
環境方針の見直し体制
アドバンテストグループ環境方針は、Group CEOがコミットメントしています。
また、次の事由が生じた場合に見直しを行い、原則として経営会議でその変更内容を審議・決定の上、社内外に開示しています。
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当社の製品、活動、サービスにかかわる環境影響に大きな変化が生じた場合
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ISO14001規格が改訂され、規格要求事項との差異が生じた場合
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Group CEOが交代した場合
サステナビリティ教育
アドバンテストでは、2022年から環境だけでなくサステナビリティ推進という大きな枠組みで啓発に取り組んでいます。
サステナビリティ教育の基本的な考え方
アドバンテストグループでは、サステナブルな世の中を実現するためには、従業員一人ひとりが社会課題を理解することが重要と考えています。以下の2つの視点でグローバルな啓発活動を推進しています。
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1.従業員一人ひとりが社会課題を身近な問題であると意識できる
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2.事業活動、家庭生活のなかで自分に何ができるのか、何をするべきかを考えられる
2024年度は、1に対しては環境教育として事業を通じた環境貢献について学びました。2に対しては社内SNS「My LIFE. ON.」による従業員一人ひとりの取り組みを共有する場を提供 、かつサステナビリティワークショップを実施し、従業員へのサステナビリティ浸透を推進しています。
主な環境教育プログラム
当社はISO14001の規格を使って環境負荷低減の取り組みを推進しています。ISO14001の詳細は「環境マネジメント」を参照ください。
プログラム名 | 教育内容 |
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新入社員研修 | 新入社員へのアドバンテストのサステナビリティに対する考え方の啓発教育 |
ISO14001環境一般教育 | アドバンテストグループ全体で理解すべき基礎教育として第3期中期経営計画に定める「サステナビリティの取り組み強化」、およびアドバンテストグループの環境方針の理解などを含むISO14001環境一般教育 |
化学物質管理 | 化学物質の取り扱いおよび安全管理についての教育 |
特定業務の力量教育 | エネルギー管理、公害防止および廃棄物管理など、特定業務従事者に必要な力量の維持・向上の教育 |
2024年度 環境一般教育の受講状況
対象者(名) | 受講者(名) | 受講率(%) | |
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国内 | 2,918 | 2,918 | 100 |
海外 | 4,915 | 4,505 | 91.7 |
全体 | 7,833 | 7,423 | 95.9 |
その他のサステナビリティ教育活動
サステナビリティ資料の公開
2024年度におけるアドバンテストのサステナビリティ活動を、従業員を含むすべてのステークホルダーに広く理解してもらうため、以下の動画および資料を公開しました。いずれも当社のサステナビリティへの取り組みを分かりやすく紹介しています。
これらのコンテンツを通じて、アドバンテストのサステナビリティへの取り組みをより深く理解してほしいと願っています。
サステナビリティワークショップ
当社では、新入社員研修や希望者向けに、サステナビリティを楽しく学ぶワークショップを開催しています。このワークショップでは、多様な価値観に基づいたさまざまなお金の使い方や活動を通じて、自分の行動と社会とのつながり、そしてウェルビーイングの向上を体感できるカードゲームを使用しています。
この取り組みは、サステナビリティの社内浸透や従業員のエンゲージメント向上に寄与しています。
参加者からは、以下のような声が寄せられました。:
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「社会とのつながりを実感できた」
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「多様な価値観を受け入れる第一歩になった」
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「自分の行動が社会に影響することを体感できた」

目指すインパクトの明確化
トークンエクスプレス株式会社のご協力のもと、2024年度は当社のサステナビリティ活動の社内浸透を目指す姿とその実現の道筋を、インパクトの考え方に基づいて整理・設計しました。定めたビジョンに向けて、今後もサステナビリティの社内浸透を積極的に推進していきます。

インタラクティブ地球儀の活用
当社は、地球のデータをリアルタイムに映すインタラクティブ地球儀を購入し、研究開発拠点である群馬R&Dセンタに設置しています。地球の大気温変化や、過去/現在/未来の地球を学べるこのツールをとおし、地球規模の環境教育を推進しています。
当社では、インタラクティブ地球儀を従業員研修やサプライヤー向けの研修に積極的に活用しています。また、地域のイベントにも出展し、地球儀を通じて多くの方々にサステナビリティについての理解を深めていただいています。


アースデーイベント2024をオンラインで開催
アメリカでは、昨年に引き続き、従業員向けにオンラインでアース・デーイベントを開催しました。イベントでは、海洋哺乳生物保護団体 海洋哺乳類センターによる海洋保全や生物保護活動の紹介、SEMI Climate Consortiumより半導体業界の環境取り組みについての説明などが行われ、多くの従業員が環境保全への意識を高める良いきっかけとなりました。

社内SNS「My LIFE. ON.」による、グローバルな啓発活動
アドバンテストは社内SNS「My LIFE. ON.」をグローバルで運営しています。このSNSは、従業員が人/環境/社会によい活動を投稿し、それを見た人が「いいね」やコメントを入れて活動を応援することで、楽しみながらSDGsに貢献できる場となっています。
グローバルで推進体制を構築
アドバンテストは、従業員の活動参加を推進する仕組みをグローバルで構築しています。世界主要8拠点のSDGs推進メンバーと共に、多くの従業員が地域での活動を紹介し共有する場として社内SNSを活用しています。

2024年度も世界各地で、従業員が社会貢献活動を実施しMy LIFE.ON.で共有しました。
中国の従業員からは、森林保全活動の投稿がたくさん寄せられました。日本の従業員は日本語で投稿しますが、中国の従業員は英語や中国語で投稿します。My LIFE.ON.は、複数の言語で貢献活動の情報共有ができる、当社ならではのグローバルな交流の場となっています。
このほかにも、2年間伸ばした髪を切ってヘアドネーションを行い、病気で髪を失った子どものための医療ウィッグのプレゼントに貢献した従業員や、献血100回を達成し、日本赤十字社から100回献血の記念品が贈られた従業員の投稿など、積極的に社会に貢献する投稿が共感を呼びました。


