サプライヤーとの取り組み

ESG行動計画2021-2023

アドバンテストは、The Advantest Way、経営理念である「先端技術を先端で支える」に基づき、事業を通じた社会課題の解決への貢献に積極的に取り組んでいます。2021年に策定した「ESG推進基本方針」では、グローバル企業としての社会的責任や、ステークホルダーに対して当社が果たすべき役割を示し、あわせて開示した「ESG行動計画2021-2023」において、具体的なテーマと目標、KPIを定めて、全社で活動を推進してきました。

サプライチェーンにおいては、CSR調達の推進のため、地球温暖化対応・人権・労働安全・公正な取引・コンプライアンスなど、取引先と連携して持続可能な社会の実現に向けて、取り組みを進めています。

なお、2024年度からはサステナビリティ基本方針に基づいた「サステナビリティ行動計画2024-2026」により活動を推進していきます。

人権デュー・ディリジェンスへの取り組み

当社はサプライヤーやその他のビジネスパートナーなどによる人権への負の影響がないか注視しています。アドバンテストグループの事業活動にそうした負の影響が直接つながっている場合は、「アドバンテストグループ人権方針」をご理解いただけるよう対話と協議を通じて人権尊重を働きかけています。

当社では、人権デュー・ディリジェンスを調達プロセスに組み込むために、バリューチェーンの重要な構成員であるサプライヤーに対しても明確な調達方針を公開し、人権や労働、安全衛生に関するガイダンスを「アドバンテストサプライチェーンCSR推進ガイドブック」にて提供しています。

人権デュー・ディリジェンスは、ステークホルダーエンゲージメント、人権方針の策定、是正・苦情処理メカニズムの構築をベースに、以下のサイクルを実行しています 1 人権リスクの評価 2自社マネジメントへの統合 3追跡調査・モニタリング 4情報開示

アセスメントとモニタリング

サプライチェーン・デュー・ディリジェンスでは、リスクベースにより、複数のアプローチでアセスメントとモニタリングを実施しています。

サプライヤー評価方法

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対象 内容 評価&対応
一般サプライヤー
サプライチェーン
CSR調査
アドバンテストグループ全体の取引額の85%を占める取引先 RBA行動規範をベースに、おもに「人権・労働」「労働安全」「環境保全」「公正取引・倫理」「事業継続計画」「サプライチェーン・マネジメント」などの状況を調査するもの スコア化、顕著なリスクの有無を確認、必要に応じて個別面談やセミナーを実施
戦略サプライヤー
サプライヤー・パフォーマンス・マネジメント評価
売上や調達リスクを踏まえて特定した戦略サプライヤー約25社 TQRDCEB(Technology, Quality, Responsiveness, Delivery, Cost, ESG, Business)の項目で調査 0~4点で独自評価
評価結果(スコアと理由、改善要請など)をフィードバックし、翌年に向けた活動計画を共に作成
特定サプライヤー
紛争鉱物調査
3TG、コバルト、マイカ
主要製品に対象鉱物を使用しているサプライヤー
RMI帳票(紛争鉱物報告テンプレート)を活用 コンフォーマント認証を取得している精錬所数の確認
顕著なリスクが確認された場合は、是正依頼を実施

2023年度 CSRアンケート調査の実施(グローバル)

当社では、全グループ会社の取引額の85%を占める取引先さまに対し、毎年「CSRアンケート調査」を実施しています。調査内容は、RBA行動規範、その他の国際的イニシアチブの指針に沿った「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」の内容を中心とした設問になっています。児童労働や強制労働の排除、労働安全衛生の実施など人権尊重の周知徹底と状況確認、また、贈収賄の防止や不正行為の予防と発見についても確認しています。
アドバンテストは、CSRアンケートを通じて公正で健全なパートナーシップの構築はもちろん、気候変動対応として再生可能エネルギー導入やGHG排出量の報告といったサステナビリティを重視した事業活動を推進することによってサプライヤーとの相互繁栄になると考えています。

2023年度は依頼した42社の企業のすべてから回答を得ました。人権に関する重大リスクは発見されませんでしたが、サプライチェーン全体で社会課題に取り組めるように、取引先さまごとに回答結果をまとめた資料を提供するだけでなく、評価の高い点、改善する点などについてもフィードバックしています。このような双方向コミュニケーションを密にすることで、サプライチェーン全体の底上げを図っております。

また、国内では四半期ごとに取引先のQCD*に関して評価を行い、製品の安定供給や品質の維持向上を行っており、 グローバルでは主要取引先に対し技術・品質・調達を含めた年度の評価も実施しております。

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アンケート実施時期 2024年3月
取引先へのフィードバック 2024年10月

2023年度 取引先QCD評価(国内)

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評価実施 四半期ごと
(2023年7月/10月 2024年1月/4月)
改善が必要な取引先へのフィードバック 四半期ごと
(2023年8月/11月 2024年2月/5月)
  • *
    RBA行動規範:Responsible Business Alliance(責任ある企業同盟)が提唱する企業の社会的責任に関する行動規範
  • *
    QCD:品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery)の頭文字をつなげた略語

新規取引先さまへのアセスメント

新たに取引先さまとなる企業には、調達方針に掲げられている、労働(人権)、倫理、安全衛生に関する社会面と環境負荷低減に関する環境面の取り組みへのご理解とご協力をお願いしています。
23年度の新規取引先は0件でした。

問い合わせ・通報窓口の設置

取引上、当社従業員等に行動規範、取引契約、法令等に違反する行為がある場合、またはその疑いがある場合もウエブサイトの専用お問い合わせ窓口を利用して通報するようCSRアンケートの際に依頼しています。2023年度の苦情申し立て実績(件数)は0でした。
通報によって、当社が通報者および通報者の勤務する会社に不利益を与えることはありません。調査の結果、問題が認められた場合には当該行為を停止させ、再発防止策を講じています。

「パートナーシップ構築宣言」を発表

アドバンテストならびにアドバンファシリティズは、「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、当社の「パートナーシップ構築宣言*」を2021年秋に発表しました。
「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーンの取引先さまや価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、企業の代表者の名前で宣言するものです。以下、パートナーシップ等の支援として掲げた一例です。

  • ITの活用により、サプライチェーン全体の業務効率化を推進する。
  • 品質および生産性向上に取引先と共同で取り組み、相互の発展を目指す。
  • 当社を含むサプライチェーン全体で脱炭素社会の実現を目指す。
  • *
    「パートナーシップ構築宣言」は経団連会長、日商会頭、連合会長及び関係大臣(内閣府、経済産業省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において創設。

取引先さまとのESG推進事例

アドバンテストは「パートナーシップ構築宣言」の理念に賛同し、取引先さまと共にさまざまなESG活動を推進しています。

DHLのSAF輸送サービス「GoGreen Plus」を導入

当社の群馬工場、およびパーツセンターを有するアドバンテスト・シンガポール(ASP)では、DHLジャパン株式会社(以下DHL)が提供する持続可能な航空燃料 Sustainable Aviation Fuel(SAF)を使用した輸送サービス「GoGreen Plus」を導入しています。SAFは、持続可能な原料(トウモロコシやサトウキビなどの植物や飲食店・家庭で排出される廃食油など)から製造されるバイオマス燃料で、ジェット燃料などの化石燃料と比べ、 GHG排出量を最大80%削減すると言われています。

当社は、マレーシアから日本への製品輸送にこのサービスを使用し、2024年5月までに約56.5トン相当、またシンガポールからの各国へのパーツ輸送で31.5トン相当、合わせて88.0トン相当のGHG排出量削減に貢献しました。これにより、GHG排出量Scope3のカテゴリー4 (輸送、配送(上流))、およびカテゴリー9 (輸送、配送 (下流))への貢献につながりました。

環境配慮型パレットの導入

部品の倉庫業務を委託している、株式会社アルプス物流様からの提案を受け、群馬工場では2022年に部品保管用に環境配慮型パレットを導入しました。このパレットは、海洋プラごみを配合して作られたもので、環境省が実施している海洋プラごみ削減の取り組み「プラスチックスマート」のロゴマークが側面に印字されています。このパレットを使うことで、当社は物流の面からも海洋プラスチックごみ削減に貢献できるようになりました。

エコドライブで東京都から表彰

当社の製品等をエコドライブで運送している、武蔵関運輸株式会社様が、2023年度「東京都貨物輸送評価制度」(貨物運送事業者のエコドライブ等の努力を実走行燃費で評価する)において、3年連続最上位評価の「三つ星」を受賞、さらに最上位評価のトップ2に選出されました。アドバンテストは、バリューチェーンにおけるCO2削減を重要テーマの1つに掲げています。取引先さまがこのような賞に輝いたことは、サプライチェーン排出量への取り組みを推進している当社にとって、ESG推進の更なる原動力となりました。

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